外国為替

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外国為替(がいこくかわせ)とは、通貨を異にする国際間の貸借関係を、現金を直接輸送することなく、為替手形送金小切手などの信用手段によって決済する方法をいう。

概要[編集]

外国為替の取引では、必然的に「自国通貨と外国通貨とを交換する」こととなり、その交換比率、すなわち外国為替相場が成立することになる。狭い意味では、外国為替の手段である具体的な外国為替手形や送金小切手のことを指したり、外国為替相場のことを指すこともある。

また、(やや本来の用法を逸脱するが、)銀行の外国為替業務と言った場合、外国為替相場が関わる外貨現金との両替業務(外貨現金の直接輸送があることが前提)や、外貨預金に関わる業務(国際間の貸借関係を必ずしも前提としない)を含めることが多い。「外為(がいため)」と略称で呼ばれることも多い。

決済[編集]

送金為替と逆為替

外国為替は銀行間の口座振替によって、実際に現金を送ること無く送金や貿易を行うことをその特徴とする。その形態には「送金為替(もしくは並為替)」と「逆為替(もしくは取立為替)」がある。第一図は送金為替で、東京にいるAがニューヨークのBに1万ドルを送金する例である。まずAは甲銀行本店に1万ドル相当の日本円(図では1ドル=360円)を払い込み、甲銀行から1万ドルの手形を受け取る。Aはその手形をニューヨークのBに郵送し、Bは受け取った手形を甲銀行ニューヨーク支店に持ち込んで1万ドルの現金を受領する。第二図は逆為替で、主に貿易で利用される。東京の輸出業者Aはニューヨークの輸入業者Bに対して1万ドル相当の財を輸出する契約を結ぶ。輸出財を郵船会社があずかる際に「船荷証券」が発行されて輸出業者Aに渡される。Aは船積書類(船荷証券、荷物にかけた保険証券など)を添付して、輸入業者Bを支払人、甲銀行ニューヨーク支店を受取人とした1万ドルの為替手形を発行し、甲銀行本店に持ち込む。甲銀行は輸入業者Bの取引銀行から信用状(Bに代金の支払いを確約させるもの)の交付が済んでいれば、輸出業者Aに対し1万ドル相当の現金(図では360万円)を支払う。船積書類を添付された為替手形(荷為替手形という)は、甲銀行本店からニューヨーク支店に郵送され、ニューヨーク支店から連絡を受けた輸入業者Bは1万ドルを支払って船積書類を受け取り、郵船会社に船荷証券を提示して輸入財を手にする。図では甲銀行にニューヨーク支店があるが、海外に支店が無い場合、Bの支払った代金はコルレス銀行の甲銀行口座に振り込みされる。

法律[編集]

かつて日本においては、対外為替取引きは許可を受けた場合のみ許されるという閉鎖的な為替取引きであったが、1979年(昭和54年)に法律が大きく改正され、外国為替、外国貿易その他の対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引に対し必要最小限の管理又は調整を行うことにより、対外取引の正常な発展、国際収支の均衡及び通貨の安定を図ることが目的とされることとなった(外国為替及び外国貿易法第1条)。その結果、支払等や資本取引等が原則として自由とされ、例外的な場合に財務大臣の許可を受けなければならないとしている(外国為替及び外国貿易法第16条~第25条の2)。

外国為替資金特別会計法第1条により、政府の行う外国為替等(外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)第6条第1項に規定する対外支払手段及び外貨証券並びに外貨債権(外国において又は外貨をもつて支払を受けることができる債権をいう。)並びに特別引出権(国際通貨基金協定第15条に規定する特別引出権をいう。)並びに対外支払の決済上必要な金銀地金をいう。)の売買(国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律(昭和27年法律第191号)第17条の規定による取引を含む。)及びこれに伴う取引(国際通貨基金とのその他の取引を含む。)を円滑にするために外国為替資金を置き、その運営に関する経理を一般会計と区分して特別に行うため、特別会計が設置されている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]