地震探査

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人工地震による南米太平洋海底の探査結果

地震探査(じしんたんさ、英語: seismic survey / seismic prospecting / seismic exploration)は、物理探査の一種である。人工地震による地震波弾性波)を利用して地下構造を調べる物理探査である[1]弾性波探査あるいは地震探鉱などとも呼ばれる[2]

概要[編集]

地震探査は、人工的に地震を発生させ、その伝播を測定し、これを解析することにより、地盤地震波速度構造・音響インピーダンス構造を把握する、物理探査の一種である[3]。 伝播する(起振させる)地震波の種類により、いくつかの探査法がある。電気探査ボーリング調査と併用することにより、欲しい地質構造等を得ることができる。

  1. 直接波
    • 直接(屈折や反射しない波)伝播する波を用いて、伝播時刻の差により、地下構造を把握する。
    • 起振源1点と多数の受振点の配列を扇型に配列(距離を同一にすることにより伝播時間を同一とする)し、伝播時間差を構造として把握する探査法である。
  2. 屈折波
    • 土木・環境・考古学分野において、一般に「弾性波探査」と言えば、「屈折法弾性波探査(屈折法地震探査)」を指す[4]。震源から発した地震波が地中で屈折して伝播した波形を受信し、ある仮定の下に解析することにより、地盤の弾性波速度構造を把握する[5][6]
    • 得られた速度構造(走時曲線から読み取る)により地盤の硬さ等を推定し、連続性を把握する[6]。また相対的な低速度区間を弱層部(断層・破砕帯等)と仮定する。トンネル掘削の事前調査で利用されることが多い。
  3. 反射波
    • 地殻構造調査・資源開発で一般的な弾性波探査。「反射法地震探査」と言う[7]。人工的な地震を発生させ、音響インピーダンスの違いにより地質境界から発生する反射波を測定して、データを取得する[8]
    • この探査法の特徴として、起振方法として多数の振源の種類が用いられる。例えば海域では、起振方法には高出力が可能なエアガン、ウォーターガンの他、高周波(分解能を高めることを目的とする)を発生させるスパーカー(放電)を用いる。陸上では、高周波数・広帯域出力が可能な爆薬や、ノイズを避け安定した震源特性を保つスイープ振源(人為的に周波数合成した起振動を用い、受振波形と相互相関によりデータを得る)などの方法がある。
    • 観測方法は一般的に2種類ある。起振と受振がそれぞれ1つずつのシングルチャンネル方式と、起振は1つ受振は複数のマルチチャンネル方式である。通常は、労働効率が高い後者のマルチチャンネル方式が用いられるが、この背景には、過去30年程の間の、比較的多量のデータを相関的にデータ処理可能とした、コンピュータの発達がある。なお一般に用いられている地中レーダー探査は、シングルチャンネル方式(振源が地震波ではなく電磁波としている)の反射法による物理探査である(電磁波を用いたマルチチャンネルも一部で実用化されている)。
    • マルチチャンネル方式は、受振波形をコンピュータで解析処理を行い、適切な解釈を行うことで、地下の地質構造や岩石物性分布を把握することが出来る。データ取得の形式に、二次元・三次元・四次元(タイムラプス)の別がある。一般的に、コンピューターによる解析処理の主な処理方法・処理段階として、表層および残差に関する静補正・デコンボリューション処理、表面波除去、多重反射波除去、速度解析、マイグレーション処理、(周波数・波数などによる)フィルタリング処理等がある。また、より解釈に即したデータを求める処理に、AVO処理やインバージョン処理、スペクトラル・デコンポジション処理等があり、解釈される対象に適応した他の属性も算出される。また、各種データ処理専門業者によって、各社の独自技術を用いた解析方法も提供されている。コンピューター解析処理されたデータの解釈には、地震波形の側方追跡による反射面の形状摘出の他、摘出された(三次元探査の場合の)面(これをホライズンと呼ぶ)に沿った地震波属性の抽出作業もあり、これによって構造・物性等の分布が求められる。但し、反射法地震探査データの解釈に際しては、対象となっている地域に既存の坑井などで直接的に得られている(地質や検層・地層流体などの)データとの対比が重要である。
  4. 表面波
    • エネルギーの大きな表面波を利用し、周波数ごとの速度の違いから地盤のS波速度構造を把握する。浅層の探査に適している。
  5. P波(Primary wave)
    • 地震探査に用いる振源として縦波(媒質の方向と波の進む方向が同じ波)を用いる。
  6. S波(Secondary wave)
    • 地震探査に用いる振源として横波(媒質の各点の振動の方向が波の進む方向に直角になっている波)を用いる。

出典[編集]

  1. ^ 地震探査 (じしんたんさ)” (日本語). JOGMEC石油・天然ガス資源情報ウェブサイト. 2021年9月14日閲覧。
  2. ^ 弾性波探査 - NGP 日本物理探鑛株式会社”. n-buturi.co.jp. 2021年9月14日閲覧。
  3. ^ 反射法地震探査 - NGP 日本物理探鑛株式会社”. n-buturi.co.jp. 2021年9月14日閲覧。
  4. ^ 屈折法地震探査 - NGP 日本物理探鑛株式会社”. n-buturi.co.jp. 2021年9月14日閲覧。
  5. ^ 屈折法地震探査の概要 | 屈折法地震探査 | 技術情報 | JGI, Inc.(株)地球科学総合研究所”. www.jgi-inc.com. 2021年9月14日閲覧。
  6. ^ a b 屈折法地震探査 (くっせつほうじしんたんさ)” (日本語). JOGMEC石油・天然ガス資源情報ウェブサイト. 2021年9月14日閲覧。
  7. ^ 反射法地震探査 | 技術情報 | JGI, Inc.(株)地球科学総合研究所”. www.jgi-inc.com. 2021年9月14日閲覧。
  8. ^ 反射法地震探査 (はんしゃほうじしんたんさ)” (日本語). JOGMEC石油・天然ガス資源情報ウェブサイト. 2021年9月14日閲覧。

関連項目[編集]