台覧試合

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台覧試合(たいらんじあい、たいらんしあい)とは、皇族が直接観戦している武道スポーツ競技試合のこと。天皇が観戦している試合は「天覧試合」と呼ぶ。台覧とは、広義には「高貴な人」が御覧になるという意味。将軍など高貴な人物が観戦する場合「上覧試合」とも呼ばれる(上覧相撲)。

主な台覧試合[編集]

武道[編集]

明治時代から済寧館や皇族の邸宅において剣術の台覧試合が行われている。近年は、2011年平成23年)に皇宮警察創立125周年記念武道大会が済寧館で開かれ、皇太子徳仁親王が台覧した。

大相撲[編集]

観戦日 場所名 場所 皇族名等 備考
1981年昭和56年)1月18日(日) 昭和56年1月場所 8日目 蔵前国技館 皇太子一家 横綱戦結果:○北の湖 - 隆の里
輪島 - 舛田山
若乃花 - 朝潮
1982年(昭和57年)1月17日(日) 昭和57年1月場所 8日目 横綱戦結果:●若乃花 - 出羽の花
千代の富士 - 若嶋津
○北の湖 - 朝潮
1993年平成5年)9月12日(日) 平成5年9月場所 初日 両国国技館 皇太子徳仁親王
皇太子妃雅子
横綱戦結果:○ - 琴の若
2007年(平成19年)9月22日(土) 平成19年9月場所 14日目 皇太子一家 横綱戦結果:○白鵬 - 豪栄道
2017年(平成29年)5月14日(日) 平成29年5月場所 初日 皇太子徳仁親王
皇太子妃雅子
横綱戦結果:○白鵬 - 千代の国
日馬富士 - 琴奨菊
鶴竜 - 御嶽海
稀勢の里 - 嘉風

高校野球[編集]

男子高校野球[編集]

観戦日 大会名 場所 皇族名等 備考
2009年(平成21年)8月8日(土) 第91回全国高等学校野球選手権大会
初日第1試合
阪神甲子園球場
兵庫県西宮市
皇太子徳仁親王 結果:常総学院(茨城) 4 - 8 九州国際大付(福岡)
直前の開会式に出席、三沢対松山商決勝延長18回引き分け再試合の思い出を語る。

女子高校野球[編集]

観戦日 大会名 場所 皇族名等 備考
2023年(令和5年)
4月2日(日)
第24回全国高等学校女子硬式野球
選抜大会
 決勝戦[1]
東京ドーム
東京都文京区
佳子内親王 結果:
神戸弘陵(兵庫)6 - 0 花巻東(岩手)
2023年(令和5年)
8月1日(火)
第27回全国高等学校女子硬式野球
選手権大会
 決勝戦[2]
阪神甲子園球場
兵庫県西宮市
結果:
神戸弘陵(兵庫)8 - 1 岐阜第一(岐阜)
2024年(令和6年)
4月7日(日)
第25回記念 全国高等学校女子硬式野球
選抜大会
 決勝戦[3]
東京ドーム
(東京都文京区)
結果:
神戸弘陵(兵庫)9 - 1 東海大静岡翔洋(静岡)

プロ野球[編集]

観戦日 試合名 場所 皇族名等 備考
1947年(昭和22年)11月9日(日) 金星スターズ - 東急フライヤーズ 後楽園球場
(東京都文京区)
皇太子明仁親王 (2回に降雨によりノーゲーム[4]
1960年(昭和35年)7月17日(日) 大毎オリオンズ - 南海ホークス[5] 皇太子明仁親王
皇太子妃美智子
結果:大毎 2 - 4 南海
1970年(昭和45年)10月30日(金) ロッテオリオンズ - 読売ジャイアンツ戦(日本シリーズ第3戦) 東京スタジアム
(東京都荒川区)
浩宮徳仁親王[6] 結果:ロッテ 3 - 5 巨人
1971年(昭和46年)7月20日(火) 全パ - 全セ戦(オールスター第3戦) 後楽園球場
(東京都文京区)
浩宮徳仁親王[7] 結果:全セ 2 - 3 全パ
1971年(昭和46年)10月16日(土) 読売ジャイアンツ - 阪急ブレーブス戦(日本シリーズ第4戦) 浩宮徳仁親王[8] 結果:巨人 7 - 4 阪急
1988年(昭和63年)4月8日(金) 読売ジャイアンツ - ヤクルトスワローズ 東京ドーム
(東京都文京区)
皇太子明仁親王
皇太子妃美智子
浩宮徳仁親王
桂宮宜仁親王
高円宮憲仁親王
高円宮妃久子[9]
結果:巨人 2 - 4 ヤクルト
2009年(平成21年)7月12日(日) ヤクルトスワローズ - 横浜ベイスターズ 明治神宮野球場
(東京都新宿区
皇太子徳仁親王
皇太子妃雅子
敬宮愛子内親王
結果:ヤクルト 1 - 2 横浜

