国際連合安全保障理事会決議1973

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Small Flag of the United Nations ZP.svg
国際連合安全保障理事会
決議1973
日付: 2011年3月17日
形式: 安全保障理事会決議
会合: 6498回
コード: S/RES/1973 (UNSCR1973)
文書: 英語

投票: 賛成: 10 棄権: 5 反対: 0
主な内容: 2011年リビア内戦
投票結果: 採択

安全保障理事会(2011年時点)
常任理事国

中華人民共和国の旗 中国
フランスの旗 フランス
ロシアの旗 ロシア
イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

非常任理事国
ボスニア・ヘルツェゴビナの旗 ボスニア・ヘルツェゴビナ
ブラジルの旗 ブラジル
コロンビアの旗 コロンビア
ドイツの旗 ドイツ
ガボンの旗 ガボン
インドの旗 インド
レバノンの旗 レバノン
ナイジェリアの旗 ナイジェリア
ポルトガルの旗 ポルトガル
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国

People on a tank in Benghazi1.jpg
ベンガジにて戦車に乗る反カダフィ勢力

国際連合安全保障理事会決議1973(こくさいれんごうあんぜんほしょうりじかいけつぎ1973、: United Nations Security Council Resolution 1973)は、2011年3月17日国際連合安全保障理事会において採択された、リビア情勢についての決議。フランスとレバノン、イギリスによって共同提案された[1][2]。略称はUNSCR1973

国際連合安全保障理事会のメンバーのうち10か国が賛成し(常任理事国:アメリカ合衆国イギリスフランス、非常任理事国:ガボンコロンビアナイジェリアボスニア・ヘルツェゴビナポルトガル南アフリカ共和国レバノン)、5か国が棄権(常任理事国:中華人民共和国ロシア、非常任理事国:インドドイツブラジル)。反対票は投じられなかった[3]

決議はリビアにおける停戦の即時確立を要求し、文民を保護する責任を果たすために、国際社会によるリビア上空の飛行禁止区域の設定と、外国軍の占領を除いたあらゆる措置を講じることを加盟国に容認する内容となっている[4][5]。2011年10月27日に国際連合安全保障理事会決議2016により10月31日をもって軍事介入が終了することが決議され、これに伴い一連の制裁措置も解除された[6]

要点[編集]

以下を決議する:

  • 即時停戦の確立を要求し、民間人に対する暴力、攻撃、人権侵害を完全に停止することを要求し、
  • リビア上空に飛行禁止区域設定を課し、
  • 市民と、市民が多い地域を保護するために「外国勢力による占領」を除くあらゆる手段を許可し、
  • 船と飛行機を強制的に検査することで武器輸出禁止と傭兵に対するアクションを強化し、
  • 指定した全てのリビアの航空便に禁止を課し、
  • リビア政府当局によって所有されている資産を凍結し、それらはリビア国民の利益のために使われるべきであるということを再確認し、
  • 決議1970における旅行禁止と資産凍結措置を、さらに多くのリビアにおける個人に追加して課し、
  • 制裁の実施を監視し、推進するための専門家パネルを設置する。

投票結果[編集]

賛成 (10) 棄権 (5) 反対 (0)

* 常任理事国は太字で示した。

常任理事国である中国とロシアは飛行禁止区域設定の実効性と、他の手段による解決がまだ望みがある段階での武力行使に対して慎重な姿勢を示していたが、アラブ連盟が飛行区域設定の要請や空爆の容認を含む対リビア非難声明を採択するに至った[7]ため棄権に回った[8][9]。安保理メンバーのアフリカ諸国はリビア政府を非難し、全て賛成に回った[10]

翌日、棄権票を投じたドイツのアンゲラ・メルケル首相は、同国は軍事作戦には加わらないとしながらも「我々はこの決議の目的を深く共有している。我々が投じた棄権票が中立を意味すると誤解されてはならない」と述べた[11]

リビアの反応[編集]

ムアンマル・アル=カッザーフィー政権は2011年3月18日12時45分(GMT)頃に、国連安保理決議への対応として軍事活動の即時停止を開始したと発表した[12]が、その後もベンガジミスラタに対する攻撃を継続した[13][14]ため、3月19日に米英仏を中心とする軍事介入が行われるに至った。

参考文献[編集]

  1. ^ 国際連合 (2011年3月17日). “Security Council authorizes ‘all necessary measures’ to protect civilians in Libya” (英語). UN News Centre. 2011年3月19日閲覧。
  2. ^ “Libya: UN backs action against Colonel Gaddafi” (英語). BBCニュース. (2011年3月18日). http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-12781009 2011年3月19日閲覧。 
  3. ^ “Libya: Nigeria votes in favour of no-fly resolution” (英語). ナイジェリア・バンガード. (2011年3月17日). http://www.vanguardngr.com/2011/03/libya-nigeria-votes-in-favour-of-no-fly-resolution/ 2011年3月19日閲覧。 
  4. ^ “リビア上空に飛行禁止空域設定、国連安保理決議” (日本語). 読売新聞. (2011年3月18日). http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110318-OYT1T00225.htm 2011年3月19日閲覧。 
  5. ^ Roth, Richard (2011年3月18日). “U.N. Security Council approves no-fly zone in Libya”. CNN. http://edition.cnn.com/2011/WORLD/africa/03/17/libya.civil.war/index.html?hpt=T2 
  6. ^ 安全保障理事会決議2016(2011)”. 国際連合広報センター. 2012年11月18日閲覧。
  7. ^ “リビア:アラブ連盟「飛行禁止」設定支持 安保理に要請へ” (日本語). 毎日新聞. (2011年3月14日). http://mainichi.jp/select/world/news/20110314ddm007030104000c.html 2011年3月19日閲覧。 
  8. ^ “China opposed UN resolution on Libya” (英語). ザ・タイムズ・オブ・インディア. (2011年3月18日). http://timesofindia.indiatimes.com/world/china/China-opposed-UN-resolution-on-Libya/articleshow/7736989.cms 2011年3月19日閲覧。 
  9. ^ “UN Security Council adopts resolution on Libya” (英語). RIAノーボスチ. (2011年3月18日). http://en.rian.ru/world/20110318/163067336.html 2011年3月19日閲覧。 
  10. ^ “Africa defies AU chief's support for Ghaddafi” (英語). Afrol News. (2011年3月18日). http://www.afrol.com/articles/37599 2011年3月19日閲覧。 
  11. ^ “Pro-Gaddafi forces enter Benghazi” (英語). 英国放送協会01. http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-12776418 2011年3月19日閲覧。 
  12. ^ Libya declares ceasefire” (英語). New Statesman. 2011年3月19日閲覧。
  13. ^ “Libya Live Blog - March 18” (英語). アルジャジーラ. (2011年3月18日). http://blogs.aljazeera.net/live/africa/libya-live-blog-march-18 2011年3月19日閲覧。 
  14. ^ “カダフィ派、停戦表明後も攻撃続ける” (日本語). 読売新聞. (2011年3月18日). http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081229-507405/news/20110319-OYT1T00296.htm 2011年3月19日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]