国際哲学コレージュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

国際哲学コレージュ(こくさいてつがくコレージュ、: Collège international de philosophie, Ciph)は、パリ5区にある高等教育機関。フランス国民教育省の信託のもと、1901年制定のアソシアシオン(結社)法に基づいて1983年に設立された。

共同設立者はジャック・デリダフランソワ・シャトレジャン=ピエール・ファイユドミニック・ルクール

コレージュの目的は、フランスにおける哲学教育のあり方を再考し、制度的な権威(大学)から哲学を開放することである。予算の大部分は公的な補助金によって賄われている[1]。講座担当者の「プログラム・ディレクター」の任期は6年(再任不可)で、3年に一度世界から候補者を募集し、応募者の中から選出している。候補者への応募資格に制限はなく、哲学的価値の相互評価(ピア・アセスメント)を通じてディレクターが選出される。

コレージュの認識では、哲学は「交差点」に、例えば哲学と科学の、あるいは哲学と法(学)が交わる場所に位置づけられることが望ましいとされる。したがって、候補者はジャック・デリダの理念であるこの「交差点」という急務に応じることが求められる。

コレージュには正規の学生はほとんどいない。修了者には「Diplôme du Collège international de philosophie」という証明書が発行されるが、これは正式な大学の学位ではない。しかし、フランスや諸外国で学位として認定された事例がある[2]。正規学生でなくとも、セミナーへの出席は無料で誰にでも開かれている。

設立主旨[編集]

デリダがコレージュを設立したのは、フランスの高校(リセ)における哲学教育が政府の圧力を受けるという状況の中で、セルジーにある学習センターに触発されたことがきっかけだという。

デリダは次のように語っている。「政府が作ったわけではないこのコレージュは、国際的な視野を持つ組織であり、何かに反対することではなく、周縁部/余白を均し、問いかけ、切り開き、そして占拠することを使命としている。我々はここで、普通見られない、大学のお墨付きをまだ得ていないようなアプローチを、そして新しい対象、新しいテーマ、新しい分野をこそ称揚したいと思う。そうすることによって、我々は既存のアカデミアよりも多くの学術的交わりを目撃するであろう」[3]

歴代議長[編集]

歴代プログラム・ディレクター[編集]

現在の構成員[編集]

プログラム・ディレクター(フランス)

プログラム・ディレクター(国外)

  • ルク・ンゴウェト
  • ロベルト・ニグロ
  • ソラヤ・ノル・スケル
  • 西山雄二
  • アンドレア・ピノッティ
  • パオロ・クインティーリ

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “The CIPh is living mainly on grants by the Ministry of Research and the Ministry of Education” CIPh. “CIPh financial partners (on the CIPh site)” (fr). 2012年5月19日閲覧。
  2. ^ Les activités - haut et bas Archived 2001年2月12日, at the Wayback Machine.
  3. ^ (フランス語) Derrida: "d’origine non gouvernementale, à portée internationale, une institution qui n’est pas destinée à s’opposer, mais à équilibrer, à questionner, à ouvrir, à occuper les marges ; où l’on privilégie des approches peu fréquentes ou point encore légitimées dans l’université, de nouveaux objets, de nouveaux thèmes, de nouveaux champs ; où l’on traite des intersections plus que des disciplines académiques" Interview with Derrida Archived 2006年6月17日, at the Wayback Machine.
  4. ^ http://cfcul.fc.ul.pt/equipa/dsardinha.php
  5. ^ http://iasec.sjtu.edu.cn/CN/show.aspx?info_lb=18&info_id=305&flag=3

参考文献[編集]

  • (フランス語) Le rapport bleu - Les sources historiques et théoriques du Collège international de philosophie (Jacques Derrida, Jean-Pierre Faye, François Châtelet), PUF, Paris, 1998, ISBN 2-13-049337-8
  • Derrida, Jacques. Du droit à la philosophie (Who's Afraid of Philosophy?)
    西山雄二、馬場智一、立花史訳『哲学への権利(1)』みすず書房、2014年
    西山雄二、立花史、馬場智一、宮﨑裕助、藤田尚志、津崎良典訳『哲学への権利(2)』 みすず書房、2015年

外部リンク[編集]