地下鉄に乗るっ

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「地下鉄に乗るっ」は、京都市交通局「地下鉄・市バス応援キャラクター」の「太秦萌(うずまさもえ)」「松賀咲(まつがさき)」「小野ミサ(おのみさ)」等を活用した、京都市営地下鉄バスの利用促進を目的としたプロジェクトの総称である。

2011年、地下鉄・市バスの増客を目指し、公募職員で立ち上げた「若手職員増客チーム」の「燃え燃えチャレンジ」で生み出されたPRキャラクターを、2013年にリニューアルしたキャンペーンではあるが、発案時より中長期的なブランドイメージ向上を目指した戦略を立案しており、地下鉄利用促進ポスターだけにとどまらず、アニメCMやグッズ、ライトノベル、他団体とのコラボレーションなど、その展開領域を多岐に広げている。

概要[編集]

京都市営地下鉄の総工費は約8500億円にも及ぶ[1]。これは工事を進めるたびに遺跡が発見され、その調査に費用と期間を要したことと、バブル景気の時代に東西線の建設を決めたことで、建設費用が高騰したことによるものである[1]。さらに地下鉄の利用者が伸び悩み、市交通局の2008年度決算では、運賃収入で運営費と建設費返済の利子分すら賄えない、非常に厳しい財政状態であった[1]

京都市は、それを改善するために「京都市地下鉄5万人増客推進本部」を2010年4月1日に設置。さらに、その推進本部の下部組織として、京都市職員の有志による若手職員増客チーム「燃え燃えチャレンジ班」が結成された[2]。2011年にこのチームの発案により、駅構内における階段利用促進キャンペーンの「燃え燃えチャレンジ」[3]のPRキャラクターとして、太秦天神川駅、にちなんで名づけられた「太秦萌」と青年キャラがポスターに登場した[4][5]

その後、同級生の松ヶ崎駅小野駅にちなんで名づけられた「松賀咲」「小野ミサ」が登場。キャラクターをポスターや磁気カード乗車券などに使われるようになった[1]。その後、萌の父「太秦太」、母の「太秦華」、姉の「太秦麗」、叔父の「太秦二郎」というキャラクターも増え[6]、京都市営地下鉄にポスターや階段の蹴込み、車内広告が貼り出されたり、一部の市バスがラッピングされた。最初の太秦萌と同時に青年の男性も描かれたが、彼の素性は明らかにされていない[7]

2013年7月に京都市交通局より「太秦萌等を使用した、地下鉄利用促進ポスターデザインコンペ」が開催され、京都市にあるデザイン事務所のGK京都が、日の当たっていなかった同級生の二人も含めて「太秦萌」「松賀咲」「小野ミサ」の3名をリニューアルし、それぞれの身長や体重、性格や趣味といった細かいキャラ設定まで作り込まれたキャラクターとして前面に押し出す提案が採択された。その際、キャッチコピーを「地下鉄に乗るっ」と改称し、これ以後このキャンペーンが「地下鉄に乗るっ」と正式に呼ばれることとなる。また、ここで起用されたイラストレーターの賀茂川は、GK京都のデザイナーによってPixivから見い出された[7]

このキャンペーンのほか、観光客の増加や駅構内の商業施設の拡充なども奏功し、2014年度の地下鉄の1日あたりの利用者数は35万9000人と、5年間で3万2000人増加した。単年度の赤字も圧縮されており、2014年度決算では5年前の10分の1以下の9億円であった[1]が、累積赤字は14年度決算で3108億9900万円である[1]

キャラクター表現の特徴[編集]

元のキャラクターデザインは、市職員の家族によるものでリニューアルする前から名前や容姿は出来上がっていた。2013年のGK京都によるリファインのコンセプトは、「萌え」に媚びることなく多くの人に受け入れられるようにし、古都京都の光景にマッチするようなキャラクターとして位置付け[1][8]、3人のキャラクターがリファインされた。その際に改めて各キャラクターの性格や衣装などの設定を練り直し、リファインのコンセプトを表現出来るイラストレーターとして賀茂川を起用。ポスターデザインはGK京都が担当し、製作されたポスターはTwitter上を中心に好評で、反対意見はほとんど出なかった[1]

