夕張本町駅

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夕張本町駅
夕張本町駅と気動車列車(1970年代)
ゆうばりほんちょう
Yūbari-honchō
末広 (1.2 km)
地図
所在地 北海道夕張市本町4丁目
北緯43度3分22.3秒 東経141度58分22.3秒 / 北緯43.056194度 東経141.972861度 / 43.056194; 141.972861座標: 北緯43度3分22.3秒 東経141度58分22.3秒 / 北緯43.056194度 東経141.972861度 / 43.056194; 141.972861
所属事業者 夕張鉄道
所属路線 夕張鉄道線
キロ程 53.2 km(野幌起点)
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1926年大正15年)10月14日
廃止年月日 1971年昭和46年)11月15日
備考 鹿ノ谷 - 夕張本町間廃止に伴い廃駅
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1976年の夕張本町駅跡と周囲約500 m範囲。左下が鹿ノ谷方面。灰色のビルが市民会館、その横の白いビルが市民会館大ホールで、市民会館1階が駅舎を兼ね、ホームは会館の裏にあった。廃止から5年後の姿で、レールは撤去されている。1971年までは市民会館横の駐車場の敷地までが構内で、貨物上屋があった。1978年6月、同駐車場と周辺民有地に夕張市役所庁舎を新築した。この後1985年に、2代目となる国鉄夕張駅が同場所へ移転した。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

夕張本町駅(ゆうばりほんちょうえき)は、北海道夕張市本町にあった夕張鉄道廃駅)である。夕張鉄道線の旅客部門合理化に伴い1971年に廃止された。

ここでは、同駅の駅舎と一体で建設された「夕張市民会館」(ゆうばりしみんかいかん)についても述べる。

歴史[編集]

駅構造[編集]

単式ホーム1面1線を有する地上駅。終日駅員が配置されていた。

駅周辺[編集]

国鉄夕張線夕張駅は石炭積み出し駅として設置されたため、市街地の外れに位置していた。それに対して夕張本町駅は市街地中心部に位置していた。

廃線後[編集]

廃線後ホーム・線路は撤去され、跡地は空き地となった。1985年10月、国鉄夕張駅(2代目)がこの空き地へ移転した。1990年12月、同駅がホテルマウントレースイ前に移転し、以後再び空き地となっている。駅舎は夕張市民会館と合築の建物で夕張市が所有。隣接する夕張市役所の建物と渡り廊下でつながっている。

隣の駅[編集]

夕張鉄道
夕張鉄道線
末広駅 - 夕張本町駅

接続路線[編集]

夕張市民会館[編集]

夕張市民会館
情報
通称 ゆうばり市民会館
アディーレ会館ゆうばり
正式名称 夕張市民会館
完成 1963年
開館 1963年10月
閉館 2015年3月31日
客席数 大ホール:580席[1]
シネサロン:50席[2]
用途 各種催し、映画上映
運営 NPO法人ゆうばりファンタ(閉館時)
所在地 068-0403
北海道夕張市本町4丁目3番地
最寄バス停 夕鉄バス「本町4丁目・夕張市役所」
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夕張市民会館(ゆうばりしみんかいかん)は1962年着工、1963年10月に完成した。大ホール・映画館・会議室・展示場・食堂・結婚式場・公民館などを備えた総合的な施設であり[1]1971年の駅廃止後も建物は使用され、駅前広場は市民会館の入口・駐車場となった。1979年に改修、1985年に旧駅改札口・待合室付近に小ホール「シネサロン」を新設した[2]

2007年3月、夕張市が財政再建団体となり市民会館は閉鎖されたが、同年11月に「特定非営利活動法人ゆうばりファンタ」が夕張市より無償貸付を受け、全国コンパック工業会北海道支部などの協力により「ゆうばり市民会館」として再開、「市民会館運営委員会」による自主運営に移行した。同年11月23日から25日まで行われた「ゆうばり市民会館復活祭」では、韓国俳優パク・シニャンが出演した映画『約束』(1998年/キム・ユジン監督)が上映され、シニャン本人がノーギャラで来館したというエピソードがある[3][4]

2009年10月、「ゆうばりファンタ」は弁護士法人アディーレ法律事務所ネーミングライツ契約を締結、「アディーレ会館ゆうばり」と改称した。2012年10月、アディーレ法律事務所と再契約を行い、引き続き「アディーレ会館ゆうばり」と称した[5]

2013年11月に「建築物の耐震改修の促進に関する法律」の改正・施行を受け、夕張市による建物の耐震診断が義務化された。建物は完成後約50年経過しており、老朽化が進行していたため、耐震診断の結果によっては補修や耐震補強工事についても行う必要があったが、市には耐震診断や工事の費用負担が極めて困難であったため、市と「市民会館運営委員会」は使用停止・閉館の検討に入った[6]。同年12月7日ロックバンドGLAY函館市出身)が「GLAY CHRISTMAS SHOW 2013 YUBARI Special」と題したライブを開催している[7]

2014年2月、閉館が決定、同年9月、5年間続いたアディーレ法律事務所とのネーミングライツ契約が終了。2015年3月15日、市民有志による「2015年ゆうばり さようなら市民会館芸能発表会」が行われ[1]同月31日をもって完全閉館し[注釈 1][6]51年半の歴史に幕を閉じた。市民会館の役割は若菜地区の「ゆうばり文化スポーツセンター」に移された。耐震補強の問題から再利用は困難な見通しであり、解体されるものと見られているが、令和改元された2019年現在も建物解体の目途は立っていない。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2000年時点で同市民会館シネサロンは夕張市内で唯一の映画館であったが[8]、この完全閉鎖に伴い、岩見沢市滝川市なども含む空知総合振興局から映画館が消滅した。2020年現在、空知地方は映画館・シネコンが存在しない道内唯一の総合振興局となっている。

出典[編集]

  1. ^ a b c さようなら市民会館芸能発表会”. 市長の部屋インデックス. 夕張市 (2015年3月16日). 2016年3月19日閲覧。
  2. ^ a b 夕張市民会館シネサロン”. 港町キネマ通り (2003年2月). 2016年3月19日閲覧。
  3. ^ “パク・シニャン、ノーギャラで夕張支援”. スポーツニッポン. (2007年11月18日). http://www.sponichi.co.jp/entertainment/special/2005hanryu/KFullNormal20071118055.html 2016年3月19日閲覧。 
  4. ^ “復活祭を開催:パク・シニャン主演作「約束」を夕張で上映”. CINEMA TOPICS ON LINE. (2007年11月14日). http://www.cinematopics.com/cinema/news/output.php?news_seq=6612 2016年3月19日閲覧。 
  5. ^ アディーレ会館ゆうばり命名権再契約”. 市長の部屋インデックス. 夕張市 (2012年10月26日). 2016年3月19日閲覧。
  6. ^ a b アディーレ会館ゆうばりの閉館について』(プレスリリース)NPO法人ゆうばりファンタ、2015年3月31日http://yubari.org/article/115985194.html2016年3月19日閲覧 
  7. ^ GLAY CHRISTMAS SHOW 2013 全公演発表”. GLAY公式サイト (2013年9月17日). 2017年5月24日閲覧。
  8. ^ 日本映画製作者連盟配給部会『映画年鑑2000別冊 映画館名簿』時事映画通信社, 1999年。同文献を出典としている2000年の映画館(北海道地方)「消えた映画館の記憶」を参照した。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]