吉川洋

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吉川 洋
生誕 1951年6月30日(65歳)
東京都
国籍 日本の旗 日本
研究機関 ニューヨーク州立大学[1]
大阪大学[1]
東京大学[1]
立正大学[1]
研究分野 マクロ経済学
日本経済論
マクロ経済学への統計力学的アプローチ
母校 東京大学学士
イェール大学Ph.D
影響を
受けた人物
ジェームズ・トービン[要出典]
論敵 竹中平蔵[要出典]
影響を
与えた人物
飯田泰之[要出典]
受賞 紫綬褒章2010年[2]
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吉川 洋(よしかわ ひろし、1951年昭和26年)6月30日- )は日本経済学者東京大学名誉教授[3]立正大学教授。専攻はマクロ経済学日本経済論Ph.D.イェール大学、1978年)。[1] 2010年には紫綬褒章を受賞した[2]日本経済学会2002年度会長[1]東京都出身[4]

来歴[ソースを編集]

1974年東京大学経済学部経済学科を卒業した後、米国イェール大学に留学し、 1978年には同大学より博士号 (Ph.D.) を取得した[5]博士論文の指導教官はジェームズ・トービン[要出典]その後、ニューヨーク州立大学経済学部助教授、大阪大学社会経済研究所助教授東京大学経済学部助教授、同教授を経て、2016年4月より立正大学経済学部教授[1]。またその間、内閣府景気動向指数研究会委員 (1995年-)、内閣府経済財政諮問会議議員 (2001年1月 -2006年10月)、農林水産省食料・農業・農村政策審議会委員 (2005年7月 - 2010年1月)、財務省税制調査会委員 (2006年11月 - 2009年10月)、社会保障国民会議内閣官房)座長 (2008年)、内閣府経済財政諮問会議議員 (2008年10月 - 2009年9月)、財務省財政制度審議会会長 (2010年 -)、厚生労働省社会保障審議会委員 (2011年2月 -)、日本経済学会会長 (2012年度)を務める[5][1]。また、日経・経済図書文化賞 (1984年)、サントリー学芸賞 (1984年)、エコノミスト賞 (1993年)、全国銀行学術研究振興財団賞 (1999年)、第1回読売吉野作造賞 (2000年)、The UFJ Bank Monograph Award (2002年)等、多くの学術賞を受賞している[2]

人物[ソースを編集]

東京大学経済学部教授植田和男伊藤元重井堀利宏らとは同期である(ただし植田は同期入学であるが理学部卒後に経済学部へ学士入学している。また駒場のクラスメイトには加藤裕己がいる)[要出典]2006年の経済財政諮問会議で、当時の竹中平蔵総務大臣と与謝野馨経済財政担当大臣が提起した骨太の方針に関して、名目経済成長率と名目金利の相関関係・因果関係について議論を戦わせた。[要出典]

見解・主張[ソースを編集]

日本においては混合診療(保険診療と保険外診療の併用)の解禁[6]消費税率の引き上げ[7]などが必要であるとの見解を示している。

小泉内閣のブレーンであり、ポール・クルーグマンの需要創出論を否定した。「規制改革は純粋なサプライサイドのポリシーで、需要不足の問題を解決することにならない、と言う人がいるが、決してそんなことはない」と述べ、需要創出のための医療・教育特区や新規成長分野への減税を提案している[8]貨幣数量説は誤りであり、物価は個別の財の需給関係で決まる価格の足し算だとしている[9][10]

アベノミクス[ソースを編集]

アベノミクスにつては、2014年10月時点で、以下の見解を示している。

アベノミクスと物価の関係はまだ十分に検証されていない。アベノミクスを支持する人たちは、インフレもデフレも貨幣的な現象で、デフレを脱却できないのは白川日銀がもたもたしていたからだといっていた。大胆な金融緩和がどれくらい今の物価動向に影響しているかは、まだ検証が必要というのが私の立場だ

吉川洋、「物価は足し算だ」 吉川洋・東京大学教授日本経済新聞 2014年10月27日

著作[ソースを編集]

単著[ソースを編集]

共著[ソースを編集]

  • 島田晴雄)『痛みの先に何があるのか――需要創出の構造改革』(東洋経済新報社, 2002年)

編著[ソースを編集]

  • 『金融政策と日本経済』(日本経済新聞社, 1996年)
  • 『構造改革と日本経済』(岩波書店, 2003年)

共編著[ソースを編集]

