名古屋港
名古屋港 | |
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![]() 上空から見た名古屋港全景 | |
所在地 | |
国 |
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所在地 |
愛知県名古屋市港区、東海市 知多市、弥富市、飛島村 |
詳細 | |
開港 | 1907年(明治40年) |
管理者 | 名古屋港管理組合 |
種類 | 国際拠点港湾、特定港 |
泊地面積 | 81.94平方キロメートル (31.64 sq mi) |
陸地面積 | 42.13平方キロメートル (16.27 sq mi) |
面積 | 124.07 km2 |
埠頭数 | 24 |
水路深度 | 16メートル (52 ft) |
統計 | |
統計年度 | 2008年[1] |
発着数 |
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貨物取扱量 |
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コンテナ数 |
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旅客数 | 128,880人 |
主要輸出品 | 完成自動車、自動車部品 |
主要輸入品 | 液化天然ガス、鉄鉱石 |
公式サイト |
名古屋港のホームページ - 名古屋港管理組合 |
名古屋港(なごやこう)は、愛知県名古屋市、東海市、知多市、弥富市、海部郡飛島村にまたがる港湾である。地元では名港(めいこう)の略称でも呼ばれる。
港湾法上の国際拠点港湾、港則法上の特定港、また四日市港と共に政令上の指定港湾(旧スーパー中枢港湾)、国際バルク戦略港湾に指定されている。
概要[編集]
日本で最大級の港湾である[2]。五大港のうち東京港、横浜港、大阪港、神戸港がそれぞれ単独の行政区域内で構成されるのに対し、名古屋港は複数の自治体に跨り、港の陸地部分は国内最大である[2]。
年間の総貨物取扱量(トン)は、2002年(平成14年)から2019年(令和元年)まで18年連続日本一を誇る[3]。貿易輸出額でも1999年(平成11年)から2019年(令和元年)まで21年連続で日本一を維持しており、完成自動車と自動車部品が主である[4]。空港の貿易輸出額と比較しても、成田国際空港と日本一の座を争っている[5]。
総貿易額では、2014年(平成26年)では東京港に次いで2位[6]、2019年(令和元年)では僅差で1位になっている[7][8]。自動車産業を中心とした日本最大の工業地域である中京工業地帯を背景に持つため、輸出額が輸入額を大幅に上回っていることが特徴である[6]。
港湾管理者は愛知県及び名古屋市が設立する特別地方公共団体(一部事務組合)の名古屋港管理組合。管理組合管理者は愛知県知事と名古屋市長が2年交代で就く。2019年(令和元年)12月現在の管理者は愛知県知事。2019年(令和元年)12月現在の専任副管理者は、元名古屋市住宅都市局副局長。他の2名の副管理者は愛知県副知事と名古屋市副市長。
面積[編集]
- 港湾区域 - 83平方キロメートル
- 臨港地区 - 41平方キロメートル
入港船舶数[編集]
- 33,404隻(2018年(平成30年)、内航船舶含む)
貿易額[編集]
- 輸出 - 12兆4845億円(2018年(平成30年)、国内貿易港1位)
- 輸入 - 5兆3368億円(2018年(平成30年)、国内貿易港2位)
- 輸出入総額 - 17兆8214億円(2018年(平成30年)、国内貿易港1位)
貨物取扱量[編集]
- 1億9660万トン(2018年(平成30年)、国内貿易港1位)
主な輸出入品種[編集]
輸出[編集]
- 完成自動車 - 48.4%
- 自動車部品 - 19.3%
- 産業機械 - 6.0%
輸入[編集]
歴史[編集]
