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四大奇書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

四大奇書(しだいきしょ)とは、中国代から代にかけ、俗語体で書かれた4つの長編小説の総称。「奇書」とは「世に稀なほど卓越した書物」という意味である。「四大奇書」は代前期の書店が販売促進用につけたキャッチフレーズであり[1]、その名は清中期の乾隆年間(1736年 - 1795年)に芥子園刊本において確立した[2]

「四大奇書」に挙げられているのは『三国志演義』、『水滸伝』、『西遊記』、『金瓶梅』の4作品である[3]。しかし、本場中国では清中期になってから『金瓶梅』の代わりに『紅楼夢』を加えたものを「四大名著(中国語版)」と呼ぶようになり[注 1]、「四大奇書」よりこちらの方が一般的である[注 2]

日本の江戸時代における「四大奇書」

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江戸時代における最も有名な小説として、曲亭馬琴著『南総里見八犬伝』、十返舎一九著『東海道中膝栗毛』、柳亭種彦著『偐紫田舎源氏』、式亭三馬著『浮世風呂』の4作品が、中国四大奇書になぞらえて日本四大奇書とされる[6][7]。『浮世風呂』に代えて為永春水著『春色梅児誉美』が挙げられることも多い[8]

日本の推理小説における「四大奇書」

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日本では、推理小説における小栗虫太郎著『黒死館殺人事件』、夢野久作著『ドグラ・マグラ』、塔晶夫(中井英夫)著『虚無への供物』の3作品を「三大奇書」と呼んでいたが、これに竹本健治著『匣の中の失楽』(三大奇書の項にて言及されているように異論もあるようであるが)を加えたもののことを指す[注 3]

台湾においては、『脳髄地獄』(ドグラ・マグラ)、『黑死館殺人事件』(黒死館殺人事件)、『獻給虛無的供物』(虚無への供物)、『匣中的失樂』(匣の中の失楽)が「日本推理四大奇書」として刊行されている[要出典]

脚注

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注釈

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  1. 中国文学者井波律子は、講演体で設立順に論じている[4][5]
  2. なお、「四大名著」の記載によれば「四大名著」に『金瓶梅』を加えて「五大名著五大奇書)」、さらに『儒林外史』を加えて「六大名著六大奇書)」と呼ぶ場合があるが、出典は不明である。
  3. ここで注意を要するのは、日本における三大奇書、四大奇書は誰が提唱したかが不明であること。さらに、これから先この奇書と呼ばれる作品が今の四つより増えて、五大奇書、六大奇書に拡張されていかないとは言い切れない。

出典

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  1. 小松謙『「四大奇書」の研究』汲古書院(2010年、ISBN 9784762928857)序。
  2. 浦安迪著・沈亨寿訳『明代小説四大奇書』中国和平出版社(1993年、ISBN 7800372618)第一章「文人小説的歴史背景」。
  3. 川越泰博編『中国名数辞典』国書刊行会、1980年、p. 51。
  4. 井波律子『中国の五大小説(上)三国志演義・西遊記』岩波書店岩波新書〉(2008年、ISBN 9784004311270
  5. 井波律子『中国の五大小説(下)水滸伝・金瓶梅・紅楼夢』岩波書店〈岩波新書〉(2009年、ISBN 9784004311287
  6. 我が国の「江戸時代の四大奇書」とは何と何をいうのか。その作者と作品名が知りたい。”. レファレンス協同データベース (2010年6月29日). 2026年9月10日閲覧。
  7. 佐々政一・山内素行 (1906年). 日本文學史辭典”. 金港堂書籍. 2026年9月10日閲覧。
  8. 内田魯庵 (1899年). 文芸小品”. 博文館. 2026年9月10日閲覧。

関連項目

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