夏への扉 (アニメ)

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夏への扉
ジャンル 少女漫画
漫画
作者 竹宮惠子
出版社 白泉社
掲載誌 花とゆめ
発表号 1975年19号 - 20号
巻数 全1巻
映画
制作 東映動画
封切日 1981年3月20日
上映時間 59分
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

夏への扉』(なつへのとびら)は、竹宮惠子による短編漫画、および、それを原作とする1981年アニメーション映画作品。

概要[編集]

原作漫画は1975年19号・20号に白泉社の少女漫画雑誌『花とゆめ』に掲載されたが、東映動画マッドハウスにより劇場アニメ化され、1981年3月20日より各地で順次公開された。上映時間は59分。同時上映は吉田秋生原作の『悪魔と姫ぎみ』。配給はスーパーハリウッド(スーパーウッド)。

竹宮原作のアニメ映画化としては前年の『地球へ…』に次ぐ。一般の劇場・映画館ではなく公共ホールやイベント会場・公民館などで上映する「オフシアター方式」で、全国200箇所で上映された。首都圏では数日にわたって上映されたが、多くの地方都市では1日限りの上映となった。

ナレーションは井上真樹夫が担当している。

ロバート・A・ハインラインの同名の小説『夏への扉』とは関係が無い。

ストーリー[編集]

あるフランスの男子校で夏休みが始まろうとしていた。マリオン・フィエスは容姿端麗にして学業もトップという秀才ぶりから寄宿舎内でも街の少女たちからも常に注目の的であった。少年らしからぬ超然とした雰囲気を漂わせる彼は、学内で仲間のジャック・シドーやリンド・アレイン、クロードと共に「合理党」というグループを結成し、そのリーダーとして一目置かれる存在となっていたのである。

とある昼下がり、カフェに立ち寄った合理党メンバーは、ギムナジウムの男子生徒誰もがマドンナと慕い憧れる市長の令嬢である美少女レダニア・フランソワを巡って、些細なことから始まった上級生アルマンとガブリエルの喧嘩に遭遇する。見かねて仲裁に入ったマリオンは、騒ぎの張本人ガブリエルと「背を向けた状態で線路に立ち猛スピードで迫る列車に果たしてどちらがどこまで耐えられるか」という度胸試しの決闘によって決着をつけることにする。衆人環視の中で決闘が始まるが、ガブリエルは機関車の轟音に耐え切れず早々と離脱してしまう。ギリギリまで平然と踏み止まり勝負に勝ったマリオンは涼しい顔でその場を立ち去ろうとするが、自分が今しがた緊急停車させた汽車から優雅に降りて来た妖艶な美女サラ・ヴィーダに呼び止められる。ポーカーフェイスで応えるマリオンの心中に生じた動揺を見抜いたサラは、突然マリオンの唇を奪い「遊びにいらして…」と誘惑の言葉を残して去って行く。

いくら「合理党」のリーダー然と振る舞い気取ってはいても、やはりマリオンも思春期の少年である。人並以上に性への興味・関心はあったものの、母親の再婚による複雑な家庭環境から男女の恋愛を禍々しく不浄なものと感じる過敏な潔癖さが、それを無理矢理に抑え込んでいた。その複雑な感情はある日好意を告げる恋文を送ってきたレダニアに対しても向けられ、カフェで待つ彼女を「不潔」と罵倒したマリオンは頬を打たれてしまう。自暴自棄となったマリオンは雨の降りしきる中を走り去り、ずぶ濡れになってそのまま路上に倒れ込む。

冷たい雨に打たれ凍えて肺炎になりかけていたマリオンを救ったのは、サラだった。別荘へ連れて行き服を脱がせた後、激しく燃える暖炉の前で優しくキスを教えてくる年上の美女サラの誘惑に抗えず、遂にマリオンはサラと激しい一夜を共にしてしまう。

主な登場人物[編集]

マリオン・フィエス
声 - 水島裕
合理党を率いる金髪碧眼の男子生徒。容姿端麗に加え、成績優秀で何事にも才能に秀でており、上級生の口論の仲裁にも躊躇しない芯の強さを持ち合わせている。女子からの人気も高いが、母親との確執から恋愛には否定的な態度を示している。レダニアのことを内心では意識しているが、自身の恋愛観との相克に頭を悩ませている。ガブリエルとの決闘がきっかけで、サラと出くわし、彼女との関係を通して徐々に閉ざしていた心を開くようになる。
ジャック・シドー
声 - 古谷徹
合理党のメンバーで、そばかすが特徴の男子生徒。アルル地方出身で、明朗活発でひょうきんな性格をしており、友人にも比較的恵まれているが、生真面目で正義感の強い一面を持ち合わせる。正反対の性格であるリンドとも比較的関係は良好だったが、レダニアとの一件からすれ違いを見せるようになる。
リンド・アレイン
声 - 古川登志夫
合理党のメンバーで、切れ長の目が特徴の男子生徒。パリ出身の生粋の都会っ子だが、ニヒルで皮肉っぽい性格の持ち主で、若干虚栄心が強い傾向にある。正反対の性格であるジャックとは、共にチェス遊びに高じるほど、関係は良好だったが、レダニアとの一件から徐々に仲違いするようになる。
クロード
声 - 三ツ矢雄二
合理党のメンバーである男子生徒の1人。争いごとを何よりも嫌う温和で引っ込み思案な性格の持ち主。感受性に富む反面、若干傷付きやすい一面を持ち合わせており、マリオンとサラとの肉体関係を知った際には強いショックを受けている。
サラ・ヴィーダ
声 - 武藤礼子
クリューニー伯爵の愛人。バカンスのためにマリオンたちの住む町へやってきたところを、ガブリエルとの決闘に昂じているマリオンと偶然知り合う。レダニアとの口論の後に雨の中をさまよった末に倒れていたところを救い、閉ざしていた心を開かせるべく、彼と肉体関係を結ぶ。
レダニア・フランソワ
声 - 潘恵子
マリオンたちの通う学校のある町の市長の令嬢。町中の男性たちを虜にする気高い雰囲気を持ち合わせる美少女で、日常的に数々の男たちに言い寄られているが、実際にはマリオンに好意を抱いており、ほぼ全てのプロポーズや告白を拒絶している。しかし、当のマリオンが母との確執による女性不信から恋愛への興味を失っていることを知らない。
クリューニー伯爵
声 - 柴田秀勝
カフェの女主人
声 - 大田優子
ギムナジウム舎監
声 - 矢田耕司
ガブリエル、アルマン
声 - 塩沢兼人(ガブリエル)、塩屋翼(アルマン)
マリオンたちの通う学校に在籍する上級生の男子生徒。共にレダニアにプロポーズしたことが原因で町の喫茶店で乱闘する。その後、仲裁に入ったマリオンに注意されて逆上したガブリエルに殴られ、決闘に至ったことが、サラと出くわすきっかけの一つとなる。
機関士
声 - 戸谷公次
娘A
声 - 池田優子
娘B
声 - 川島千代子
娘C
声 - 中谷ゆみ
娘D
声 - 中野聖子

スタッフ[編集]

原作との違い[編集]

  • 原作ではラストでレダニアとジャックが婚約しているが、アニメでは結ばれることなく終わる。
  • サラのパトロンの名が原作では「クリュニー」だが、アニメでは「クリューニー」となっている。

発売メディア[編集]

かつて東映ビデオからVHS及びベータマックスでビデオ化・販売(更に2000年廉価版VHS販売と同時期にLD化)されていたものの既に廃盤となっており、永らく入手困難となっていたが、2007年6月21日に東映ビデオよりDVDが発売された。