土田瑞起

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土田 瑞起
育成選手時代
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 長崎県南高来郡千々石町(現:雲仙市
生年月日 (1990-01-01) 1990年1月1日(34歳)
身長
体重
181 cm
90 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り NPB / 2011年 育成選手ドラフト2位
初出場 NPB / 2014年5月14日
最終出場 NPB / 2016年4月12日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
派遣歴

土田 瑞起(つちだ みずき、1990年1月1日 - )は、長崎県南高来郡千々石町(現:雲仙市)出身の元プロ野球選手投手)。右投右打。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

鎮西学院高校3年時に、春の県大会で準優勝。夏は、右肘痛の影響もありベスト8で敗退。打撃では、高校通算31本塁打を記録している。

独立リーグ時代[編集]

高校卒業後は、地元球団である四国・九州アイランドリーグ長崎セインツに入団。トライアウトに行く際、一人ではいやだったので一緒に来たのが、水口大地だったという[1]

長崎時代には、2年目の2009年に、リーグ戦33試合に登板。5勝4敗7セーブ、リーグ3位の防御率2.16を記録するとともに、球団の前期優勝に貢献した。しかし、2010年シーズン終了後に球団が解散したため、リーグ内の救済ドラフトで愛媛マンダリンパイレーツへ移籍した。

2011年のプロ野球ドラフト会議読売ジャイアンツから2巡目で指名されたことを機に、育成選手として入団した。入団当初の背番号は018

巨人時代[編集]

2012年には、中継ぎを中心に、イースタン・リーグ公式戦20試合に登板。2勝2敗、防御率2.44という成績を残した。

2013年には、イースタン・リーグ新記録の62試合に登板するとともに、防御率2.56をマーク[2]。シーズン終了後、怪我で途中帰国した一岡竜司の代わりに派遣された[3]プエルトリコウィンターリーグでは、クローザーとして8試合に登板すると、防御率0.75、5セーブを記録した[2]

2014年には、春季キャンプを一軍でスタート。育成選手としては、球団史上初の快挙であった[2]。3月1日に支配下選手契約へ移行したことを機に、背番号を93に変更[4]。5月14日の対東京ヤクルトスワローズ戦(ひたちなか市民球場)で、救援投手として一軍デビューを果たした。さらに、6月15日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦(楽天Koboスタジアム宮城)では、チームの1点ビハインドで迎えた8回裏2死1・2塁の場面で登板。藤田一也を初球で一塁へのゴロに抑えて交代すると、9回表にチームが逆転したため、一軍公式戦での初勝利を挙げた。NPBの一軍公式戦では史上35人目の1球勝利であったが、一軍での初勝利で記録したのは史上5人目であった[5]。なお、一軍公式戦全体では、12試合に登板。1勝0敗、防御率7.71という成績を残した。

2015年には、背番号を67に変更[6]。公式戦の開幕を初めて一軍で迎えた。8月19日の阪神タイガース戦では3点ビハインドの4回から2番手として登板し2イニングを無失点に抑えた。その裏の巨人の攻撃でプロ野球史上17度目となる1イニング12得点を記録したため、土田が勝ち投手となり、村田修一片岡治大と共にお立ち台に立った[7][8]。一軍公式戦12試合の登板で、1勝0敗、防御率6.39を記録した。その一方で、イースタン・リーグ公式戦でも、リーグ最多の48試合に登板。13セーブを挙げたことから、最多セーブ投手のタイトルを獲得した。

2016年には、2年連続で開幕一軍入りを果たすと、4月3日の対広島東洋カープ戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)で一軍初セーブを記録。しかし、同月下旬に出場選手登録を抹消される[9]と、8月に右肘の手術を受けた。手術後はリハビリに専念しているため、10月2日に球団から支配下選手契約の解除を通告された[9]が、11月21日に育成選手としての再契約に至った[10]2017年は、育成選手として二軍で20試合に登板したが支配下選手登録には至らなかった。10月28日、球団から翌シーズンの契約を結ばないことを通知された[11]

2017年10月31日、自由契約公示された[12]。11月15日の12球団合同トライアウトに参加、0被安打2奪三振0与四球の結果だった[13]

引退後[編集]

2018年に測量会社トラバースに入社。同社の軟式野球部に入部していたが[14][15]、翌年1月にアパグループに転職している[16]。同年4月の新聞記事では、慣れない接客業に苦労しながらも、将来はスポーツ選手の利用に向けた営業やプロ野球選手のイベントに携わる志望を持っていると紹介された[16]

選手としての特徴・人物[編集]

最速150km/hのストレートと落差の大きいスライダーフォークが武器[2][17][18][19]。プロ入り前から制球力に課題がある[1]。また、巨人入団後は投球の幅を広げるべく新たな変化球の習得にも取り組んでいた[1]

