吉野直行

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吉野 直行(よしの なおゆき、1950年[1] - )は、日本の経済学者アジア開発銀行研究所所長、慶應義塾大学経済学部名誉教授。東北大学経済学部卒、米国ジョンズ・ホプキンス大学経済学博士課程修了PhD。専門は財政金融政策。スウェーデン・ヨーテボリ大学名誉博士、ドイツ・マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク名誉博士、福澤賞。

経歴[編集]

  • 1950年 東京都生まれ
  • 1968年 東京都立日比谷高等学校卒業 
  • 1973年 東北大学経済学部卒業
  • 1975年 東北大学大学院経済学修士・米国ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程入学 (Jurg Niehans教授より金融論、Huge Rose教授からMacro-dynamics, Carl Christ教授からEconometrics, Ali Khan教授からMathematical Economicsをそれぞれ学んだ。学生時代の同級生はインド国家統計委員会会長Pronab Sen氏、先輩にはEU Commission 「Sapire報告」で有名な Andre Sapire氏、パキスタン工業大臣Zubair Khan氏、フィッリピン予算大臣Benjamin Diokno氏など、各国で重要な役割を担う親友と一緒にJohns Hopkins大学で学んだ。)
  • 1979年 米国ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了-Economics, Ph.D.(経済学博士) (博士論文の指導教授はConsistent Expectation、Peak Load Pricing等を最初に導入したSir Alan Walters教授(イギリス/サッチャー首相の経済顧問)から熱心な指導を受けた)
  • 1979-1981年 ニューヨーク州立大学経済学部助教授(同僚のEconometrics理論のNagesh Revankar教授と共同研究が展開された)
  • 1982-1990年 埼玉大学大学院政策科学研究科助教授(英語による日本で最初の大学院教育を行い、アジア諸国を回り優秀な大学院生の日本への招へいを進め、現在の政策研究大学院大学(GRIPS)プログラムを吉村融元学長らと一緒に設立。当時の卒業生には、現在フィリッピン中央銀行総裁のNestin Espinilla氏、副総裁のCyde Amador氏、タイ/タマサート大学Utisarn Tanchai教授など、多くのアジアのリーダを輩出した)
  • 1985年 マサチューセッツ工科大学Visiting Scholar
  • 1988-1990年 郵政省郵政研究所特別研究官
  • 1989-2000年 大蔵省財政金融研究所特別研究官
  • 1990年 慶應義塾大学経済学部助教授
  • 1991年-2014年 慶應義塾大学経済学部教授(「金融論」などの科目を担当し、教鞭を取った24年間で合計一万人以上の慶應義塾大学の学生が聴講し、600名以上のゼミの学生を指導、大学院で指導した多数の学生は、ワシントンIMF、パリOECD、日本や世界の大学で教鞭をとっている)
  • 1991-1993年 日本銀行金融研究所Visiting Scholar
  • 1993年、94年、東京大学/教養学部/国際関係/非常勤講師
  • 1997年、スウェーデン・ヨーテボリ(Goteborg)大学訪問教授
  • 1998年、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学訪問教授
  • 1998-2000年 金融監督庁顧問
  • 2000年、パリ政治学院訪問教授(Paris, Science Po)
  • 1999年 預金保険機構運営委員
  • 2001年 財政制度審議会委員(財政投融資分科会部会長)、外国為替審議会委員(会長)
  • 2003年 金融庁金融研究研修センター長
  • 2003年 『市場の質に関する理論形成とパネル実証分析』でCOEに採択される
  • 2004年 スウェーデン・ヨーテボリ大学より名誉博士号を授与される
  • 2008年 『市場の高質化と市場インフラの総合的設計』でグローバルCOEプログラムに採択される(京都大学経済研究所と連携・京都大学経済研究所客員教授)
  • 2010年-2014年 金融審議会会長
  • 2012年 ドイツ・マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク訪問教授
  • 2013年 慶應義塾大学経済研究所所長に就任
  • 2013年 ドイツ・マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルクより名誉博士号を授与される
  • 2013年 福澤賞受賞。
  • 2014年 慶應義塾大学名誉教授就任
  • 2014年 金融庁金融研究センター顧問
  • 2014年 アジア開発銀行研究所・所長
  • 2016年 マラヤ大学(University of Malaya) Kebansan訪問教授
  • 2017年 日本FP学会・会長

評価[編集]

