土佐くろしお鉄道

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土佐くろしお鉄道株式会社
Tosa Kuroshio Tetsudo Co.,Ltd.
Tosa Kuroshio Railway Nakamura Station 20100825 1.jpg
中村駅(本社所在地)
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 くろ鉄、土佐くろ
本社所在地 日本の旗 日本
787-0014
高知県四万十市駅前町7番1号
本店所在地 780-0850
高知県高知市丸ノ内一丁目2番20号
設立 1986年5月8日
業種 陸運業
法人番号 9490001001543
事業内容 旅客鉄道事業 他
代表者 代表取締役社長 大原 充雄
資本金 4億9,900万円
売上高 10億5,959万3千円(2011年3月期)
純資産 3億7,639万5千円(2011年3月31日時点)
総資産 9億3,601万9千円(2011年3月31日時点)
従業員数 115人(2011年6月1日時点)
決算期 3月31日
主要株主 高知県 49.1%
23市町村(宿毛市安芸市四万十市など) 41.1%
民間企業(9社) 9.2%
民間団体(8団体) 0.6%
外部リンク www.tosakuro.com
特記事項:旅行業登録番号:高知県知事登録第2-56号
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土佐くろしお鉄道株式会社(とさくろしおてつどう、: Tosa Kuroshio Tetsudo Co.,Ltd.)は、高知県で鉄道事業を行っている第三セクター方式の鉄道事業者である。本社は高知県四万十市中村駅に、登記上の本店は高知市の高知県庁に構える。

概要[編集]

高知県と沿線自治体で株式の9割以上を保有する自治体主導の第三セクター鉄道会社である。国鉄再建法の施行により工事が凍結された日本鉄道建設公団建設線の宿毛線及び阿佐西線(阿佐線(ごめん・なはり線)として開業)を引き受けるために設立されたが、後に第3次特定地方交通線に指定されることが確実となった中村線も引き受けることとなった。

2002年に開業した阿佐線では各駅に高知出身の漫画家やなせたかしデザインのイメージキャラクタを設定したりオープンデッキの車両を投入するなどの営業施策をとっている。

沿革[編集]

  • 1986年(昭和61年)
    • 2月8日:高知県が、阿佐・宿毛両線関係首長会議において、両線を一本化した第三セクターの設立について合意[1]
    • 5月8日:土佐くろしお鉄道株式会社設立(資本金4億4,000万円)[1]
    • 11月22日:第1回臨時株主総会を開催。日本国有鉄道(国鉄)中村線廃止転換後の運営引き受けを決定[1]
  • 1987年(昭和62年)
    • 2月5日:前年12月18日に申請していた宿毛線 宿毛 - 中村間の地方鉄道業免許が認可される[1][2]
    • 6月1日:資本金を5,900万円増資し、4億9,900万円とする[1]
    • 12月18日:同年12月3日に申請していた、中村線の第一種鉄道事業免許が認可される[1]
  • 1988年(昭和63年)
    • 1月28日:前年12月18日に申請していた、阿佐線 後免 - 奈半利間の第一種鉄道事業免許が認可される[1]
    • 4月1日:中村線 窪川 - 中村間開業[1]
  • 1989年平成元年)
    • 2月3日:中村駅旅行センターにて、旅行業事業開始[1]
    • 4月1日:消費税(税率3 %)導入に伴う運賃改定[1]
  • 1990年(平成2年)11月14日:自社発注による制御振子式特急形車両・2000系気動車が完成(4両)[1]
  • 1995年(平成7年)4月1日:運賃改定[1]
  • 1996年(平成8年)12月17日:列車集中制御所(中村駅制御所)運用開始[1]
  • 1997年(平成9年)
  • 1998年(平成10年)6月11日:中村線で立ち往生した列車に救援列車が追突する事故が発生。運輸省(現国土交通省)より警告書を出される。以後6月11日を「土佐くろしお鉄道 事故防止の日」に定め、毎年訓練を実施[3]
  • 2000年(平成12年)11月1日:運賃改定。通学定期旅客運賃および特別企画乗車券の割引率引き下げ[1]
  • 2002年(平成14年)7月1日:阿佐線(ごめん・なはり線)後免 - 奈半利間開業[1]
  • 2003年(平成15年)
    • 11月1日:nextstations、NPO砂浜美術館、大方町役場とのコラボ企画「ぶらぶら」実施[1]
    • 12月8日:中村線 荷稲駅 - 伊与喜駅間が土砂崩壊により不通に。
  • 2004年(平成16年)1月10日:中村線 荷稲駅 - 伊与喜駅間運転再開。
  • 2005年(平成17年)
  • 2006年(平成18年)
  • 2010年(平成22年)3月20日中村駅リノベーション工事完成(9月29日にグッドデザイン賞特別賞・中小企業庁長官賞、10月1日に国土交通省 日本鉄道賞 特別表彰 地方鉄道駅舎リノベーション賞を受賞)[1]

役員[編集]

社長[編集]

