噴火警戒レベル

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噴火警戒レベルの位置(日本内)
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噴火警戒レベル
噴火警戒レベル導入済みの38火山40峰の位置(2016年12月6日現在)

噴火警戒レベル(ふんかけいかいレベル、英語: Volcanic Alert Levels[1])とは、日本において、各火山の活動状況に応じて必要な防災対応や警戒範囲を示すものとして気象庁が発表する指標で、1(活火山であることに留意)から5(避難)までの5段階が設けられている。対象の火山毎に常時発表され、活動に変化があり、レベルの変更が必要となった場合は、噴火警報もしくは予報を発表し、その本文内で変更を周知している[2]

気象庁が噴火予報(噴火警報)を発表している日本国内110(2016年3月現在)の活火山のうち[3]火山噴火予知連絡会が「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として選定した50の火山において、活動火山対策特別措置法に基づき設立された火山防災協議会で共同検討された上で地元自治体の避難計画が策定された火山に対し発表される[4]2007年平成19年)12月1日に16火山で開始され[5]、2016年12月6日時点で38火山となっている[4]

噴火警戒レベルの区分と発表基準[編集]

1から5の5段階である[2]。導入時においてレベル1の呼称は「平常」であったが、2014年9月27日の御嶽山の噴火の後「安全だという誤解につながる」という声が上がり、2015年5月18日14時より「活火山であることに留意」に変更された。また同時に、レベルの引き上げに至らない火山活動の変化がある場合には、「火山の状況に関する解説情報」を「臨時」と明記して発表することとなった[6][7]。また、2015年3月における火山噴火予知連絡会の提言に基づき、2016年3月から準備の整った火山より噴火警戒レベルの判定基準を順次公表している(2016年12月20日現在、9火山)[8][9]

種別 レベル[10] 呼称 対応する警報等 火山活動の度合い 避難行動などの目安
特別警報
  5
避難 噴火警報
(居住地域)
居住地域に重大な被害をもたらす火山活動(噴火)が発生した、あるいはその恐れが高く切迫した状態にある。 危険な地域ではすべての住民が避難する。
  4
避難準備 居住地域に重大な被害をもたらす火山活動(噴火)が発生すると予想され、その恐れが高まっている。 災害時要援護者は避難する。危険な地域ではほかの住民も避難の準備を行う。
警報
  3
入山規制 噴火警報
火口周辺)
生命に危険を及ぼす火山活動(噴火)が発生し、居住地域の近くにも及んだ、あるいはその恐れがある。 状況に応じて、登山禁止や入山規制などが行われる。災害時要援護者の避難準備が行われる場合もある。
  2
火口周辺規制 火口内や火口の周辺部で、生命に危険を及ぼす火山活動(噴火)が発生した、あるいはその恐れがある。 火口周辺は立ち入りが規制される。
予報
  1
活火山であることに 留意 噴火予報 火山活動はほぼ静穏だが、火山灰を噴出するなど活動状態に変動があり、火口内では生命に危険が及ぶ可能性がある。 火口内では立ち入りの規制をする場合がある。

制定の経緯[編集]

噴火警戒レベルの導入以前、気象庁は火山活動の状況を容易に理解することを目的として、2003年(平成15年)11月4日から「火山活動度レベル」をいくつかの火山について発表していた[11]。これは0〜5の6段階で火山の活動度を表すものであったが、内閣府が2006年に設置した、火山情報等に対応した火山防災対策検討会において、当該レベルが火山現象に中心をおき、受け手の住民側にとって切迫度がイメージできず適切な防災行動に活用しづらい点が指摘された[12]。その後の議論を経て2007年3月22日に「噴火時等の避難体制に係る火山防災対策のあり方(仮称)骨子」が公表され、気象庁の発表する火山情報を更に防災活動に適した形式へ変更し、火山周辺の住民や観光客など一時滞在者の避難計画策定を促進したうえで密接にリンクさせる必要性が示された。火山活動度レベルについては、火山活動状況に関して噴火時等の避難行動等を踏まえ区分された新しいレベルに変更するよう提言されている[13]。2007年6月7日には、検討会において新しいレベルの名称を「噴火警戒レベル」と提言されたことが発表され[14]、その概要が気象庁から公表された[15]

