外国倒産処理手続

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外国倒産処理手続(がいこくとうさんしょりてつづき)とは、一般的には、広く外国(すなわち日本国外)で行われる倒産処理手続をいうが、法律上は、二義ある。

その一は、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成12年11月29日法律第129号)におけるものであり、「外国で申し立てられた手続で、破産手続、再生手続、更生手続又は特別清算手続に相当するもの」をいう(同法2条1項1号)。

もう一つは、破産法(平成16年6月2日法律第75号)、民事再生法(平成11年12月22日法律第225号)及び会社更生法(平成14年12月13日法律第154号)におけるものであり、「外国で開始された手続で、破産手続又は再生手続に相当するもの」である(破産法245条1項、民事再生法207条1項、会社更生法242条1項)。

外国倒産処理手続の承認援助に関する法律は、外国で行われる倒産処理手続の効力を日本国内に及ぼす(承認する)ための手続を定めるものであるため、申立て段階(開始前)の倒産処理手続をも規律の対象とせざるを得ないのに対し、破産法等は、外国で行われる倒産処理手続の効力が当然に日本国内に及ぶ場面のみを定め、開始後の倒産処理手続のみを規律の対象としていることから、このような相違がある。

*破産手続について詳細は、破産を参照。
*再生手続について詳細は、民事再生を参照。

なお、本項における「外国」は全て日本の法律上の意味であることに注意されたい。

破産手続の特則[編集]

外国管財人との協力[編集]

破産管財人は、破産者についての外国倒産処理手続がある場合には、外国管財人(当該外国倒産処理手続において破産者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。)に対し、破産手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供を求めることができる(破産法357条の2第1項)。
この場合には、破産管財人は、外国管財人に対し、外国倒産処理手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供をするよう努めるものとされている(同条2項)。

外国管財人の権限等[編集]

外国管財人は、債務者について破産の申立てをすることができ(同法357条の3第1項)、債権者集会に出席して意見を述べることができる(同条3項)。

相互の手続参加[編集]

外国管財人は、届出をしていない破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加しているものを代理して、破産者の破産手続に参加することができる(同法357条の4第1項本文)。
破産管財人は、届出をした債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる(同条3項)。

再生手続の特則[編集]

外国管財人との協力[編集]

再生債務者等(再生債務者又は管財人をいう。民事再生法2条2号)は、再生債務者についての外国倒産処理手続がある場合には、外国管財人(当該外国倒産処理手続において再生債務者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。)に対し、再生債務者の再生のために必要な協力および情報の提供を求めることができる(同法207条1項)。
この場合には、再生債務者等は、外国管財人に対し、再生債務者の再生のために必要な協力および情報の提供をするよう努めるものとされている(同条2項)。

再生手続の開始原因の推定[編集]

債務者についての外国倒産処理手続がある場合には、当該債務者に再生原因があるものと推定される(同法208条)。

外国管財人の権限等[編集]

外国管財人は、債務者に破産原因が生ずるおそれがあるときは、債務者について再生手続開始の申立てをすることができる(同法209条1項)。
また、外国管財人は、再生債務者の再生手続において、債権者集会に出席して意見を述べることができ(同条2項)、再生計画案を作成して裁判所に提出することができる(同条3項)。

相互の手続参加[編集]

外国管財人は、届出をしていない再生債権者であって、再生債務者についての外国倒産処理手続に参加しているものを代理して、再生債務者の再生手続に参加することができる(同法210条1項本文)。
再生債務者等は、届出再生債権者(同法102条1項)であって、再生債務者についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる(同条2項)。