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名誉大佐 (アメリカ合衆国)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カーネル・サンダース」ことハーランド・サンダースが1940年代末に使っていた名刺。彼は1935年にルビー・ラフーン知事からケンタッキー・カーネルの称号を贈られた。

名誉大佐(めいよたいさ、英語: Colonel:カーネル)は、アメリカ合衆国を構成する各州の知事英語版コモン・ローの元で当該州内の州民、州職員、旅行者、あるいは来訪者に対して授与する名誉称号である[1]。アメリカにおける名誉大佐の起源は、植民地時代/南北戦争前にある。当時、地元民兵隊の編成や資金提供への見返りとして、カーネル(大佐/連隊長)の称号が実際の指揮官としての責任を伴わない形で、地主階級の男性に贈られることがあった。また、この慣習の根源はルネサンス期のイギリスにまで遡ることができる。当時は貴族や有力なジェントルマンが、金銭と引き換えにカーネルの地位を得ていた。それらカーネルの代理たる実質的な指揮官はルテナント・カーネル(中佐/副連隊長)が務めていた[2]

名誉大佐の称号を日常的に用いることは、ある種の貴族的な振る舞いと見做される。今日ではいわゆる「南部紳士英語版」を示す、あるいは往年の南部貴族を象徴する肩書と理解される。また、文書上などで「閣下」(Honorable)や「大佐」(Colonel)を付ける場合には、また別の強い敬意の表現になる。名誉大佐は軍隊の文化および階級制度に起源を持つものの、実際の軍務を伴うものではない[2]

各州の名誉大佐号

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過去半世紀の間に名誉大佐の称号を授与した州としては、アラバマ州ジョージア州ケンタッキー州ルイジアナ州ミシシッピ州ニューメキシコ州ニューヨーク州ノースダコタ州オクラホマ州サウスカロライナ州テネシー州ユタ州がある[1]。同じ「カーネル」という肩書ではあっても、付与される権威は異なるほか、州知事の任期満了と共に失効するとされている場合もある。最もよく知られ、また広く授与されている名誉大佐号はケンタッキー州のケンタッキー・カーネルである。

  • アラバマ・カーネル(Alabama Colonel) - アラバマ州の名誉大佐号で、同州の州民兵大佐への任命という形を取る[2][3]
  • ジョージア・ルテナント・カーネル(Georgia Lieutenant Colonel) - ジョージア州の名誉中佐号。注解ジョージア州法典英語版38-2-111において規定されている[4]。これによれば、知事個人幕僚団は首席副官(chief of aides-de-camp)たる准将1人、首席副官補(assistant chiefs of aides-de-camp)たる大佐2人、副官(aides-de-camp)たる中佐らで構成される。任命は知事の任期満了と共に失効する。基本的には全てのジョージア州民に名誉中佐になる権利がある[5]
  • ケンタッキー・カーネル - ケンタッキー州の名誉大佐号。1800年代に知事副官(aide-de-camp)として作られた名誉職に由来する。年間授与総数や授与の基準は定められておらず、知事に一任されている。特に広く授与されている名誉大佐号としても知られ、例年3,000人から4,000人程度が任命される。正確な授与総数は不明だが、1920年から2020年までの記録に残るだけでも30万人のケンタッキー・カーネルが存在する[6]
  • テネシー・カーネル(Tennessee Colonel) - テネシー州の名誉大佐号。州における最高位の栄誉称号で、正式には副官大佐(Colonel, Aide-de-camp)とされる。任命された者はテネシー州防衛隊英語版テネシー州兵英語版の将校と同様、テネシー州務長官英語版によって任命の記録が残される[7]
  • ユタ州名誉大佐部隊(Honorary Colonel's Corps of Utah) - ユタ州における名誉大佐号の運用団体。名誉大佐号は軍民を問わず諸分野にて卓越した功績を挙げた者が授与の対象となる[8]

廃止、または運用停止中の例としては、以下のようなものがある:

  • テキサス州でもかつては名誉大佐の任命を行っていた。テキサス・カーネルの名誉称号は、後にテキサス海軍提督(Admiral in the Texas Navy)に置き換えられた。
  • 2005年から2015年まで、イリノイ州では知事付大佐連隊(Governor's Regiment of Colonels)の隊員を知事が任命することが認められていたが、実際に任命が行われることは1度もなかった。
  • 多くの州では、州防衛軍に関する規定や州法の中で知事が名誉将校を任命すること、あるいは植民地時代のコモン・ローの伝統に基づいて民間人に名誉大佐の称号を贈ることを可能とする条項を設けている。

著名な名誉大佐

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ケンタッキー・フライドチキン創業者の「カーネル・サンダース」ことハーランド・デイヴィッド・サンダースは、1935年にケンタッキー州知事ルビー・ラフーンからケンタッキー・カーネルの称号を与えられた。ケンタッキー・カーネルは毎年数千人が任命されているものの、サンダースのように常に肩書として名乗る者は非常に少ない。

エルヴィス・プレスリーのマネージャーを務めたトム・パーカーは、「パーカー大佐」の通称で知られる。彼は選挙運動への貢献に対する対価として、ルイジアナ州知事ジミー・デイヴィス英語版から州民兵名誉大佐の称号を贈られた。

エドワード・M・ハウスは外交官で、ウッドロウ・ウィルソン大統領の顧問を務めたことで知られる。彼に軍務経験はなかったが、テキサス州名誉中佐の称号を贈られ、以後はカーネル・ハウスと呼ばれた。

特に南部では多くの著名人が名誉大佐の肩書を与えられてきた。その使用例はアメリカ独立戦争以前まで遡ることが可能で、13植民地の全域で頻繁に任命されたことが知られる[9]

その他の州名誉称号

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脚注

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  1. 1 2 Wright, David. American Colonelcy (英語). American Colonels. 2007年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月7日閲覧。
  2. 1 2 3 Dandy, Beat (2012年10月2日). American Chivalry: Honorary Colonel”. American Chivalry. 2020年4月16日閲覧。
  3. Blevins, Jeremy B. (2012年3月26日). Honorary Colonel in the Alabama State Militia (英語). Jeremy B. Blevins. 2020年4月16日閲覧。
  4. 2016 Georgia Code :: Title 38 - § 38-2-111. Personal aides-de-camp; appointment; commissions; length of service; duties (英語). Justia Law. 2020年4月16日閲覧。
  5. Any Georgian can become an honorary lieutenant colonel”. The Red & Black. 2026年8月3日閲覧。
  6. Frequently Asked Questions”. The Honorable Order of Kentucky Colonels. 2026年8月3日閲覧。
  7. Staff (2020年2月27日). Mathis appointed Colonel Aide de Camp (英語). The Newport Plain Talk News. 2020年4月16日閲覧。
  8. Honorary Colonels”. Utah National Guard. 2026年8月2日閲覧。
  9. Order of the Transylvania Colonel - Bibliography (英語). Most Honorable Order of the Transylvania Colonel. 2020年4月16日閲覧。
  10. Washington State Leadership Board

外部リンク

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