  • 岡崎哲二)『経済理論への歴史的パースペクティブ』(東京大学出版会, 1990年)
  • 小野善康)『経済政策の正しい考え方』(東洋経済新報社, 1999年)
  • 深尾光洋)『ゼロ金利と日本経済』(日本経済新聞社, 2000年)
  • 大瀧雅之)『循環と成長のマクロ経済学』(東京大学出版会, 2000年)
  • (通商産業研究所編集委員会)『マクロ経済政策の課題と争点』(東洋経済新報社, 2000年)
  • Comparing economic systems: Italy and Japan,co-edited with Andrea Boltho and Alessandro Vercelli,(Palgrave, 2001).
  • Reconstructing Macroeconomics: A Perspective from Statistical Physics And Combinatorial Stochastic Processes (Japan-U.S. Center Ufj Bank Monographs on International Financial Markets),co-edited with Masanao Aoki, (Cambridge University Press, 2006)

共同監修[ソースを編集]

主要論文[ソースを編集]

  • On the "q" Theory of Investment (PDF) ,” American Economic Review, 70(4), September 1980
  • “Alternative Monetary Policies and Stability in a Stochastic Keynesian Model,” International Economic Review, 22(3), October 1981
  • “On the Firms Short-run Quantity Adjustment: “q” Theory of Goods in Process,” Economica, 49(195),August 1982
  • “Demand-Supply Constraints and Inventory Stock in Macroeconomic Analysis,” Economic Studies Quarterly,35(3), December 1984
  • “Financial Volatility and the q Theory of Investment,” Economica, 53(209), February 1986 (with K. Ueda)
  • “Postwar Business Cycles in Japan: A Quest for the Right Explanation,” Journal of Japanese and International Economies, 1(4), December 1987 (with F. Ohtake)
  • “An Analysis of Female Labor Supply, Housing Demand and the Saving Rate in Japan,” European Economic Review, 33, 1989 (with F. Ohtake)
  • “On the Equilibrium Yen Dollar Rate,” American Economic Review, 80(3), June 1990
  • "High Economic Growth and Its End in Japan: An Explanation by a Model of Demand-led Growth," in M.Okabe ed., the Structure of the Japanese Economy, London: Macmillan, 1995.
  • "The Great Depression in Japan: Why Was It So Short?" in Trevor Dick ed., Business Cycles since 1820: New International Perspectives from Historical Evidence, Cheltenham: Edward Elgar, 1998 (with T. Iwami and T. Okazaki).
  • "Causes of the Long Stagnation of Japan during the 1990's: Financial or Real?" Journal of the Japanese and International Economies, vol.13 p.118-200, 1999 (with T. Motonishi).
  • "Economic Growth: The Italian and Japanese Experiences," Economic Systems, 23(11), 1999 (with Di Matteo).
  • "Technical Progress and the Growth of the Japanese Economy- Past and Future" Oxford Review of Economic Policy, Vol.16, No.2, p.34-45, 2000.
  • "La Politique Economique Face A La Stagnation De L'Economie" Economie internationale, 84-4, p.13-34, 2000.
  • "Growth and Fluctuations: The Post-war Japanese Experience" in Lionello f. Punzo ed. Cycles, Growth and Structural Change: Theories and Empirical Evidence, p.27-46, London and New York: Routledge, 2001.
  • "Demand Saturation - Creation and Economic Growth," Journal of Economic Behavior and Organization 48, p.127-154, 2002(with Masanao Aoki).
  • "The Role of Demand in Macroeconomics," Japanese Economic Review Vol. 54, No. 1,p.1-27, 2003.

脚注[ソースを編集]

  1. ^ a b c d e f g h スタッフ紹介 吉川洋”. 立正大学経済学部. 2016年5月17日閲覧。
  2. ^ a b c 学会活動・受賞等 吉川洋”. 東京大学. 2016年5月17日閲覧。
  3. ^ H28名誉教授一覧(東京大学)
  4. ^ 日本人名大事典
  5. ^ a b 吉川 洋”. 東京大学 (2011年2月21日). 2013年3月21日閲覧。
  6. ^ 経済成長に不可欠な変化を阻害する官の規制 (PDF)”. 東京リーガルマインド (2004年5月). 2013年3月21日閲覧。
  7. ^ 吉川洋東大教授の文章”. 経済コラムマガジン(アクアデータ企画) (2012年7月23日). 2013年3月21日閲覧。
  8. ^ 需要創出型イノベーション政策東京リーガルマインド 2003年3月14日 2013年3月22日閲覧
  9. ^ 高橋洋一「ニュースの深層」 東大だって「L型大学」だ!真の「G型大学」が存在しない日本で教えるべき「経済」とは現代ビジネス 2014年10月25日
  10. ^ 「物価は足し算だ」 吉川洋・東京大学教授日本経済新聞 2014年10月27日