1896年(明治29年)に工事が始まり、愛知県技師奥田助七郎らが建設に尽力。1907年(明治40年)には6月に愛知郡熱田町が、7月に愛知郡小碓村の一部がそれぞれ名古屋市に編入されて名古屋市域が海に面するようになり、10月に熱田港から名古屋港と改称され、11月に開港した。
隣接する重工業地帯では戦前中島飛行機や三菱航空機などが零式艦上戦闘機(零戦)など一連の傑作機を生み出した。1946年(昭和21年)に国際港、1951年(昭和26年)に特定重要港湾に指定された。1959年(昭和34年)に伊勢湾台風の直撃により大きな被害を受けた。
2004年(平成16年)7月にスーパー中枢港湾である伊勢湾の港のひとつとして指定された。
1997年(平成9年)、開港90周年を記念して日本丸と海王丸が同時に寄港。この2船は、さらに2001年(平成13年)の名古屋港管理組合創立50周年、および2007年(平成19年)の開港100周年を記念して寄港。2011年(平成23年)にも2船同時の寄港を果たしている。また、2007年(平成19年)、開港100周年を迎えて11月3日より11日まで開港祭ウィークが開かれ、11月24日には青雲丸と大成丸が同時寄港した。2013年(平成25年)8月には海上自衛隊の護衛艦あきづきが、名古屋港水族館近くの岸壁に寄港した。
この他にも、ガーデン埠頭岸壁では不定期に掃海艇などが展示される事がある 。
また、国産イージス艦あきづきが展示された際には最新鋭の国産艦展示が好評を博した。2017年(平成29年)11月にも、日本丸と海王丸が寄港した。なお、1999年(平成11年)3月には、イギリスのクルーズ客船であるクイーン・エリザベス2が金城ふ頭に寄港している[9]。
名古屋港内において総合展示場施設ポートメッセなごやなどといったイベント会場が集約する商業地区金城ふ頭では、デンマークの「LEGO社」公認の総合テーマパーク「レゴランド・ジャパン」が着工し、2017年(平成29年)4月1日にグランドオープンした。新たにららぽーととレゴランドが進出した金城埠頭までの交通アクセスは、名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線の終点、金城ふ頭駅である。世界で8番目のレゴランドであるレゴランド・ジャパンには、併設されるホテルやショッピングゾーンなど総合的な大規模テーマパーク整備が進んでいる[10]。
埠頭[編集]

「埠」は常用漢字ではないので、公式な表記では「〇〇ふ頭」を用いる。
主な埠頭エリア[編集]
- 名古屋地区(内港地区)
1901年(明治34年)から1961年(昭和36年)に埋め立てられた、最も古い地区。名古屋市。
- 東海地区(南部地区)
1962年(昭和37年)から1981年(昭和56年)に埋め立てられた。東海市。
- 東海元浜埠頭
- 新宝埠頭
- 横須賀埠頭
- 飛島地区(西部地区)
1962年(昭和37年)から1981年(昭和56年)に埋め立てられた。飛鳥村。
- 弥富地区(西部地区)
1962年(昭和37年)から1991年(平成3年)に埋め立てられた。弥富市。
- 弥富埠頭
- 鍋田埠頭 - 2001年(平成13年)完成。
- 知多地区(南部地区)
1962年(昭和37年)から1981年(昭和56年)と、1992年(平成4年)から埋め立てられた。知多市。
- 北浜埠頭
- 南浜埠頭
- 緑浜埠頭 - 将来計画であり、2017年(平成29年)現在はすでに埋め立てられた南5区と、東邦ガス知多緑浜工場LNG基地。
- ポートアイランド地区
1975年(昭和50年)以降に埋め立てられた。2017年(平成29年)現在所属未定地。
ガーデン埠頭[編集]
旧2号地三埠頭、かつての物流の中心。付近は1992年(平成4年)完成の名古屋港水族館など娯楽・商業施設が揃った観光地ともなっており、地元ではこの界隈を指して名古屋港(名港)と呼ぶ場合もある。
ガーデン埠頭は、鯱の外観の遊覧船「金鯱」で知られるようになった名古屋港遊覧船の乗り場もある。
その他、ガーデン埠頭の1号岸壁から4号岸壁は、日本丸・海王丸を初めとするイベント誘致船や飛鳥II・ぱしふぃっくびいなすなどの大型旅客船が停泊する。1985年(昭和60年)からは南極観測船・ふじが永久係留されている。2009年(平成21年)1月7日にふじの係留設備に損傷が見つかり同船の一般公開を休止したが、24日に復旧し公開を再開した。