対象の火山[編集]

「火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山」として気象庁が常時観測を行っている火山は50ある[16]。これらの火山の中で、地元の火山防災協議会を通じて対象の市町村と都道府県の地域防災計画に火山活動のレベルに応じた避難開始時期と範囲が定められた火山から、順次噴火警戒レベルの発表を開始している[2]

開始当初は16火山であった[5]。2016年12月現在、対象の火山は以下の40だが、霧島山はえびの高原(硫黄山)周辺・新燃岳・御鉢の3つに区分されているので、対象火山数は38とされている。また伊豆東部火山群や「鶴見岳・伽藍岳」活火山群では、複数の火山を含む火山群を1火山と数えている。最新の噴火警戒レベル導入火山は、2016年12月6日に追加された日光白根山と霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)である[17]。現在のレベルについては#外部リンクの気象庁のページを参照のこと。

噴火警戒レベルを導入している火山の一覧
火山 都道府県 導入年月日
太字は当初からの
16火山[18]
判定基準の公表開始 主な火山活動(最大レベル)
アトサヌプリ 北海道 2016年3月23日[19] N/A
雌阿寒岳 北海道 2008年12月16日[20] N/A
十勝岳 北海道 2008年12月16日[20] N/A
樽前山 北海道 2007年12月1日 N/A
有珠山 北海道 2008年6月9日[21] N/A
倶多楽 北海道 2014年10月1日[22] N/A
北海道駒ケ岳 北海道 2007年12月1日 N/A
恵山 北海道 2016年3月23日[19] N/A
岩木山 青森県 2016年7月26日[23] 2016年7月26日[24]
秋田焼山 秋田県 2013年7月25日[25] N/A
岩手山 岩手県 2007年12月1日 N/A
秋田駒ケ岳 秋田県 2009年10月27日[26] N/A
蔵王山 宮城県山形県 2016年7月26日[23] 2016年7月26日[27]
吾妻山 福島県 2007年12月1日 N/A
安達太良山 福島県 2009年3月31日[28] N/A
磐梯山 福島県 2009年3月31日[28] N/A
那須岳 福島県・栃木県 2009年3月31日[28] N/A
日光白根山 栃木県・群馬県 2016年12月6日[17] 2016年12月6日[17]
草津白根山 群馬県 2007年12月1日 N/A
浅間山 群馬県・長野県 2007年12月1日 2016年3月25日[8]
新潟焼山 新潟県 2011年3月31日[29] N/A
焼岳 長野県・岐阜県 2011年3月31日[29] N/A
御嶽山 長野県・岐阜県 2008年3月31日[30] 2016年3月25日[8]    2014年の噴火(レベル3)[31]
白山 石川県・岐阜県 2014年9月2日[32] N/A
富士山 山梨県静岡県 2007年12月1日 N/A
箱根山 神奈川県・静岡県 2009年3月31日[28] N/A
伊豆東部火山群 静岡県 2011年3月31日[29] N/A
伊豆大島 東京都 2007年12月1日 N/A
三宅島 東京都 2008年3月31日[30] N/A
鶴見岳・伽藍岳 大分県 2016年7月26日[23] 2016年7月26日[27]
九重山 大分県 2007年12月1日 N/A
阿蘇山 熊本県 2007年12月1日 2016年12月20日[33]
雲仙岳 長崎県 2007年12月1日 N/A
霧島山 えびの高原(硫黄山)周辺 宮崎県 2016年12月6日[17] 2016年12月6日[17]
新燃岳 鹿児島県宮崎県 2007年12月1日 N/A
御鉢 鹿児島県 2007年12月1日 N/A
桜島 鹿児島県 2007年12月1日 2016年3月25日[8]
薩摩硫黄島 鹿児島県 2007年12月1日 N/A
口永良部島 鹿児島県 2007年12月1日 N/A    2015年の噴火(レベル5)[34]
諏訪之瀬島 鹿児島県 2007年12月1日 N/A