歴代の土佐くろしお鉄道社長
代数 氏名 在任期間 出身校 経歴 出典
中内力 1990年? 高知県立高知城東中学校 元高知県副知事
高知県知事(兼任)
岡村毅郎 1999年 - 2003年 東京大学法学部 日本国有鉄道四国総局長 [4]
新谷正雄 2003年 - 2005年6月28日 [5]
池田義彦 2005年6月29日 - 2011年6月2日 元近畿日本鉄道名古屋営業局次長
元メディアート社長
[5][6]
寺田敏春 2011年6月3日 - 2015年6月4日 京都大学大学院修士課程 元全日本コンサルタント社長
元近鉄軌道エンジニアリング社長
[6]
大原充雄 2015年6月5日 - 元高知県会計管理者兼会計管理局長 [7]

路線[編集]

下段は駅ナンバリングの頭文字

  • 中村線 : 窪川 - 中村(43.0km・第一種鉄道事業
  • 宿毛線 : 宿毛 - 中村(23.6km・第一種鉄道事業)
    上記2路線とも「土佐くろしお鉄道」(Tosa Kuroshio)からTK
  • 阿佐線(ごめん・なはり線) : 後免 - 奈半利(42.7km・第一種鉄道事業)
    愛称名の「ごめん・なはり線」からGN

利用状況[編集]

年間の利用状況は以下の通り(全路線の合計)。

年度 輸送人員(千人) 平均輸送人員(人/日) 出典
定期券 定期外利用者 合計
2015 1,122 788 1,910 902 [8]
2016
2017

車両[編集]

海岸沿いの区間が多いことから防錆対策として、全車両ともステンレス車体となっている。オールステンレス車両は車両価格が高価なため、第三セクター鉄道の気動車に採用される例は少なく、土佐くろしお鉄道以外では智頭急行(特急車のみ)・伊勢鉄道井原鉄道阿佐海岸鉄道えちごトキめき鉄道[9]のみとなっている。

普通列車用車両は全てトイレつきである。

中村線・宿毛線用[編集]

土佐くろしお鉄道2000系2130(アンパンマン列車・オレンジ)
土佐くろしお鉄道2000系2130(アンパンマン列車・オレンジ)
土佐くろしお鉄道2000系2030(宇野線 備中箕島-早島間、1990年11月)
土佐くろしお鉄道2000系2030(宇野線 備中箕島-早島間、1990年11月)
土佐くろしお鉄道8000形8001 トンボ(中村駅、2010年5月27日)
土佐くろしお鉄道8000形8001 トンボ(中村駅、2010年5月27日)
土佐くろしお鉄道8000形8021 宝くじ号(窪川駅、2007年9月2日)
土佐くろしお鉄道8000形8021 宝くじ号(窪川駅、2007年9月2日)
2000系(2030, 2130, 2230, 2231)
1990年に四国旅客鉄道(JR四国)2000系が登場し、相互直通運転が開始されたのに伴い、車両使用料の調整のためにJR保有車とほぼ同一仕様で新製した車両である。JR四国車との差異は、車番の十位が3であることと、2030の運転台側に電気連結器が残存(JR保有車からは撤去)していることである。
運用管理全般をJR四国に委託しており、高知運転所に所属している。2000年にJR四国が土讃線に設定した「アンパンマン列車(ブルー)」が好評を博したため、翌2001年に土佐くろしお鉄道保有車4両にもラッピングを施し、「アンパンマン列車(ピンク)」とした。当初はJR四国車と共通で1両単位の運用を組んでいたが、「アンパンマン列車」となった後は全4両で1編成を組んだ編成単位の運用を行うようになった。なお、土讃線の「アンパンマン列車」は2009年9月頃にリニューアルされ、JR四国車が「グリーン」、土佐くろしお鉄道保有車が「オレンジ」になっている。
「アンパンマン列車」のラッピングがされる前は、全車の側窓下に土佐くろしお鉄道のロゴマークのステッカーが、先頭車側面(トイレ部分)に高知県の鳥であるヤイロチョウのイラストタッチのステッカー(国民休暇県高知)が貼られていた。
TKT8000形(TKT8001 - TKT8005, TKT8011, TKT8012, TKT8021)
1988年の中村線転換開業時に登場した気動車である。1997年にTKT8011, TKT8012が、1999年にTKT8021が増備された。車体は両運転台式の17m級で(中央部に3枚の大型窓)、前頭部がFRP製である他は軽量ステンレス製である。なお、当形式は国鉄転換第三セクター鉄道初のステンレス製であり、この仕様は阿佐海岸鉄道のASA-101形・ASA-201形に引き継がれている。エンジンはTKT8001 - 8005は250PSの6H13ASを、TKT8011, TKT8012, TKT8021は330psのDMF13HZを共に1基搭載する。全車新潟鐵工所製造。
全車が一般仕様で、座席は転換クロスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシート(TKT8021はお座敷改造対応のオールロングシート)である。1両ごとに愛称が付いており、TKT8001=トンボ、TKT8002=椿、TKT8003=くろしお、TKT8004=さんご、TKT8005=四万十、TKT8011=さくら、TKT8012=ジョン万(土佐国中浜村(現・土佐清水市)出身で幕末に通訳、教育者として活躍したジョン万次郎こと中浜万次郎がアメリカ人につけられたニックネームにちなむ)、TKT8021=ヤイロチョウとなっている。定員はTKT8001 - TKT8005が105人(座席45人、立席60人)、TKT8011, TKT8012が108人(座席45人、立席63人)、TKT8021が115人(座席45人、立席70人)。2015年現在、TKT8021を除くすべての車両が市町村をPRする塗装になっている。
TKT8021は日本宝くじ協会宝くじ号で、2006年にやなせたかしのデザインによるラッピングが施され、元の愛称ヤイロチョウに加えて(中村・宿毛線)「だるま夕日」号の名称がつけられている。

