国民総所得

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

国民総所得(こくみんそうしょとく、Gross National Income)とは、略してGNIと呼び、1990年代半ば以前に経済活動の指標として使われていた国民総生産と、税制の計算上の適用有無の違いがあるもの近い指標である。日本の国民経済計算(国民所得統計)では、2000年に大幅な体系の変更が行われた際に統計の項目として新たに設けられた。現在経済指標として多く使われている国内総生産に「海外からの所得の純受取」を加えたものである。

国民総生産と国民総所得は、名目では一致するが、実質では若干の差がある。これは、実質国民総所得では、実質国民総生産では考慮されていない、輸出入価格の変化によって生じる実質的な所得の増加分を「交易利得」として加えているためである。

GNIランキング(名目、アトラス法)[編集]

世界銀行によるGNIランキングは次のとおり[1]

順位 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006
1 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 17,611,491 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 17,001,290 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 16,501,016 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 15,727,291 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 15,143,137 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 14,740,580 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 15,002,428 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 14,651,211 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 14,345,565
2 中華人民共和国の旗 中国 10,096,966 中華人民共和国の旗 中国 9,110,333 中華人民共和国の旗 中国 7,934,721 中華人民共和国の旗 中国 6,726,270 中華人民共和国の旗 中国 5,752,320 中華人民共和国の旗 中国 4,856,999 日本の旗 日本 4,835,553 日本の旗 日本 4,812,119 日本の旗 日本 4,931,413
3 日本の旗 日本 5,339,076 日本の旗 日本 5,899,905 日本の旗 日本 6,101,579 日本の旗 日本 5,775,633 日本の旗 日本 5,376,601 日本の旗 日本 4,797,984 中華人民共和国の旗 中国 4,070,860 ドイツの旗 ドイツ 3,348,291 ドイツの旗 ドイツ 3,160,529
4 ドイツの旗 ドイツ 3,853,623 ドイツの旗 ドイツ 3,809,927 ドイツの旗 ドイツ 3,754,154 ドイツの旗 ドイツ 3,801,607 ドイツの旗 ドイツ 3,662,524 ドイツの旗 ドイツ 3,588,452 ドイツの旗 ドイツ 3,601,765 中華人民共和国の旗 中国 3,283,519 中華人民共和国の旗 中国 2,685,206
5 フランスの旗 フランス 2,844,284 フランスの旗 フランス 2,869,883 フランスの旗 フランス 2,824,713 フランスの旗 フランス 2,889,304 フランスの旗 フランス 2,847,703 フランスの旗 フランス 2,831,553 イギリスの旗 イギリス 2,904,224 イギリスの旗 イギリス 2,835,805 イギリスの旗 イギリス 2,645,489
6 イギリスの旗 イギリス 2,801,499 イギリスの旗 イギリス 2,695,974 イギリスの旗 イギリス 2,612,525 イギリスの旗 イギリス 2,542,593 イギリスの旗 イギリス 2,540,957 イギリスの旗 イギリス 2,666,939 フランスの旗 フランス 2,800,864 フランスの旗 フランス 2,576,642 フランスの旗 フランス 2,414,820
7 ブラジルの旗 ブラジル 2,429,720 ブラジルの旗 ブラジル 2,486,874 ブラジルの旗 ブラジル 2,432,061 イタリアの旗 イタリア 2,237,958 イタリアの旗 イタリア 2,234,508 イタリアの旗 イタリア 2,227,358 イタリアの旗 イタリア 2,222,143 イタリアの旗 イタリア 2,093,640 イタリアの旗 イタリア 1,989,288
8 イタリアの旗 イタリア 2,147,247 イタリアの旗 イタリア 2,130,760 イタリアの旗 イタリア 2,143,583 ブラジルの旗 ブラジル 2,207,921 ブラジルの旗 ブラジル 1,916,260 ブラジルの旗 ブラジル 1,572,431 スペインの旗 スペイン 1,490,975 カナダの旗 カナダ 1,356,017 スペインの旗 スペイン 1,241,641
9 インドの旗 インド 2,027,964 ロシアの旗 ロシア 1,981,791 インドの旗 インド 1,892,548 インドの旗 インド 1,755,712 インドの旗 インド 1,555,615 スペインの旗 スペイン 1,519,339 カナダの旗 カナダ 1,484,345 スペインの旗 スペイン 1,353,031 カナダの旗 カナダ 1,224,994
10 ロシアの旗 ロシア 1,930,634 インドの旗 インド 1,952,847 ロシアの旗 ロシア 1,823,299 カナダの旗 カナダ 1,617,083 カナダの旗 カナダ 1,511,465 カナダの旗 カナダ 1,447,937 ブラジルの旗 ブラジル 1,427,429 ブラジルの旗 ブラジル 1,152,772 大韓民国の旗 韓国 966,585
11 カナダの旗 カナダ 1,785,099 カナダの旗 カナダ 1,848,274 カナダの旗 カナダ 1,773,264 ロシアの旗 ロシア 1,547,010 スペインの旗 スペイン 1,496,363 インドの旗 インド 1,392,779 ロシアの旗 ロシア 1,368,593 インドの旗 インド 1,117,463 インドの旗 インド 941,326
12 オーストラリアの旗 オーストラリア 1,444,201 オーストラリアの旗 オーストラリア 1,514,269 スペインの旗 スペイン 1,396,221 スペインの旗 スペイン 1,455,758 ロシアの旗 ロシア 1,425,123 ロシアの旗 ロシア 1,318,495 インドの旗 インド 1,229,139 大韓民国の旗 韓国 1,091,726 メキシコの旗 メキシコ 921,879
13 スペインの旗 スペイン 1,366,027 スペインの旗 スペイン 1,376,929 オーストラリアの旗 オーストラリア 1,359,417 大韓民国の旗 韓国 1,125,787 大韓民国の旗 韓国 1,053,302 大韓民国の旗 韓国 1,037,381 大韓民国の旗 韓国 1,118,647 ロシアの旗 ロシア 1,079,991 ブラジルの旗 ブラジル 898,063
14 大韓民国の旗 韓国 1,365,797 大韓民国の旗 韓国 1,298,958 大韓民国の旗 韓国 1,232,164 オーストラリアの旗 オーストラリア 1,119,902 メキシコの旗 メキシコ 1,026,316 メキシコの旗 メキシコ 988,663 メキシコの旗 メキシコ 1,074,555 メキシコの旗 メキシコ 1,000,700 ロシアの旗 ロシア 830,146
15 メキシコの旗 メキシコ 1,237,533 メキシコの旗 メキシコ 1,202,800 メキシコの旗 メキシコ 1,167,292 メキシコの旗 メキシコ 1,068,140 オーストラリアの旗 オーストラリア 1,025,186 オーストラリアの旗 オーストラリア 954,754 オーストラリアの旗 オーストラリア 900,062 オランダの旗 オランダ 809,106 オランダの旗 オランダ 753,205