海の日(ハッピーマンデーが施行されてからは、それに準ずる前今後週の土曜日または日曜日)に行われる「海の日名古屋みなと祭」、クリスマスの時期に行われる「スターライト・レビュー」もある。1946年(昭和21年)に第1回が開催された「名古屋みなと祭り花火大会」もここが会場である。
1989年(平成元年)の世界デザイン博覧会、2007年(平成19年)の名古屋港開港100周年記念祭には中心地となってイベントを開催している。また2005年(平成17年)の新世紀・名古屋城世紀博の開催中には愛知万博の開会式典で展示された金鯱(の雌1体)をガーデン埠頭内の臨海緑園で一般公開を行なっている。
2012年(平成24年)に名古屋市が主催した、第1回名古屋まちなみデザインセレクションにおいて、名古屋港ガーデンふ頭のイルミネーションが市民投票により、まちなみデザイン20選(第1回)に選定された。
金城埠頭[編集]
1990年(平成2年)完成。周辺が現在の物流の中心地であり、埠頭中心部には名古屋市国際展示場(ポートメッセなごや)がある。
2011年(平成23年)3月14日にJR東海の運営するリニア・鉄道館がオープンした。
2015年(平成27年)4月15日に港区金城埠頭において、世界8ヶ所目かつ国内初のレゴランド屋外テーマパーク「レゴランドジャパン名古屋」の建設工事着工。2017年(平成29年)4月1日にオープン[11]。
港内の主な施設[編集]
ガーデン埠頭[編集]
- 名古屋港湾合同庁舎
- 名古屋港管理組合
- 愛知県警察港警察署
- 名古屋港水族館
- 名古屋港ポートビル
- 旧食糧庁サイロ - 名古屋市認定地域建造物資産第8号
- 南極観測船ふじ
- JETTY
- 名古屋港シートレインランド
- 名古屋北信号所(名古屋港ポートビル内)、金城信号所(海上交通センター)、高潮防潮堤西信号所、東信号所
- ガーデン埠頭臨港緑園
- 名港ビルディング
金城埠頭[編集]
- 名古屋市営金城ふ頭駐車場
- 武田テバオーシャンアリーナ
- ファニチャードーム本店
- 名古屋市国際展示場(ポートメッセ名古屋)
- リニア・鉄道館
- レゴランド・ジャパン
- メイカーズピア
その他[編集]
- なごや港遊覧船
- 名古屋港ゴルフ倶楽部
- 名古屋港海洋トレーニングセンター
- 船見閘門 - 名古屋市認定地域建造物資産第11号
- 名古屋港跳上橋 - 国登録有形文化財
- 名古屋港ワイルドフラワーガーデン ブルーボネット
- 新名古屋火力発電所(潮見埠頭)
- 高潮防潮堤(知多堤、中央堤、鍋田堤)
- ポートアイランド
- 名港三大大橋 - いわゆる名港トリトン。伊勢湾岸自動車道東海IC-飛島IC間にある斜張橋で、名港西大橋、名港中央大橋、名港東大橋の3本からなる。
フェリー航路[編集]
現在の航路[編集]
過去の航路[編集]
- 日本高速フェリー
- 名古屋港 - 高知港 - 鹿児島港
- 太平洋沿海フェリー(現・太平洋フェリー)
- 名古屋港 - 那智勝浦港 - 大分港
- 名門カーフェリー(現・名門大洋フェリー)
- 名古屋港 - 四日市港 - 北九州港
- 名古屋港 - 大阪港(下り便のみ) - 那覇港 - 平良港(宮古島 下り便のみ) - 石垣港(石垣島) - 基隆港(台湾)
- 名古屋港 - 大阪港(下り便のみ) - 那覇港 - 平良港(下り便のみ)- 石垣港 - 高雄港(台湾)
マスコットキャラクター[編集]
名古屋港開港100周年記念事業のPRキャラクターとして、ポータン (PORTAN) とミータンがいる。デザインは長崎市のデザイナー草野敬一によるもの。
ポータン[編集]
船止めのボラードを擬人化し、今後の名古屋港の発展と安全を願う明るくほのぼのとした笑顔を表現している。
名前「ポー」はポート(港)を意味し、「タン」は語呂がよく、親しみやすさを表現している。名古屋港が誰からも愛され、さらに発展することを願って命名された。2006年(平成18年)11月15日に名古屋市港区で特別住民票登録をし、マスコットキャラクターとしては初の名古屋市民となった。
