塩類集積

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

塩類集積(えんるいしゅうせき)とは、耕作地の土壌表層に類が集積すること。土壌の塩類集積が進み、濃度障害により収穫量が低下、もしくは収穫できなくなる現象を塩害という。主に干拓地や乾燥地における開拓による、灌漑(かんがい)や水利用の変化が原因となる。深刻化した場合、地表面の所々に白い塩類の結晶が視認できるようになり、やがて植生に乏しい土漠となる。

分布[編集]

カザフスタン中華人民共和国北東部、タイの一部など過剰な開拓や灌漑が行われたところに見られる。

古くはメソポタミア文明などでも発生し、それが文明を衰退に導いたと言われている。

雨水の流入の少ない施設栽培においても発生することがある。

メカニズム[編集]

化学肥料等の多肥や海水面上昇に伴う塩水くさびの遡上など、発生のメカニズムは多種多様であるが、一般的なものは灌漑用水に微量に含まれる塩分の蓄積や、毛細管現象による地層中の塩類の上昇によるものである。

対策[編集]

塩類集積が発生しやすい地域の特徴は、降水量が少ない平坦地で土壌が泥質土であることが多い[1]。これは、降雨による塩分希釈や、降雨による塩分洗い流しが期待できないことによる。こうした環境の改善は非常に難しいものであり、塩類集積が顕在化した後の事後対策は、多くの費用と時間が必要である。 対策の選択肢には、湛水による塩類除去、深耕、客土による塩類濃度の希釈、吸肥力の強い作物cleaning cropの栽培、圃場外への持ち出しなどがある。

予防[編集]

施肥診断や栄養診断によって必要以上の施肥をしないこと。全面全層施肥でなく局所施肥(深層施肥、溝施肥、側条施肥など)で肥料の利用率を高め、環境への影響(負荷)を小さくする。塩濃度の低い灌漑水を利用する、可能蒸発量に見合った量の灌漑強度を設定する。

出典[編集]

  1. ^ 塩類集積(EICネット環境用語集)

関連項目[編集]