独立リーグ時代のシーズンオフは、給料が支払われないため、ニンジンを箱に詰めるアルバイトをしていた。そのため、ニンジンの善し悪しや種類を見分けることが出来るようになった[2]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2014 巨人 12 0 0 0 0 1 0 0 0 1.000 56 11.2 15 3 6 1 0 8 0 0 10 10 7.71 1.80
2015 11 0 0 0 0 1 0 0 0 1.000 57 12.2 14 1 6 0 0 13 0 0 9 9 6.39 1.63
2016 7 0 0 0 0 0 0 1 0 ---- 38 8.1 12 0 3 0 0 6 2 0 6 6 6.48 1.80
NPB:3年 30 0 0 0 0 2 0 1 0 1.000 151 32.2 41 4 15 1 0 27 2 0 25 25 6.89 1.71

記録[編集]

NPB初記録
NPBその他の記録
  • 1球勝利投手:2014年6月15日、対東北楽天ゴールデンイーグルス4回戦(楽天Koboスタジアム宮城)、8回裏に藤田一也を一塁ゴロ ※史上35人目[20]
  • 1球勝利がプロ初勝利 ※史上5人目[20]

独立リーグでの投手成績[編集]








































2008 長崎 3.74 21 3 3 0 0 0 0 65.0 291 63 2 48 40 6 38 27
2009 2.16 33 5 4 7 1 1 0 87.0 369 76 2 94 36 2 27 21
2010 2.46 37 3 10 5 1 0 0 91.1 379 76 2 81 29 6 29 25
2011 愛媛 4.35 25 5 4 1 1 0 0 82.2 369 82 4 68 45 1 48 40
通算:4年 3.12 116 16 21 13 3 1 0 326.0 1408 297 10 291 150 15 142 113

背番号[編集]

  • 20 (2008年 - 2011年)
  • 018 (2012年 - 2013年)
  • 93 (2014年)
  • 67 (2015年 - 2016年)
  • 016 (2017年)

脚注[編集]

  1. ^ a b c アイランドリーグ出身選手たちは今 〜土田瑞起(巨人)編〜”. SPORTS COMMUNICATIONS (2013年2月7日). 2023年5月2日閲覧。
  2. ^ a b c d e 3年目右腕・土田、G育成初の1軍キャンプ大抜擢! 最速148キロで勝負”. スポーツ報知 (2014年1月16日). 2014年1月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月2日閲覧。
  3. ^ “ウインターリーグ参加の巨人・一岡、右足首捻挫で帰国へ”. SANSPO.COM. (2013年11月29日). https://www.sanspo.com/article/20131129-SF5H23EBNVJVDMPY35LFOWDZMU/ 2018年1月25日閲覧。 
  4. ^ 土田瑞起投手が支配下選手登録 背番号「93」で新たなスタート巨人球団公式サイト2014年3月1日配信
  5. ^ 週刊ベースボール2014年6月30日号97ページ
  6. ^ 新背番号のお知らせ 読売ジャイアンツ公式サイト (2014年12月24日) 2014年12月24日閲覧
  7. ^ 巨人・阿部驚嘆「甲子園みたい」打者17人攻撃1イニング12点 - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2022年2月15日閲覧。
  8. ^ 2015年8月19日【公式戦】試合結果”. NPB. 2022年2月15日閲覧。
  9. ^ a b “【巨人】戦力外通告の土田、トライアウト受験へ”. スポーツ報知. (2016年10月5日). https://web.archive.org/web/20161005152938/http://www.hochi.co.jp/giants/20161005-OHT1T50215.html 
  10. ^ “巨人土田 育成で再契約 8月に右肘手術”. 日刊スポーツ. (2016年11月21日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/1741195.html 2016年11月21日閲覧。 
  11. ^ 2017年10月28日 - 読売ジャイアンツ情報部twitter
  12. ^ 自由契約選手(育成選手)|2017年度公示”. NPB.jp 日本野球機構 (2017年10月31日). 2017年11月1日閲覧。
  13. ^ “12球団合同トライアウトの結果詳細、プレー機会求める51選手の成績は…”. Full-Count. (2017年11月16日). https://full-count.jp/2017/11/16/post93076/ 2017年11月16日閲覧。 
  14. ^ 新入団選手 トラバース野球部”. TRAVERS(トラバース)野球部のブログ. 株式会社トラバース (2018年1月23日). 2018年3月4日閲覧。
  15. ^ 2019年 トラバース野球部始動”. TRAVERS(トラバース)野球部のブログ (2019年5月25日). 2020年9月16日閲覧。
  16. ^ a b “元巨人の土田氏、アパホテル社員で奮闘中 同世代の菅野、小林の活躍が励みに”. デイリースポーツ. (2019年4月1日). https://www.daily.co.jp/opinion-d/nextstage/2019/04/01/0012199161.shtml 2019年4月2日閲覧。 
  17. ^ 愛媛MP・土田選手 「素直にうれしい」 巨人から育成指名”. asahi.com (2011年10月28日). 2011年11月26日閲覧。
  18. ^ 12失点惨敗も収穫あり…巨人育成右腕が2回零封 原監督高評価”. スポニチ Sponichi Annex (2014年2月19日). 2014年4月4日閲覧。
  19. ^ a b c 土田、自己最速150キロ3度計測! プロ初登板で1回1失点”. スポーツ報知 (2014年5月15日). 2014年5月17日閲覧。
  20. ^ a b c 育成出身で初! 巨人・土田、1球でプロ初勝利「疲れました」”. スポニチ Sponichi Annex (2014年6月16日). 2014年6月25日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]