キンマモン

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マンゲモン(キンマンモンとも)は、琉球神道に伝わる女神。漢字では「君真物」と表記されるが、これは「最高の精霊」という意味である。古くから君手摩と同一視されてきた。海の彼方から来訪し、最高神女である聞得大君憑依する。

琉球に渡って浄土教を布教した袋中良定は、著作の『琉球神道記』(成書年代17世紀初頭)の中でキンマモンについて言及している[1]:313-314。『琉球神道記』はキンマモンの名前を確認できる最古の文献である[2]。『琉球神道記』によれば、キンマモンには陰陽があり、天より降ってきたのをキライカナイノキンマンモン、海より上がってきたのをオホツカケラクノキンマンモンと呼ぶ[2]

滝沢馬琴の小説『椿説弓張月』中にも記述がある。キンマモンは人間の守護神であり、海底を宮とし、毎月出現しては託宣するという。

沖縄県で設立された新宗教いじゅんにおいて、キンマンモンは「いじゅんの大神(おおかみ)」とも呼ばれ、1972年に教祖により主神であると宣言されている[1]:313-314。いじゅんのケースを除けば、現代の沖縄県にキンマモンの信仰はあまり浸透していない[2]

出典[編集]

  1. ^ a b Reichi, Christopher A. (1993). “The Okinawan New religion Ijun”. Japanese Journal of Religious Studies 20 (4). https://nirc.nanzan-u.ac.jp/nfile/2524 2017年9月25日閲覧。. 
  2. ^ a b c 末吉, 亜梨沙. “琉球王権と神話の歴史地理学的研究”. 京都学園大学. 2017年10月13日閲覧。

参考文献[編集]