出典[編集]

  1. ^ Volcanic Warnings and Volcanic Alert Levels”. 気象庁. 2016年3月26日閲覧。
  2. ^ a b c 気象庁 2016
  3. ^ 噴火警報・予報の説明”. 気象庁. 2016年3月25日閲覧。
  4. ^ a b 気象庁 2016, 噴火警戒レベルが運用されている火山
  5. ^ a b “"12月1日から噴火警報、噴火警戒レベルを発表します"” (pdf) (プレスリリース), (2007年11月30日), http://www.jma.go.jp/jma/press/0711/30a/honbun071130.pdf 2016年3月25日閲覧。 
  6. ^ “御嶽山の噴火災害を踏まえた火山情報の見直しについて ~「火山の状況に関する解説情報」等の変更~” (pdf) (プレスリリース), 気象庁, (2015年5月12日), http://www.jma.go.jp/jma/press/1505/12b/kazanjoho.pdf 2015年5月22日閲覧。 
  7. ^ “噴火警戒「平常」表現取りやめ”. 首都圏 NEWS WEB (日本国営放送). (2015年5月12日). オリジナル2015年5月12日時点によるアーカイブ。. https://archive.is/6D884 2015年5月22日閲覧。 
  8. ^ a b c d “噴火警戒レベル判定基準の公表について” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2016年3月25日), http://www.jma.go.jp/jma/press/1603/25a/160325levelkijunn.pdf 2016年3月26日閲覧。 
  9. ^ 噴火警戒レベルの判定基準”. 気象庁. 2017年1月10日閲覧。
  10. ^ (pdf) 気象庁ホームページにおける気象情報の配色に関する設定指針 (Report). 気象庁. (2012-05-24). p. 5. http://www.jma.go.jp/jma/press/1205/24a/120524_hpcolorguide.pdf 2014年11月2日閲覧。. 
  11. ^ (pdf) 火山活動度レベルの導入 (Report). 気象庁. http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/CCPVE/Report/090/kaiho_090_32.pdf 2016年3月25日閲覧。. 
  12. ^ (pdf) 「火山情報等に対応した火山防災対策検討会」(第1回)議事概要について (Report). 内閣府. (2006-11-02). http://www.bousai.go.jp/kazan/zyouhoutaiou/pdf/061102kazangiji.pdf 2016年3月25日閲覧。. 
  13. ^ (PDF) 噴火時等の避難体制に係る火山防災対策のあり方(仮称)骨子 (Report). 内閣府. (2007-03-22). http://www.bousai.go.jp/kazan/zyouhoutaiou/pdf/20070322.kosshi.pdf 2016年3月25日閲覧。. 
  14. ^ “火山活動状況に関して噴火時等の避難行動等を踏まえ区分された新しいレベルの名称について” (PDF) (プレスリリース), 内閣府(防災担当)、気象庁, (2007年6月7日), http://www.bousai.go.jp/kazan/zyouhoutaiou/pdf/070607kisya.pdf 2016年3月25日閲覧。 
  15. ^ “噴火時等の避難体制に対応した火山情報の改善について” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2007年6月7日), http://www.jma.go.jp/jma/press/0706/07c/20070607kazanbosai_kaizen.pdf 2016年3月25日閲覧。 
  16. ^ 地震・津波と火山の監視 火山の監視”. 気象庁. 2016年12月15日閲覧。
  17. ^ a b c d e “日光白根山、霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の噴火警戒レベルの運用を開始します” (プレスリリース), 気象庁, (2016年11月22日), http://www.jma.go.jp/jma/press/1611/22c/nikkoshirane_ebinokogen_161122.html 2016年12月15日閲覧。 
  18. ^ “12月1日に発表する各火山の噴火警報及び噴火予報” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2007年11月30日), http://www.jma.go.jp/jma/press/0711/30a/3betsu071130.pdf 2016年3月26日閲覧。 
  19. ^ a b “アトサヌプリ、恵山の噴火警戒レベルの運用を開始します” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2016年3月8日), http://www.jma.go.jp/jma/press/1603/08b/160308atosa_esan.pdf 2016年3月25日閲覧。 