国民総所得 (GNI) が注目される背景[編集]

2013年: アベノミクス[編集]

1人当たり国民総所得を10年で150万円増やす、という目標が政府成長戦略のなかに盛り込まれている。世界経済においてボーダレス化の加速が見込まれ、日本からの外国への資本人材投資の増大も例外ではない。こうした投資収益国内総生産(GDP) には反映されないが、外国への投資で高い収益を確保できれば国民総所得に対しては貢献する。今後の日本が順調に成長するためには、拡大する海外市場での収益機会を最大限に活用することが求められ、戦略的な資本人材の投資が重要課題となる[2]

2006年: 経済産業省[編集]

日本は2005年に総人口が減少をはじめているなど高齢化や人口減少が今後も進むことが見込まれる。このため、今後は労働力人口の減少から国内総生産をベースとした高い経済成長は難しい。こうした中でも対外資産から得られる利子や配当などの所得が増えることによって、国民総所得をベースとした経済成長が持続する。国民総生産に代わって国内総生産が経済政策の目標となってきたが、2006年に経済産業省産業構造審議会新成長政策部会がとりまとめた新経済成長戦略などで、国民総所得 (GNI) を重視すべきであるという提言が行われるようになっている。

脚注[編集]

  1. ^ World Bank. “GNI, Atlas method”. 2016年6月23日閲覧。
  2. ^ 今なぜ「GDP」ではなく「GNI」が日本経済にとって重要なのか?|2013年7月1日|伊藤元重 東京大学 (大学院経済学研究科教授、総合研究開発機構(NIRA)理事長)

関連項目[編集]