哲学堂公園

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座標: 北緯35度43分20秒 東経139度40分27秒 / 北緯35.72222度 東経139.67417度 / 35.72222; 139.67417

Tetsugakudoukouen Shiseidou.jpg
四聖堂(哲学堂)
井上円了

哲学堂公園(てつがくどうこうえん)は、東京都中野区にある中野区立の公園である。公園の南東部(面積の7%程度)は新宿区にある。

東洋大学の創設者である哲学者井上円了が、ソクラテスカント孔子釈迦を祀った「四聖堂」を建設したのが、この公園のはじまりである。この四聖堂を当初哲学堂と称し、それがそのまま公園の名になった。

当初は当地に大学を造成する案もあったが、精神修養のための公園にすることになり、1909年-1912年の間に哲理門、六賢台、三学亭などの建築物が逐次整備された。当時の建築物は現在も公園内に現存しており、普段は外観しか見られないものの、毎年4月と10月に限り建築物の内部も一般に公開される。内部には、哲学者の像が祀られている。この他にも園内には到る所に哲学に由来するユニークな名前の坂や橋などが点在し、井上円了の思想と世界観を垣間見ることができる。

歴史[編集]

施設名[編集]

公園の入口にある看板「七十七場名称案内」によれば、園内の施設名は以下のとおり。

1哲学関、2真理界、3鑽仰軒、4哲理門、5一元牆、 6常識門、7髑髏庵、8復活廊、9鬼神窟、10接神室、 11霊明閣、12百科叢、13時空岡、14四聖堂、15唱念塔、 16六賢台、17天狗松、18筆塚、19懐疑巷、20経験坂、 21感覚巒、22万有林、23三字壇・哲史塀、24三祖碑、25唯物園・哲史蹊、 26物字壇、27客観廬、28進化溝、29理化潭、30博物隄、 31数理江、32観象梁、33神秘洞、34狸燈、35後天沼、 36原子橋、37自然井、38造化澗、39二元衢、40学界津、 41独断峡、42唯心庭、43心字池、44倫理淵、45理性島、 46心理崖、47鬼燈、48概念橋、49先天泉、50主観亭、 51認識路、52直覚径、53論理域、54演繹観、55帰納場、 56意識駅、57絶対城、58聖哲碑、59観念脚、60観察境、 61紀念碑、62相対渓、63理想橋、64理外門、65幽霊梅、 66宇宙館、67皇国殿、68三学亭、69硯塚、70無尽蔵、71万象庫、72向上楼、73望遠橋、74星界洲、75半月台(76と77は、文献記録が欠けており不明)

このうち主要な施設は以下のとおり。

  • 時空岡(じくうこう) - 哲学の時空間を表した場所。
  • 四聖堂(哲学堂) - 東洋の釈迦と孔子、西洋のソクラテスとカントの四聖人が祀られている。公園の中心的な建物といえる。
  • 六賢台 - 日本聖徳太子菅原道真中国荘子朱子インド龍樹、迦毘羅[1]の東洋の六人の哲人が祀られている。
  • 哲理門 - 哲学堂の正門にあたる。天狗幽霊が傍らにあり、天狗は物質界、幽霊は精神界の象徴であるという。
  • 三学亭 - 日本の古来からの神学儒学仏教学の各碵学、平田篤胤林羅山釈凝然を奉崇している。
  • 三祖苑 - 思想史の始祖ともいえる、中国の黄帝、インドの足目仙人[2]、ギリシアのタレスの各人を刻んだ石碑がまつられている。
  • 絶対城 - 当地における図書館のこと。絶対的な真理に到達せんと欲するならば、万巻の書物を読み尽くすことであるという教えから、絶対城と命名された。現在は、建物が遺構として残っているだけで、図書館としての機能はない。
  • 宇宙館 - 当地における講義室。哲学は、宇宙における真理を追究する学問であるから、この名になった。

この他に2009年に日本とハンガリー外交関係 開設140年・国交回復50周年の記念事業の一環としてハンガリーの首都ブダペストにあるものと同じ「哲学の庭」が設置された。これは古代からの宗教・哲学・法を代表する人がそれぞれ同心円上に配置されており、釈迦イエス・キリスト古代エジプトイクナートン達磨アッシジのフランチェスコ聖徳太子、古代バビロニアの王ハンムラビ東ローマ皇帝ユスティニアヌスなどの像が置かれている[3]

現在は北側に野球場2面、テニスコート6面、野球場地下に弓道場を有する運動施設も併設されている。哲学堂の名は公園周辺の地名の通称として店舗名、バス停留所などにも使われている。桜の名所として有名である。

哲学堂祭[編集]

井上円了の遺言に基づき、東洋大学が毎年11月に哲学堂祭を開催している。

  • 毎年11月の第1土曜日に開催する。
  • 哲学堂に祭られている四聖(孔子・釈迦・ソクラテス・カント)を順番に一人ずつ取り上げて講演を行い哲学の思想普及に努める 。
  • 参加者には、甘茶珈琲紅茶を振る舞う。

関連書籍[編集]

「哲学堂案内」『妖怪玄談』竹村牧男〔監修〕所収(大東出版社、2011.1 ISBN 978-4-500-00745-5

円了自身により哲学堂の各施設が解説されている。

アクセス[編集]

所在地:中野区松が丘一丁目34番。

[編集]

  1. ^ サーンキヤ学派の伝説上の開祖とされるカピラのこと。
  2. ^ ニヤーヤ学派を興したガウタマ(アクシャパーダ)のこと。
  3. ^ 哲学の庭(哲学堂公園公式サイト)

公園内の建築物のギャラリー[編集]

外部リンク[編集]