夜の騎行と日の出

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交響詩夜の騎行と日の出』(よるのきこうとひので、フィン語Oinen ratsastus ja auringonnousu)は、ジャン・シベリウス1908年に作曲した管弦楽曲。アレクサンドル・ジロティの依嘱作品で、ジロティの指揮により1909年1月23日サンクトペテルブルクで初演された。ジロティ夫妻に献呈されている。

シベリウスの交響詩には珍しく、文学的・民族的・神話的な題材に依拠しておらず、明確な標題を持たない。しかしシベリウス自身は、1901年ローマで月夜のコロッセオを眺めた時に霊感を受けたと述べており、親しい英国の音楽評論家ローザ・ニューマーチに説明したところによると、「闇夜の林を独り騎馬で駆け抜けていく普通の人の、内面的な(個人的で霊的な)経験が表現されている」。

総譜は初演と同じ1909年にリーナウ社から出版された。演奏時間は約15分。

構成[編集]

それぞれ3つの対比的な部分からなる三部形式で構成されている。最初のギャロップ風の部分は、ミニマリズム風に(または点描風に)短い動機が執拗に繰り返され、シベリウス作品で最も摩訶不思議な印象を生み出している。短い賛美歌風の部分は弦楽器で呈示される。そして北国の美妙な夜明けが、ホルンの合奏で浮かび上がる。日の出である。

編成[編集]

ピッコロフルート2、オーボエ2、クラリネット2、バス・クラリネットファゴット2、コントラファゴットホルン4、トランペット2、トロンボーン3、テューバティンパニ大太鼓小太鼓トライアングルタンブリンシンバル弦5部

外部リンク[編集]