国際刑事裁判所の設立に関する最終合意書

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国際刑事裁判所の設立に関する国連全権外交使節会議における最終合意書(こくさいけいじさいばんしょのせつりつにかんするこくれんぜんけんがいこうかいぎにおけるさいしゅうごういしょ, The Final Act of the United Nations Diplomatic Conference of Plenipotentiaries on the Establishment of an International Criminal Court, 通称:国際刑事裁判所の設立に関する最終合意書又は最終合意書)は、独立した常設の国際刑事裁判所の設立という同会議(ローマ会議)の主旨に賛同する国家に対し、具体的な達成目標を設置し、これに対する最終合意を求めた合意文書である。この最終合意書は1998年7月17日国際刑事裁判所規程(ローマ規程)の採択と同じ日に採択された。この最終合意書に署名した国は、ローマ規程に署名していなくとも、準備委員会の会合や締約国会議に参加するオブザーバー資格を保有する。略称はThe Final Act又は最終合意書

成立[編集]

加盟[編集]

日本は即日で署名した。

合意内容[編集]

この最終合意書では、ローマ会議に参加した全ての参加国の総意として、以下の点について合意した。

11項目の最終合意内容

  1. 国際刑事裁判所に関する準備委員会を設置する。
  2. 準備委員会のメンバーはこの最終合意書に署名した国とする。
  3. 準備委員会は委員長その他の要職を選出し、委員会の手続き規則および行動計画を策定する。
  4. 準備委員会における公式言語は国連総会におけるそれと同じものとする。
  5. 準備委員会は国際刑事裁判所を設立し、運営可能にするための現実的な枠組みを策定する。この目的を達成するため、以下の8つの文書の草案の作成にあたるものとする。
    1. 手続き及び証拠に関する規則
    2. 犯罪の諸要素
    3. 国連と国際刑事裁判所との間で締結される地位協定
    4. ホスト国と国際刑事裁判所との間で締結される本部協定における基本原則
    5. 財務規範及び規則
    6. 国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定
    7. 初年度予算
    8. 締約国会議に関する手続き規則
  6. 手続きと証拠の規則および犯罪の諸要素の最終草案作成期限は2000年6月30日までとする。
  7. 準備委員会は侵略犯罪に関する定義を提案する。この定義には、侵略犯罪の犯罪要素の定義、国際刑事裁判所がその管轄権を行使できる諸条件が含まれるものとする。準備委員会は侵略犯罪を国際刑事裁判所の管轄犯罪とする目的で、締約国会議の検討会議でこれらの提案を提出する。(→侵略犯罪に関する特別作業部会
  8. 準備委員会は初年度の締約国会議が終了するまで存続するものとする。
  9. 準備委員会はその責務の範囲にある全ての事項について、第一回締約国会議においてその報告を提出するものとする。
  10. 準備委員会の開催地は、国連本部とする。
  11. 国連事務総長は、現在討議されている全ての決議について必要に応じて国連総会に提出するものとする。
  • 以上の11項目の合意が含まれる最終合意書に署名した国は、ローマ規程に署名していなくとも、準備委員会の会合や締約国会議に参加するオブザーバー資格を保有する。

締約国会議[編集]

締約国会議(Assembly of States Parties, 略称:ASP)とは、ローマ規程に署名及び批准による加盟、あるいは加入した国のみについて、国際刑事裁判所(ICC)の運営及び監督権を委ねる国際会議のことである。

メンバー[編集]

ASPのメンバーには、一国につき一票の投票権が与えられ、また締約国の合意(原則として全会一致)によって設置される各委員会(committee)、作業部会(working group)及び特別作業部会(special working group)への参加資格も与えられる。

議長[編集]

ASPの議長(President)はメンバー国が持ち回りで交代して担当する。任期は3年。2002年7月のASP発足時、初代議長はイラク王室出身でヨルダンの外交官ザイード・アルフセイン王子(Prince Zeid Ra'ad Zeid Al-Hussein)が務めた。2007年現在の議長はコスタリカのブルーノ・スタグノ・ウガルテ(Bruno Stagno Ugarte)詳細

権限[編集]

ASPは、ローマ規程の全加盟国のうち66カ国が原加盟国を務めるICCの最高意思決定機関で、ICCの運営や予算に関する決定権を持つ。同様の組織は世界銀行国際復興開発銀行などその他の国連・国際機関にも見られ、あらゆる国際条約は基本的にASPによってその履行の監視・監督が行われるようになっている。ICCも国際条約なので、例外ではない。但し、これまでに設置された国際機関とICCの決定的な違いは、ASPもまた世界のNGOの連合体であるCICC)によって監視されているという事実にある(解説)。

全参加者が署名者[編集]

  • 最終合意書の署名国には、ローマ会議に参加した全ての国が含まれており、ロシアインドジンバブエのほか、中華人民共和国アメリカ合衆国イスラエルイラクリビアカタールイエメンなど、ローマ規程に反対票を投じた国も含まれる。すなわち、規程に署名をしなかった日本も含めて、全世界159カ国が、国際刑事裁判所に関する準備委員会会合(PrepCom)およびASPに出席する資格を保有していることになる。
  • さらにこの最終合意書には、国家の他に準国家組織、IGO(政府間組織)や国連の各機関、NGO(非政府組織)も署名しており、NGOについては、この最終合意書に記されることによりASPへのオブザーバー参加資格が与えられている。CICC(国際NGO連合)は、これにより全ての準備委員会会合及びASPへの参加資格を得た。

会議の参加者(署名者)[編集]

国家[編集]

総数:159カ国(アルファベット順)

非国家[編集]

総数:169機構
  • 非政府組織(Non-Governmental Organizations)138

脚注・参照[編集]

  1. ^ 国連広報センターの「機構」リンクより組織別一覧表を参照して適用。定訳が不明の項目は「(仮)」と明記。
  2. ^ 訳・略称は外務省資料に準ずる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]