  20. ^ a b “雌阿寒岳と十勝岳に噴火警戒レベルを導入します” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2008年12月2日), http://www.jma.go.jp/jma/press/0812/02a/081202_level.pdf 2016年3月26日閲覧。 
  21. ^ “有珠山に噴火警戒レベルを導入します” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2008年5月29日), http://www.jma.go.jp/jma/press/1509/18d/150918kuttara.pdf 2016年3月26日閲覧。 
  22. ^ “倶多楽の噴火警戒レベルの運用を開始します” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2014年9月18日), http://www.jma.go.jp/jma/press/0805/29a/080529_level.pdf 2016年3月26日閲覧。 
  23. ^ a b c “岩木山、蔵王山、鶴見岳・伽藍岳の噴火警戒レベルの運用を開始します” (プレスリリース), 気象庁, (2016年7月12日), http://www.jma.go.jp/jma/press/1607/12b/iwaki_zao_tsurumigaran160712.html 2016年12月16日閲覧。 
  24. ^ “岩木山の噴火警戒レベル判定基準” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2016年7月26日), http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/level_kijunn/202_level_kijunn.pdf 2016年12月16日閲覧。 
  25. ^ “秋田焼山の噴火警戒レベルの運用を開始します” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2013年7月10日), http://www.jma.go.jp/jma/press/1307/10a/130710_level.pdf 2016年3月26日閲覧。 
  26. ^ “秋田駒ケ岳に噴火警戒レベルを導入します” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2009年9月30日), http://www.jma.go.jp/jma/press/0909/30c/090930_level.pdf 2016年3月26日閲覧。 
  27. ^ a b “岩木山、蔵王山及び鶴見岳・伽藍岳の噴火警戒レベルの運用を開始しました” (プレスリリース), 気象庁, (2016年7月26日), http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/oshirase/20160726_level_unyo.html 2017年1月10日閲覧。 
  28. ^ a b c d “安達太良山、磐梯山、那須岳、箱根山に噴火警戒レベルを導入します” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2009年3月17日), http://www.jma.go.jp/jma/press/0903/17a/090317_level.pdf 2016年3月26日閲覧。 
  29. ^ a b c “新潟焼山、焼岳及び伊豆東部火山群に噴火警戒レベルを導入します” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2011年3月17日), http://www.jma.go.jp/jma/press/1103/17a/110317_level.pdf 2016年3月26日閲覧。 
  30. ^ a b “御嶽山と三宅島に噴火警戒レベルを導入します” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2008年3月27日), http://www.jma.go.jp/jma/press/0803/27b/080327_level.pdf 2016年3月26日閲覧。 
  31. ^ 御嶽山の火山活動解説資料(平成 26 年9月)”. 気象庁. 2016年3月26日閲覧。
  32. ^ “白山の噴火警戒レベルの運用を開始します” (PDF) (プレスリリース), 気象庁, (2014年8月19日), http://www.jma.go.jp/jma/press/1508/19a/150819hakusan.pdf 2016年3月26日閲覧。 
  33. ^ “阿蘇山の噴火警戒レベルの判定基準の公表及び阿蘇山の噴火警戒レベルの3から2への引き下げについて” (プレスリリース), 気象庁, (2016年12月20日), http://www.jma.go.jp/jma/press/1612/20a/asosan161220.html 2017年1月10日閲覧。 
  34. ^ 口永良部島の火山活動解説資料(平成 27 年5月)”. 気象庁. 2016年3月26日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]