コラボレーション[編集]

キャラクター

2014年には、京都学園大学と京都市交通局の、地域活性化と公共交通の利用促進に関する連携協定の締結に伴い、世界観を同じくするコラボキャラの太秦萌の従姉妹「太秦その」[9]京都国際マンガミュージアムとのコラボで「烏丸ミユ」[10]が新たにキャラクターとして誕生する。

アニメーション

2014年に開催された「京まふ(京都国際マンガアニメフェア)」にて開催された声優オーディションにて、メインの3人キャラとマスコットである都くんの声優が決定し、アニメCMの完成版が制作された。このCM制作は当時、京都を拠点にした映像制作会社である「魚雷映蔵(ぎょらいえいぞう)」が担当し、イラストレーターの賀茂川と同様に、SNS上での繋がりから制作を行うこととなった。アニメの主題歌はシンガーソングライターの大木ハルミ「sakura」。2015年にはアニメCMの第二弾が発表された。また、魚雷映蔵は、2016年にもクラウドファンディングにより当初の目標の10倍の1,000万円の出資を達成させて、9月の京まふにて短編アニメのお披露目を予定させている。

ライトノベル

講談社より幹(もとき)執筆によるライトノベル『「地下鉄に乗るっ」シリーズ 京・ガールズデイズ1 ~太秦萌の九十九戯曲~』(講談社ラノベ文庫)が発売されている。

フィギュア

太秦萌のフィギュアを原型師のBOMEが原型から塗装まで含めた制作を行う海洋堂のブランドの「BOME EDITION」より2016年冬に発売予定。価格は80万円。

登場キャラクター[編集]

駅名が名前のモチーフになっており、そのモチーフとなる駅のあるエリアに住んでいるという設定になっている。

太秦萌(うずまさもえ)
CV - 長谷川奈々
京都市内在住の高校二年生。住まいは太秦天神川駅エリア。
誕生日:6月11日
血液型:O型
松賀咲(まつがさき)
CV - 塚田悠衣
京都市内在住の高校二年生。住まいは松ヶ崎駅エリア。
誕生日:6月3日
血液型:B型
小野ミサ(おのみさ)
CV - 谷掛未森
京都市内在住の高校二年生。住まいは小野駅エリア。
誕生日:10月12日
血液型:A型
太秦麗(うずまされい)
CV - 竹村かな
京都市内在住のOL。住まいは太秦天神川駅エリア。
小野陵(おのりょう)
京都市内在住の大学生。住まいは小野駅エリア。
誕生日:8月15日
血液型:A型
十条タケル(じゅうじょうたける)
京都市内在住のパン職人(見習い)。住まいは十条駅エリア。
誕生日:6月11日
血液型:O型
都くん(みやこくん)
CV - 大久保照子
京都市営地下鉄のマスコット
誕生日(製造日):5月29日
京ちゃん(きょうちゃん)
声 - 大久保照子
京都市バスのマスコット
誕生日(製造日):5月10日
太秦その(うずまさその)
声 - 戸松遥
京都市内在住の大学生。住まいは太秦天神川駅エリア。太秦萌の従姉妹。 誕生日:5月15日(大学の創立記念日) 星座:おうし座 血液型:A型 部活:茶道部
烏丸ミユ(からすまみゆ)
京都市内在住の大学生。住まいは烏丸御池駅エリア。
太秦太(うずまさふとし)
太秦萌の父
太秦華(うずまさはな)
太秦萌の母
白河澄(しらかわすみ)
京都市内在住の高校二年生。ライトノベル限定のオリジナルキャラクター。

書誌情報[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]