阿佐線用[編集]

土佐くろしお鉄道阿佐線用9640形9(土佐大津駅、2010年5月27日)
土佐くろしお鉄道阿佐線用9640形9(土佐大津駅、2010年5月27日)
土佐くろしお鉄道阿佐線用9640形2S(後免町駅、2010年5月27日)
土佐くろしお鉄道阿佐線用9640形2S(後免町駅、2010年5月27日)
9640形(9640-1S, 9640-2S, 9640-3 - 9640-11)
2002年の阿佐線開業時に登場した気動車である。2003年に9640-11が増備された。形式番号の「9640」は「くろしお」を数字表記したもの。車体は両運転台式の21m級のステンレス製で、前頭部が普通鋼製となっている。エンジンは450ps/2100rpmのコマツ製SA6D140H-1形直噴式ディーゼル機関を1基搭載しており、最高速度は110km/hとなっている。JR四国1000形気動車との併結も可能である。1S・2Sは富士重工業、3-10は新潟鐵工所、11は新潟トランシス製造。
1S、2Sの2両は特別仕様車として前頭部が流線型になり、海側には眺望に配慮してオープンデッキ式の通路が設けられている。また、前頭部にはクジラを模したペインティングがされ、1Sは青系で側面にはやなせたかしのデザインしたキャラクターが、2Sは緑系で海側には魚の、山側には農産物のイラストが描かれている。2Sは日本宝くじ協会寄贈の宝くじ号である。定員は107人(座席30人、立席77人)。
3 - 11は一般仕様で、座席は転換クロスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシート(11はオールロングシート)である。定員は132人(座席52人、立席80人)。転換シートは背もたれが非常に高いのが特徴で、座ると落ち着いた雰囲気を味わえるものの、前の席の高い背もたれもあって車内の見通しはほとんど効かない。
11は2Sと同じく宝くじ号で、「手のひらを太陽に」号(略称:太陽号)という名称が付けられている。
本車両の一般仕様車両のみJR土讃線の普通列車として高知 - 土佐山田間の運行にも使用されている。

運賃・料金[編集]

大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定[10]

中村線・宿毛線
キロ程 運賃(円)
初乗り3km 170
4 - 6 210
7 - 9 250
10 - 12 330
13 - 15 400
16 - 18 470
19 - 21 540
22 - 24 620
25 - 27 700
28 - 30 770
31 - 35 870
36 - 40 980
41 - 45 1,090
46 - 51 1,200
52 - 57 1,330
58 - 63 1,460
64 - 67 1,600
阿佐線(ごめん・なはり線)
キロ程 運賃(円)
初乗り6km 250
7 - 12 400
13 - 19 550
20 - 27 710
28 - 35 910
36 - 43 1,070

阿佐線内で、隣り合う駅までの運賃は、上の表にかかわらず210円である。

大人特急料金(小児半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定[10]。特急列車の普通車を利用の場合は乗車券・特急券が必要。

中村線・宿毛線のみ
キロ程 指定席(円) 自由席(円)
初乗り25km 520 310
26 - 50 620 410
51 - 67 830 620

大人グリーン料金(小児同額)。2014年4月1日改定[10]。特急列車のグリーン車を利用の場合は乗車券・指定席特急券(この場合の料金は自由席特急券と同額)・グリーン券が必要。

中村線・宿毛線のみ
全線均一820円。小児同額。

特記事項[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 沿革(企業情報)”. 土佐くろしお鉄道. 2013年11月12日閲覧。
  2. ^ 鉄道ジャーナル』第21巻第6号、鉄道ジャーナル社、1987年5月、 104頁。
  3. ^ a b 安全報告書 2016 (PDF) - 土佐くろしお鉄道
  4. ^ 高知新聞2016年6月24日
  5. ^ a b 高知新聞2005年6月10日
  6. ^ a b 毎日新聞2011年5月25日
  7. ^ 別添 再就職の状況(総括表・一覧表) - 高知県公式ホームページ
  8. ^ 鉄道の輸送実績の推移 2.民鉄の事業者別輸送実績(平成27年度) - 四国運輸局、2016年10月27日閲覧
  9. ^ えちごトキめき鉄道は全線電化されているが、旧北陸本線にあたる日本海ひすいラインは輸送密度が低いことと交直流電車を導入・維持するコストを配慮して気動車を導入している。
  10. ^ a b c 消費税率引き上げに伴う運賃等の改定について (PDF) - 土佐くろしお鉄道、2014年1月23日(2014年4月9日閲覧)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]