「美しいさんご礁に囲まれた名もない南の不思議の島」が出身地。生年月日は1907年(明治40年)11月10日。10年に一度1歳ずつ年を取るという設定で、2007年(平成19年)11月10日の開港100周年記念日で10歳となった。住所は名古屋市港区入船一丁目8番21号。
ミータン[編集]
ポータン同様、ボラードがモチーフになっている。名前の由来は「海」「港」、また「美」の音読み「ミ」からきている。
各種イベントなどで多忙な日々を送っているポータンの手伝いにやって来た。性別・年齢とも不詳。美しいさんご礁に囲まれた名もない南の不思議の島が出身地。ポータンのことを「お兄ちゃん」と呼ぶ。
交通[編集]
鉄道[編集]
旅客[編集]
- ガーデン埠頭側
- 金城埠頭側
貨物・旅客[編集]
貨物[編集]
路線バス[編集]
高速道路[編集]
一般道路[編集]
金城埠頭の道路通称名[編集]
- 南京大路
- メキシコ大通
- ロサンゼルス大通
姉妹港・友好提携港[編集]
友好姉妹港[編集]
都市名 | 国名・地域名 | 提携年月日 |
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ロサンゼルス港 | ![]() |
1959年(昭和34年)3月31日 友好姉妹港提携調印 |
フリーマントル港 | ![]() |
1983年(昭和58年)4月19日 友好姉妹港提携調印 |
ボルティモア港 | ![]() |
1985年(昭和60年)10月24日 友好姉妹港提携調印 |
シドニー港 | ![]() |
2010年(平成22年)11月4日 友好姉妹港提携調印 |
友好港[編集]
都市名 | 国名・地域名 | 提携年月日 |
---|---|---|
アントワープ港 | ![]() |
1988年(昭和63年)11月16日 友好港提携調印 |
ブルージュ港 | ![]() |
2013年(平成25年)7月 友好港提携調印 |
友好交流港[編集]
都市名 | 国名・地域名 | 提携年月日 |
---|---|---|
上海港 | ![]() |
2003年(平成15年)2月25日 友好交流港提携調印 |
脚注[編集]
- ^ 港湾統計(年報) 最新の統計資料(PDF形式) - 国土交通省情報制作本部 情報安全・調査課 交通統計室
- ^ a b “日本一の名古屋港”. 名古屋港管理組合公式ウェブサイト. 2022年2月27日閲覧。
- ^ 名古屋港、19年総貨物量推計、18年連続で国内首位。外貿コンテナは減少 日本海事新聞 電子版 2019年12月26日
- ^ 名古屋港の実力 名古屋港管理組合公式ウェブサイト 2020年8月21日更新
- ^ “輸出額10年ぶり成田首位、名古屋港2位 21年の港・空港”. 日本経済新聞 (2022年1月21日). 2022年2月27日閲覧。
- ^ a b 貿易額比較表(名古屋港管理組合公式サイト、2015年8月29日閲覧)
- ^ 名古屋港の貿易額 名古屋市
- ^ 港湾別貿易額ランキング(2019年) 国土交通省
- ^ “施設案内 金城ふ頭”. 名古屋港管理組合. 2021年10月11日閲覧。
- ^ レゴランドジャパン2017年オープン
- ^ “屋外型キッズテーマパーク『LEGOLAND® JAPAN』2017年4月1日(土)にグランドオープン決定!~だれよりも早くあそぼう!初回限定特典つきの年間パスポート「1ST TO PLAY」も販売開始!~”. LEGORAND JAPAN (2016年5月19日). 2016年5月19日閲覧。
関連項目[編集]
- メガターミナルオペレーター
- ウォーターフロント
- 安場保和 - 愛知県令の時に築港や定期航路の存続に尽力した。
- 江木千之 - 築港工事や計画に工夫をこらす。
- 名古屋港筏師一本乗り(名古屋市の無形民俗文化財)
外部リンク[編集]
- 名古屋港管理組合公式サイト
- 名古屋港埠頭公社
- 名古屋港のご案内 - 太平洋フェリー