国家公務員倫理法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国家公務員倫理法
日本国政府国章(準)
日本の法令
法令番号 平成11年8月13日法律第129号
種類 法律
効力 現行法
主な内容 国家公務員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることについて
関連法令 国家公務員法など
条文リンク e-Gov法令検索
テンプレートを表示

国家公務員倫理法(こっかこうむいんりんりほう)は、国家公務員倫理について規定された法律。平成12年(2000年)に施行された。

概要[編集]

国家公務員が国民全体の奉仕者であって、その職務は国民から負託された公務であることに鑑み、国家公務員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する国民の信頼を確保することを目的として制定された法律である。

第5条では、国家公務員倫理規定の制定の政令委任を規定する。

第10条に基づき、人事院国家公務員倫理審査会が設置され、国家公務員倫理規程に関する意見の申出、国家公務員倫理法違反に係る懲戒基準の作成、公務員倫理に係る研修の総合的企画及び調整、贈与等の報告書、株取引等の報告書及び所得等の報告書の審査、国家公務員倫理法違反の疑いがある場合の調査及びその結果に基づく懲戒手続の実施などを行っている。
同審査会は会長及び委員4名で組織される。会長及び委員3人は両議院に同意を得て内閣が任命する。もう1人の委員は人事官の中から内閣が任命する。

2005年(平成17年)に、国家公務員倫理規定に関する一部改正があった[1]

構成[編集]

  • 第一章 総則(第1条―第4条)
  • 第二章 国家公務員倫理規程(第5条)
  • 第三章 贈与等の報告及び公開(第6条―第9条)
  • 第四章 国家公務員倫理審査会(第10条―第38条)
  • 第五章 倫理監督官(第39条)
  • 第六章 雑則(第40条―第46条)
  • 附則

備考[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ex: 本省課長補佐級以上の公務員が自らの飲食料金を全額自腹で負担していたつもりでも、実際には相手事業者が総料金額を明示せずに5000円以上の費用分担をしていた場合には国家公務員倫理法第6条「贈与等の届出」違反に該当する。また、相手事業者が利害関係者であったことが後から判明した場合には、当該公務員は国家公務員倫理規程第3条1項六号「利害関係者から供応接待を受けること」とある「禁止行為」違反に該当してしまう(国家公務員倫理法・倫理規程の運用について 2002年9月 日本経団連社会本部【質疑応答】Q3・A3、Q5・A5を参照)。
    ex: ゴルフは過去の不祥事でゴルフ接待が多々あったために禁止している。ただし、これにも例外がある(国家公務員倫理法・倫理規程の運用について 2002年9月 日本経団連社会本部【利害関係者との間で行ってはならないこと】16を参照)。

    以下、国家公務員倫理規程からの抜粋。
    (禁止行為)
    • 第三条 職員は、次に掲げる行為を行ってはならない。
      <中略>
      六 利害関係者から供応接待を受けること。
      七 利害関係者と共に遊技又はゴルフをすること。
    (利害関係者と共に飲食をする場合の届出)
    • 第八条 職員は、自己の飲食に要する費用について利害関係者の負担によらないで利害関係者と共に飲食をする場合において、自己の飲食に要する費用が一万円を超えるときは、次に掲げる場合を除き、あらかじめ、倫理監督官が定める事項を倫理監督官に届け出なければならない。ただし、やむを得ない事情によりあらかじめ届け出ることができなかったときは、事後において速やかに当該事項を届け出なければならない。
      一 多数の者が出席する立食パーティーにおいて、利害関係者と共に飲食をするとき。
      二 私的な関係がある利害関係者と共に飲食をする場合であって、自己の飲食に要する費用について自己又は自己と私的な関係がある者であって利害関係者に該当しないものが負担するとき。

出典[編集]

  1. ^ 国家公務員倫理規定の改正の概要 人事院
  2. ^ 高橋洋一 (2021年2月25日). “高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 悪質「組織ぐるみ」の総務省接待 なぜ全額自腹にしなかったか悔やむだろう(一部記事引用)”. J-CASTニュース. J-CAST. 2021年3月3日閲覧。
  3. ^ 「菅<首相>最側近官僚にNTTが<58万>超絶接待」 週刊文春2021年3月11日号 p.26

外部リンク[編集]