国立劇場
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国立劇場 National Theatre of Japan | |
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情報 | |
開館 | 1966年11月1日 |
客席数 | 大劇場1,610席、小劇場590席 |
用途 | 歌舞伎、文楽、舞踊、邦楽、民俗芸能、声明、雅楽等 |
運営 | 独立行政法人日本芸術文化振興会 |
所在地 |
〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1 |
位置 | 北緯35度40分54秒 東経139度44分36秒 / 北緯35.68167度 東経139.74333度座標: 北緯35度40分54秒 東経139度44分36秒 / 北緯35.68167度 東経139.74333度 |
アクセス | 交通の項を参照 |
外部リンク | 国立劇場 |
日本の国立劇場(こくりつげきじょう、英語: National Theatre of Japan)は、東京都千代田区隼町にある国立の劇場である。独立行政法人日本芸術文化振興会が運営する。日本の伝統芸能を上演するほか、伝承者の養成や調査研究も担う。
概要[編集]
歌舞伎・日本舞踊・演劇が演じられる大劇場、文楽・邦楽・琉球舞踊・日本舞踊(小規模公演)・雅楽・声明・民俗芸能が演じられる小劇場がある。伝統芸能の公演に加えて、歌舞伎俳優や囃子方などの人材も育成する。文楽関係は国立文楽劇場が担う。落語・漫才などを演ずる国立演芸場が隣接し、2003年に国立劇場裏に伝統芸能情報館[1]が開館した。
毎年4月に行われる日本国際賞の授賞式は、天皇・皇后や内閣総理大臣、衆参両議院議長らが出席する。
2012年(平成24年)から2021年(令和3年)まで毎年3月11日に、政府が主催する東日本大震災追悼式が催され、天皇明仁・皇后美智子(2012年 - 2016年)、秋篠宮文仁親王・同妃紀子(2017年 - 2019年)、今上天皇徳仁・皇后雅子(2021年)、内閣総理大臣は野田佳彦(2012年)[2]、安倍晋三(2013年 - 2019年)[3][4]、菅義偉(2021年)[5]、衆参両議院議長らが出席した。2020年はコロナウイルス〈COVID-19〉の感染拡大の影響を受けて中止した[6][7]。
公式キャラクターとして「くろごちゃん」を設けている。
設置までの経緯[編集]
明治時代の演劇改良運動の中で国立劇場の設置が構想されたほか、何度か設置運動が行われてきたが実現に至らなかった。
第二次世界大戦後、文化庁の前身である文化財保護委員会に芸術施設調査研究協議会が設置され、1956年の協議会答申に基づき、国立劇場の計画が具体化した。
設計案は、計307案のコンペティションから、校倉造の正倉院を模した外観とした竹中工務店の岩本博行ほか13名による案が1963年に選択され[8][9]、1966年10月に竣工した。
1966年7月の国立劇場法により特殊法人国立劇場が設立され、11月1日に国立劇場本館[10]が開場した。11月1日に開場式を催して11月3日から「菅原伝授手習鑑」を上演した。1979年には隣接地に落語・講談を中心とする国立演芸場が開場した。その後、東京都渋谷区千駄ヶ谷に国立能楽堂、大阪府大阪市日本橋に国立文楽劇場、沖縄県浦添市に国立劇場おきなわが開場した。
1990年に特殊法人国立劇場は日本芸術文化振興会に改称し、2003年に独立行政法人化した。
当地は、江戸時代は播磨明石藩松平家の屋敷があり、明治時代に陸軍施設となり東京第一衛戍病院、陸軍教育総監部、陸軍航空本部などが置かれた。終戦後は1945年12月に接収され、アメリカ空軍の住宅施設であるパレスハイツとしてカマボコ型兵舎が多数建設された。1958年11月25日に返還され、跡地は国立劇場のほか、最高裁判所などの用地となった。
建物と前庭[編集]

建物は1968年に第9回BCS賞を受賞。1998年には公共建築百選に。2003年にはDOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選ばれた。
造園は中島健が担当し、前庭はスルガザクラ、スルガコマチ、コマツオトメ、ジンダイアケボノ、ヤエベニシダレ、センダイヤ、スルガザクラの実生(品種未確定)、カンザン、ワカキノサクラ、クマガイザクラの10種類のサクラが植栽されている。近隣の千鳥ヶ淵とともに桜の名所として広く知られており、春の花見の時期は各サクラの開花情報をウェブサイトに掲載する。スルガコマチは国立劇場のスルガザクラの種から誕生した当劇場由来の品種で、ジンダイアケボノは、2000年に日本花の会から当劇場に植栽されて以来全国へ広まった[11]。
録音複製問題[編集]
交通[編集]
※帰路として「劇場バス」が運行される。詳細はこちらを参照。
建て替え[編集]
2020年東京オリンピック終了後に建て替えを計画しており、2029年度に完成予定である。建て替え期間中は新国立劇場や国立能楽堂、シアター1010、日本青年館ホールなどで主催公演を予定している。
全国の国立劇場[編集]
- 国立能楽堂 - 東京都渋谷区千駄ヶ谷。能、狂言を上演。
- 新国立劇場 - 東京都渋谷区初台。オペラ、バレエなどの現代舞台芸術を上演。
- 国立文楽劇場 - 大阪府大阪市日本橋。上方芸能を上演。
- 国立劇場おきなわ - 沖縄県浦添市。組踊などの沖縄伝統芸能を上演。
発行物[編集]
脚注[編集]
- ^ 伝統芸能情報館
- ^ “震災1年に追悼式 政府主催、国立劇場で”. 日本経済新聞. 日本経済新聞社 (2012年1月20日). 2021年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月12日閲覧。
- ^ “平成25年3月11日 東日本大震災二周年追悼式”. 首相官邸 (2013年3月11日). 2017年5月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月12日閲覧。
- ^ “政府追悼式10年で見直しも 震災、菅氏「一つの節目」”. 産経ニュース. 産経新聞社 (2020年1月21日). 2021年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月12日閲覧。
- ^ “政府、東日本大震災の追悼式を2年ぶり開催へ”. 日刊スポーツ. 日刊スポーツ新聞社 (2021年3月1日). 2021年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月12日閲覧。
- ^ “震災10年、11日に追悼式 開催2年ぶり、両陛下が出席―政府”. 時事ドットコム. 時事通信社 (2021年3月2日). 2021年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月12日閲覧。
- ^ “最後の東日本大震災追悼式、風化懸念も 来年以降は地元開催検討―政府”. 時事ドットコム. 時事通信社 (2021年3月12日). 2021年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月12日閲覧。
- ^ 官庁営繕:国立劇場 - 国土交通省
- ^ 歌舞伎事典 国立劇場 - 文化デジタルライブラリー、2020年6月14日閲覧。
- ^ 歌舞伎を中心とする大劇場・文楽を中心にする小劇場
- ^ 国立劇場さくら開花情報 国立劇場さくら開花情報