大三冠

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大三冠(だいさんかん)とは囲碁棋戦の三大タイトルである棋聖名人本因坊を同時に保持すること。現在歴代で達成したのは趙治勲名誉名人井山裕太九段の2人のみである。

またこの頁ではそれに次ぐ名人本因坊も記載する。

概要[編集]

歴代名手の中でも卓越した実績を残した残した棋士を称し、現在棋戦序列1位である「棋聖」。江戸時代では囲碁界の最高地位であり天下に唯一人と決められた称号である「名人」。400年以上の歴史がある囲碁四家元筆頭でありタイトル戦開始も1940年と日本初のタイトル棋戦である「本因坊」。

タイトル戦になった現在この1つでも獲得経験があれば栄誉となるがそれを同時に3つ保持することはさらなる栄誉とされる。

3棋戦とも挑戦者決定戦にリーグ戦を採用している。トーナメント方式であれば反対のシードで強敵が倒される可能性もあるが、リーグ戦は6人~9人の総当りとなりトップ棋士たちとの対戦は避けられず挑戦者になるのも困難となる。また挑戦手合では持ち時間8時間の2日制七番勝負の対局となる。長時間闘う体力と精神力が必要となる[1]

歴代大三冠[編集]

棋士 生年 期間 合計
1 趙治勲 (1956-06-20) 1956年6月20日(62歳) 1983年3月18日-7月28日 約4ヶ月 約2年
1996年11月8日-1999年7月6日 2年240日
2 井山裕太 (1989-05-24) 1989年5月24日(30歳) 2013年10月17日-2016年11月3日 3年17日 1493日
2017年10月17日-2018年11月2日 1年16日

名人本因坊[編集]

1936年、二十一世本因坊秀哉名人日本棋院に本因坊の名跡を譲渡したことからタイトル戦の始まりとなっている。そのため名人と本因坊の同時保持も栄誉とされ「名人本因坊」(めいじん ほんいんぼう)と記載される。

歴代名人本因坊[編集]

太字は現在の名人本因坊

棋士 生年
1 坂田栄男 (1920-02-15) 1920年2月15日 1963-1964
2 林海峰 (1942-05-06) 1942年5月6日(77歳) 1969
3 石田芳夫 (1948-08-15) 1948年8月15日(70歳) 1974
4 趙治勲 (1956-06-20) 1956年6月20日(62歳) 1981-1982
1996-1998
5 張栩 (1980-01-20) 1980年1月20日(39歳) 2004
6 高尾紳路 (1976-10-26) 1976年10月26日(42歳) 2006
7 山下敬吾 (1978-09-06) 1978年9月6日(40歳) 2011
8 井山裕太 (1989-05-24) 1989年5月24日(30歳) 2013-2015
2017

歴代三大タイトル一覧[編集]

  • 二冠以上の棋士を記載。
  • 背景金色が大三冠、銀色が名人本因坊。
  • 背景緑が二冠、桃色がタイトル獲得、青が挑戦者または失冠。
開催年 棋聖戦
1-3月
本因坊戦
5-7月
名人戦
9-11月
棋聖 本因坊 名人
1963年
(昭和38)
坂田栄男 坂田栄男 タイトル戦史上初の名人本因坊
1964年
(昭和39)
坂田栄男 坂田栄男
1965年
(昭和40)
坂田栄男
1969年
(昭和44)
林海峰 林海峰
1969年
(昭和44)
林海峰 史上2人目の名人本因坊
1970年
1871年
1972年
1973年
1974年
(昭和49)
石田芳夫
1975年
(昭和50)
石田芳夫 史上3人目の名人本因坊
1976年
1977年 第1期 棋聖戦開始
1978年
1979年
1980年
(昭和55)
趙治勲
1981年
(昭和56)
趙治勲 趙治勲 史上4人目の名人本因坊
1982年
(昭和57)
趙治勲 趙治勲
1983年
(昭和58)
趙治勲 趙治勲 趙治勲 史上初の大三冠
1984年
(昭和59)
趙治勲 趙治勲
1985年
(昭和60)
趙治勲 小林光一
1986年
(昭和61)
小林光一
1987年
1988年
(昭和63)
小林光一 小林光一
1989年
(平成元)
小林光一 小林光一
1990年
(平成2)
小林光一 小林光一 小林光一
1991年
(平成3)
小林光一 小林光一 小林光一
1992年
(平成4)
小林光一 小林光一 小林光一
1993年
(平成5)
小林光一 小林光一
1994年
(平成6)
趙治勲 趙治勲
1995年
(平成7)
趙治勲
1996年
(平成8)
趙治勲 趙治勲 趙治勲 2度目の大三冠・名人本因坊
1997年
(平成9)
趙治勲 趙治勲 趙治勲
1998年
(平成10)
趙治勲 趙治勲 趙治勲
1999年
(平成11)
趙治勲 趙治勲 趙治勲
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
(平成16)
張栩 張栩 史上5人目の名人本因坊
2005年
(平成17)
張栩
2006年
(平成18)
高尾紳路 高尾紳路 史上6人目の名人本因坊
2007年
(平成19)
高尾紳路
2008年
2009年
2010年
2011年
(平成23)
山下敬吾 山下敬吾 史上7人目の名人本因坊
2012年
(平成24)
井山裕太
2013年
(平成25)
井山裕太 井山裕太 井山裕太 史上2人目の大三冠
史上8人目の名人本因坊
2014年
(平成26)
井山裕太 井山裕太 井山裕太
2015年
(平成27)
井山裕太 井山裕太 井山裕太
2016年
(平成28)
井山裕太 井山裕太 井山裕太
2017年
(平成29)
井山裕太 井山裕太 井山裕太 2度目の大三冠・名人本因坊
2018年
(平成30)
第42期
井山裕太
第73期
井山裕太
第43期
井山裕太
開催年 棋聖 本因坊 名人
棋聖戦
1-3月
本因坊戦
5-7月
名人戦
9-11月

備考[編集]

  • 小林光一名誉三冠は約5年間棋聖と名人の二冠だったものの本因坊位が取れず大三冠も名人本因坊にもなれなかった。3度挑戦するも3回とも趙治勲に阻まれている。
  • 名人と本因坊同時保持は名人本因坊と記載されるが、棋聖名人や棋聖本因坊とは記載されない(公式では単に棋聖。メディアでは二冠などと表記される)。

脚注[編集]

参照[編集]