圃場容水量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

圃場容水量 (ほじょうようすいりょう) は、土壌から過剰な水が排水されて、水の下方移動速度が小さくなった時の含水率である。通常は、土壌構造と土性が均一であれば、降雨あるいは灌漑による土壌表面からの水の供給が終わってから2〜3日後に、この状態になる。圃場容水量(θfcという記号で表記される)の物理的な定義は、水頭が −33 J/kg (−0.33 bar) の土壌中の含水率である。Israelson and West[1] と Veihmeyer and Hendrickson[2] の論文が語源である。

Veihmeyer and Hendrickson[3] は、この測定の限界に気がついて、圃場容水量は「非常に多くの要因に影響され、正確には(ある土壌において)定数ではない。しかし、土壌が水分を保持する容量を見積もる現実的な手法である。」と述べている。圃場容水量は Lyman Briggs の水分当量という概念を改良したものである。Veihmeyer and Hendrickson は、1949年にカリフォルニア州の農家の水利用効率を改善するために、この概念を使うことを提案した[4]

圃場容水量は、土壌を水分で飽和させてから含水率を測定し、蒸発を防ぐために表面をカバーして、含水率の変化を測定することで知ることができる。含水率の変化速度が比較的小さくなった時を、排水が止まった時と考えて圃場容水量とする。

批判[編集]

この概念には批判もある。圃場容水量は一定の条件で測定されて一定の値が定まるが、圃場では、排水が開始される時の含水率、再分布が開始する時の浸潤前線の深さ、含水率の変化速度、といった条件に依存する。これらの条件は、土壌の種類ごとに一意に定まる値ではない。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ Israelson, O.W. and West, F.L. (1922年). “Water holding capacity of irrigated soils”. Utah State Agricultural Experiment Station Bull 183: 1–24. http://digitalcommons.usu.edu/uaes_bulletins/149/. 
  2. ^ Veihmeyer, F.J. and Hendrickson, A.H. (1931年). “The moisture equivalent as a measure of the field capacity of soils”. Soil Science 32 (3): 181–193. doi:10.1097/00010694-193109000-00003. 
  3. ^ Veihmeyer, F.J. and Hendrickson, A.H. (1949年). “The application of some basic concepts of soil moisture to orchard irrigation”. Proc. Wash. State Hort. Assoc. 45: 25–41. 
  4. ^ Novak, Viliam; Jan Havrila. “Method to estimate the critical soil water content of limited availability for plants”. Biologia, Bratislava 61/Suppl. 19: S289—S293, 2006: 6. オリジナルの2013年7月18日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130718000216/http://147.213.145.2/biohydrology/Biologia2006Papers/Novak.pdf 2013年10月8日閲覧。.