名曲喫茶

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名曲喫茶の一例。東京都国分寺市の「でんえん」。

名曲喫茶(めいきょくきっさ)は、喫茶店カフェの業態のひとつ。店内に設置した音響機器によりクラシック音楽レコードを再生し、コーヒー軽食とともに音楽鑑賞の場を客に提供するものを指す。店内に静粛さが求められることから、酒類を提供しない純喫茶の業態をとることが多い。

概要[編集]

日本においては第二次世界大戦後に流行し、コンポーネントステレオクラシックレコードが高価で個人購入が難しかった1950年代から登場し、1960年代に全盛期を迎え各地に開店した。またこの時代にはジャズ喫茶歌声喫茶など音楽と結びついた喫茶店の業態が流行し、単に音楽鑑賞の場を提供するに留まらず、人々の出会いや文化を生み出す場としても機能していた。

高度経済成長を経て、1970年代以降は一般家庭にもレコードプレーヤーが普及し、安価なミニコンポラジカセなどの音楽再生機器が広く流通したことで、1980年代以降は店舗が急減しめったに見かけなくなった。

現在も営業を続けている店舗もあり、音響機器にこだわり高級オーディオを備える店もある。2000年代以降はインターネットの普及に伴い、かつての音楽鑑賞の場というより、昭和の文化を味わえる老舗の「レトロ喫茶」として再注目されるようになった。

主な店舗[編集]

営業中[編集]

営業終了[編集]

関連項目[編集]