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塩化マグネシウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
塩化マグネシウム
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.029.176 ウィキデータを編集
EC番号
  • 232-094-6
E番号 E511 (pH調整剤、固化防止剤)
Gmelin参照 9305
RTECS number
  • OM2975000
日化辞番号
  • J43.880D
UNII
性質
MgCl
2
モル質量 95.211 g/mol (無水物)
203.31 g/mol (六水和物)
外観 白色または無色の結晶性固体
密度 2.32 g/cm3 (無水物)
1.569 g/cm3 (六水和物)
融点 714 ℃(無水物)
117 ℃(六水和物を急速に加熱した場合、緩やかに加熱すると300 ℃で分解)
沸点 1412 ℃
  • 無水物:
  • 52.9 g/(100 mL) (0 °C)
  • 54.3 g/(100 mL) (20 °C)
  • 72.6 g/(100 mL) (100 °C)
溶解度 アセトン、ピリジンにわずかに溶ける
エタノールへの溶解度 7.4 g/(100 mL) (30 °C)
磁化率 −47.4·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 1.675 (無水物)
1.569 (六水和物)
構造
CdCl
2
八面体、6配位
熱化学
標準定圧モル比熱, Cp 71.09 J/(mol·K)
標準モルエントロピー S 89.88 J/(mol·K)
標準生成熱 fH298)
−641.1 kJ/mol
−591.6 kJ/mol
薬理学
A12CC01 (WHO) B05XA11 (WHO)
危険性[1]
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
刺激性
GHS表示:
急性毒性(低毒性)
Warning
H319, H335
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
NFPA 704 four-colored diamondHealth 1: Exposure would cause irritation but only minor residual injury. E.g. turpentineFlammability 0: Will not burn. E.g. waterInstability 0: Normally stable, even under fire exposure conditions, and is not reactive with water. E.g. liquid nitrogenSpecial hazards (white): no code
1
0
0
引火点 不燃性
致死量または濃度 (LD, LC)
2800 mg/kg (経口, ラット)
安全データシート (SDS) ICSC 0764
関連する物質
その他の
陰イオン
フッ化マグネシウム
臭化マグネシウム
ヨウ化マグネシウム
その他の
陽イオン
塩化カルシウム
塩化ストロンチウム
塩化バリウム
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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塩化マグネシウム(えんかマグネシウム、magnesium chloride)とは、マグネシウム塩化物であり無機化合物の一種で、化学式 MgCl2•6H2O、6水和物は式量 203.3022 の白色結晶である。にがりの主成分のひとつ。

製法

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塩酸水酸化マグネシウムを溶解して中和させ、濃縮すると6水和物が析出する。

また塩酸にマグネシウムを加えると、水素を出しながら溶けるが、そのときに塩化マグネシウムが生成する。その過程を化学式で表すと

となる。

工業的には製塩の副産物として海水から取り出されている。またカリウムとの複塩であるカーナル石 (KCl·MgCl2·6H2O) からも得られる。

性質

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通常6水和物として市販されている。潮解性があり、およびエタノールなどにきわめて溶けやすい。塩化マグネシウムを主成分とする水溶液は強い苦味をもち、にがりと呼ばれる。飲み過ぎると下痢になる。密度は、無水物は2.325 g/cm3、6水和物は 1.569 g/cm3

水溶液は極僅かしか加水分解せず、ほとんど中性であるが、水酸化ナトリウム水溶液あるいはアンモニア水を加えて塩基性にすると水酸化マグネシウムを沈殿する。

6水和物を加熱すると徐々に結晶水を失うが強熱により加水分解も進行し、塩基性塩を生じるため脱水により無水物を得ることは困難である。

脱水により無水物を製造する場合は、塩化水素気流中または塩化アンモニウムを添加しながら加熱する。

用途

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事件と薬効

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近年、糖尿病育毛生活習慣病やその予防などに効果があるとうたって塩化マグネシウムを販売し、販売者が薬事法違反で逮捕される事件が起こっているが[2][3]、2009年現在、これらの薬効は医学的に立証されていない[4]。なお、ラットでのにがりの抗腫瘍活性については奥田拓道らによって報告されている[5][6]

脚注

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  1. ^ Summary of Classification and Labelling”. echa.europa.eu. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  2. ^ 1989年12月08日 夕刊 2社 「「病気に効く商品」 無許可で販売図る 緑区内の業者摘発【名古屋】」
  3. ^ 2008年01月28日 中部朝刊 中社会 29頁 「「がんに効く」無許可商品販売 愛知県警、薬事法違反容疑で獣医師逮捕へ=中部」
  4. ^ 学術論文も見当たらず、医薬品としての認可も得ていない以上、立証されたとはいえない。
  5. ^ 毎日新聞 2002年11月14日
  6. ^ 高久武司,木村善行,奥田拓道「機能性食品のEBM-海からの贈り物 1. 天然にがりの抗癌作用」『日本体質医学会雑誌』第65巻1/2、2003年。  科学技術文献情報データベース

関連項目

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