問い合わせ文字

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コンピュータ通信において、問い合わせ文字(といあわせもじ、enquiry character)とは、制御文字の一種であり、接続が完了した受信側に対して応答を要請するのに使用する[1][2]

これは、受信側がまだ存在するかどうかを確認するためのもので、この信号が受信側では応答のためのトリガーとなる。応答とWRU(who are you)信号を送った端末へのアンサーバック・コードは、受信局の局識別子、運用中の器材のタイプと局の状態が含まれる。

テレタイプ社モデル33のアンサーバック・ドラム(中央下部の茶色のもの)。問い合わせに対する応答メッセージをコード化する。

一部のテレタイプ端末は「プログラム可能な」ドラムが備えられており、20から22文字の応答メッセージを保持することができた。メッセージは、ドラムからタブを取ることによって、ドラムでコード化された。設定で有効にしていれば問い合わせ信号の受信と同時に、または、キーボードで"Here is"キーを押すことによって、設定した応答メッセージが送信される[3][4]

5ビットのITA2コードでは 9 (二進数 0 1001)が問い合わせ文字に割り当てられた。ASCIIでは 5 が割り当てられた。

1960年代、DECはモデル33のアンサーバック機能を動作しないようにした。これは、バイナリデータを紙テープ読み取り装置とパンチャーで取り扱うのに、この機能が支障となったためである[5]。しかし、DECのVT100端末は1978年から問い合わせ文字に対してユーザー設定できるアンサーバック・メッセージを返すようになり[6]、後継機種もそれに倣った。

表現[編集]

問い合わせ文字は、ASCIIUnicodeでは十進数で5、十六進数で0x05に割り当てられている。キャレット記法では ^E と表され、Unicodeでは制御文字の図形表現として ␅ (U+2405)が定義されている。

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ ZDNet Definition for: Enquiry Character
  2. ^ ATIS Telecom Glossary
  3. ^ ASR 33 Teletype Rear View of Main Assembly”. 2016年4月4日閲覧。
  4. ^ TELETYPE MODEL 32ASR”. 2016年4月4日閲覧。
  5. ^ PDP-8 Maintenance Manual, Digital Equipment Corp., F-87, 2/66, 1966; page 5-2.
  6. ^ VT100 User Guide. Digital Equipment Corporation. (August 1978). http://www.bitsavers.org/pdf/dec/terminal/vt100/EK-VT100-UG-001_VT100_User_Guide_Aug78.pdf 

外部リンク[編集]