テニス[編集]

観戦日 大会名 場所 皇族名等 備考
2009年(平成21年)9月28日(月) 2009年東レ パン・パシフィック・オープン
シングルス 1回戦
杉山愛 - ナディア・ペトロワ
有明コロシアム
(東京都江東区
皇后美智子 同大会を最後に現役引退を決めた杉山を個人的に労いたいとの考えから観戦。
試合後には杉山との懇談も行っている[10]

モータースポーツ[編集]

観戦日 大会名 場所 皇族名等 備考
1953年(昭和28年)8月2日(日) 1953年ドイツグランプリ ニュルブルクリンク
西ドイツ
皇太子明仁親王 当時、昭和天皇の名代として6ヶ月間の欧米歴訪中であった。
レース終了後の表彰台では優勝したジュゼッペ・ファリーナを祝福した[11]

競馬[編集]

観戦日 競走名 場所 皇族名等 備考
1921年(大正10年)6月26日(日) 第56回パリ大賞 ロンシャン競馬場
フランスパリ
皇太子裕仁親王 当時6ヶ月の欧州歴訪中であった。
優勝馬:レモノラ英語版
騎手:ジョー・チャイルズ英語版
1953年(昭和28年)6月6日 第174回ダービーステークス エプソム競馬場
イギリスイングランドサリー
皇太子明仁親王 エリザベス2世の戴冠式参列のために訪英していた。エリザベス2世の所有馬オリオールが出走し、2着。
優勝馬:ピンザ
騎手:ゴードン・リチャーズ
1986年(昭和61年)10月11日(土) エジンバラ公御来場記念 東京競馬場
(東京都府中市
皇太子明仁親王
皇太子妃美智子
優勝:メジロディッシュ
騎手:的場均
1987年(昭和62年)11月1日(日) 第96回天皇賞(秋) 優勝:ニッポーテイオー
騎手:郷原洋行
2007年(平成19年)5月27日(日) 第74回東京優駿(日本ダービー) 皇太子徳仁親王 優勝:ウオッカ
騎手:四位洋文
2014年(平成26年)6月1日(日) 第81回東京優駿(日本ダービー) 優勝:ワンアンドオンリー
騎手:横山典弘

将棋[編集]

第11期第2局を観戦する秩父宮雍仁親王(右端)。

愛棋家である秩父宮雍仁親王は、名人戦第11期第2局を対局室で観戦した。

脚注[編集]

  1. ^ 佳子さまがご観戦 全国高校女子野球選抜大会決勝 神戸弘陵-花巻東”. スポニチアネックス (2023年4月2日). 2023年4月24日閲覧。
  2. ^ 佳子さまが観戦 全国女子高校野球決勝”. 産経新聞 (2023年8月1日). 2023年8月1日閲覧。
  3. ^ 佳子さま、高校女子野球決勝を東京ドームで観戦…得点が入るたび盛んに拍手”. 読売新聞オンライン (2024年4月7日). 2024年4月7日閲覧。
  4. ^ 講談社宇佐美徹也著『プロ野球記録大鑑』P170
  5. ^ ダブルヘッダー第2試合のみ。
  6. ^ チームヒストリー”. 千葉ロッテマリーンズウェブサイト(1970年の箇所を参照). 2016年11月6日閲覧。
  7. ^ 読売新聞 1971年7月21日 11頁
  8. ^ 朝日新聞 1971年10月17日 23頁
  9. ^ 株式会社東京ドーム75周年史 第二部 東京ドーム時代 (PDF) 株式会社東京ドームオフィシャルサイト
  10. ^ 47NEWS (2009年9月28日). “皇后さま“引退”杉山選手に拍手 試合を観戦、懇談も”. 2011年7月17日閲覧。
  11. ^ 林信次『F1全史 1950-1955』ニューズ出版、2000年、80頁。ISBN 4-89107-019-6 

関連項目[編集]