米国ジョンズ・ホプキンス大学博士論文の指導教授 Sir Alan Walters教授はイギリス・サッチャー首相の経済顧問でその一番弟子、財務省の財政制度等審議会(財政投融資分科会部会長)、関税・外国為替等審議会(会長)、金融庁の金融審議会(会長)、内閣府政府税制調査会など多数の審議会委員を長期間務め、実際の政策形成に積極的に提言。パリScience Po(パリ政治学院)訪問教授、オーストラリアNew South Wales大学訪問教授、スウェーデン・ヨーテボリ大学訪問教授、ドイツMartin Luther University Halle-Wittenberg訪問教授、マレーシア国立大学(UKM)Kebansan訪問教授、北京大学、人民大学など世界各国の大学にて経済政策に関する教育研究に従事しその優れた教育面でも高い評価。経済政策に関する理論・実証研究が評価され、スウェーデン・ヨーテボリ大学名誉博士(2004年)、ドイツMartin Luther University Halle-Wittenberg大学名誉博士(2013年)、慶応義塾大学より福澤賞受賞(2013年)。アジアの金融経済教育をOECDと共に推進、国連(UNESCAP)等とアジアの中小企業金融プロジェクトを進めている。さらにアジア-インフラ金融への民間資金投入のSpillover効果を通じた収益率増加を提唱し、米国CSIS, Brookings研究所Bhattacharya教授らと共同研究を展開中。

著書[編集]

共著[編集]

  • 高橋徹)『パソコン計量経済学入門』(多賀出版, 1990年)
  • 堀江康煕)『金融』(東洋経済新報社, 1991年)
  • 久原正治, マイケル・ラクトリン, ロッシェル・カップ)『英語で学ぶ日本の金融』(有斐閣, 2000年)
  • Postal Savings and Fiscal Investment in Japan: the PSS and the FILP, with Thomas F. Cargill, (Oxford University Press, 2003).
  • Hometown Investment Trust Funds, with Sahoko Kaji, Springer, 2013
  • 吉野直行・山上秀文「金融経済」慶応義塾大学出版会,2017年
  • Monetary Policy and Oil Market, with Farhad Taghizadeh-Hesary, Springer, 2016
  • Japan's Lost Decade: Lessons to Asia, with Farhad Taghizadeh-Hesary, Springer, 2017
  • The Implications of Ultra-Low and Negative Interest Rates for Asia, with Pornpinun Chantapacdepong, Stefan Angrick, Asian Development Bank Institute 2018.

編著[編集]

  • 『アジア金融危機とマクロ経済政策』(慶應義塾大学出版会, 2004年)
  • 『アジアの金融市場』(慶應義塾大学出版会, 2005年)
  • [ふるさと投資ファンド」(慶応義塾大学出版会、2014年)
  • 「日本経済の課題と針路」(慶応義塾大学出版会、2015年)
  • Central and Local Government Relations in Asia (Edward Elgar, 2017) with Peter Morgan.

共編著[編集]

  • 古川彰)『金融自由化と公的金融』(日本評論社, 1991年)
  • 堀内昭義)『現代日本の金融分析』(東京大学出版会, 1992年)
  • 浅子和美)『入門・マクロ経済学』(有斐閣, 1994年)
  • 高月昭年)『入門・金融』(有斐閣, 1996年/改訂版, 1999年/改訂2版, 2003年)
  • (浅子和美・福田慎一)『現代マクロ経済分析――転換期の日本経済』(東京大学出版会, 1997年)
  • 浅野幸弘川北英隆)『日本型金融制度改革――ポスト・ビッグバンの金融システム』(有斐閣, 1999年)
  • 中島隆信)『公共投資の経済効果』(日本評論社, 1999年)
  • 松浦克巳米澤康博)『変革期の金融資本市場』(日本評論社, 2000年)
  • Small Savings Mobilization and Asian Economic Development: the Role of Postal Financial Services, co-edited with Mark J. Scher, (M.E. Sharpe, 2004).
  • Pilot Study 2002 of Asian Bond Markets, co-edited with Hidefumi Yamagami and Wataru Takahashi, (Keio University Press, 2006).
  • 藤田康範土居丈朗)『信金中央金庫寄付講座中小企業金融論(1)中小企業金融と日本経済』(慶應義塾大学出版会, 2006年)
  • 渡辺幸男)『信金中央金庫寄付講座中小企業金融論(2)中小企業の現状と中小企業金融』(慶應義塾大学出版会, 2006年)
  • (藤田康範)『信金中央金庫寄付講座中小企業金融論(3)中小企業金融と金融環境の変化』(慶應義塾大学出版会, 2007年)
  • Financial System Stability, Regulation, and Financial Inclusion, ADBI, FSA and IMF, 2015.
  • "Promoting Better Lifetime Planning Through Financial Education", Naoyuki Yoshino, Flore-Anne Messy and Peter Morgan, ADBI-OECD-World Scientific, 2016.
  • "The Housing Challenge in Emerging Asia: Options and Solutions", Naoyuki Yoshino and Matthias Helble, ADBI (Asian Development Bank Institute), 2016.
  • Financing Infrastructure in Asia and the Pacific: Capturing Impacts and New Sources, Naoyuki Yoshino, Matthias Helble and Umid Abidhadjaev, Asian Development Bank Institute, 2018.

訳書[編集]

  • P・M・ガーバー, S・R・ワイズブロッド『最新アメリカ金融入門』(日本評論社, 1994年)
  • K.カトバートソン、D.ニッチェ「ファイナンスの基礎理論」(慶応義塾大学出版会、2013年)

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.352

外部サイト[編集]