台湾国際造船

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台湾国際造船
CSBC Corporation, Taiwan
種類 公開会社
本社所在地 中華民国の旗 台湾
小港区高雄市
設立 1937
業種 造船
主要株主 中華民国経済部(22.21%)
外部リンク https://www.csbcnet.com.tw/English/
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海巡署用に建造された2000トンの巡視船、新北 CG-127
台湾国際造船、基隆港
磐石級補給艦(AOE-532)
2006年1月9日、アラスカアダック島に向かう途中、MVブルーマーリンによって輸送され、真珠湾に入港した海上配備Xバンドレーダー
偉星艦 CG-102、1992年に海巡署用に建造された1800トン巡視船
CMA CGM Fort Saint Louis、2003年進水

台湾国際造船(ピンイン:Táiwān Guójì Zàochuán、英語:CSBC Corporation, Taiwan)は、旧称が中国造船(ピンイン:Zhōngguó Zàochuán、英語:China Shipbuilding Corporation、CSBC)であり、台湾の民間および軍用の艦船を生産する会社である。本社は高雄市にあり、高雄市と基隆市に造船所がある。2008年にIPOで民営化されるまでは国有企業であった。

歴史[編集]

台湾船渠株式会社[編集]

台湾造船公司の前身は、台湾で鉱業を経営していた木村久太郎が日本統治時代の1919年に設立した基隆船渠株式会社である[1]。1937年、三菱重工業株式会社台湾銀行台湾電力日本郵船大阪商船、台湾の顔欽賢一族が共同出資により、台湾船渠株式会社を設立し[2][1]、オーナーが死去した基隆船渠株式会社を合併した[3]

台湾機械造船公司[編集]

第二次世界大戦で日本が敗戦後、国民政府が台湾船渠株式会社を接収し、1946年1月に台湾船渠株式会社、株式会社台湾鉄工所、東光工業株式会社を合併して台湾機械造船公司を設立した[1]。2年後の1948年4月には、生産を事業別に再編すること及び他の経営上の理由から[4]、台湾機械造船公司と台湾造船公司(TSBC)という2つの国有企業に分割された[1]。台湾機械造船公司では機械部品の生産・修理を主として船舶部門では小型船の生産・修理をし、台湾造船公司では船舶の製造と修理に集中した[4]

中国造船公司[編集]

中国造船公司(CSBC)は1973年に設立され、初期の工場建設と研究計画を石川島播磨重工業に委託するとともに本部の設計を依頼し[5][6]、海外からの技術移転を利用した。1977年に同社は政府所有の会社に復帰した。

中国造船公司(CSBC)と台湾造船公司(TSBC)は1978年に合併し、2007年まで中国造船公司として知られた[7]

台湾国際造船股份有限公司[編集]

2007年2月9日、取締役会は台湾国際造船股份有限公司への社名変更を承認し、2月12日に社名変更を記念する式典を開催した[8]。批評家は、名前の変更は陳総統脱中国化英語版の一環であると主張したが、支持者は、名前の変更は、中国との潜在的な混乱を回避するのに役立つだろうと主張した[9]。2008年にはCSBCの生産額は11.31億ドルに達し、その年の台湾造船業の総生産高の54%を占めた[10]

同社のウェブサイトによると、同社はコンテナ船、一点物の商用船、MVブルーマーリンを含む半潜水式重量物輸送船を建造してきた。また、中華民国海軍向けの船舶、潜水艦、先進的な海軍兵器、海巡署向けの巡視船、台湾海洋技研究中心英語版向けの研究船などを建造している[11]。CSBCは台湾初の国産AUVの開発に参加している[12]

2018年には、CSBCは台湾で急増している洋上風力発電分野への海洋サービスを提供するために、陽明海運、台湾航業、台湾港務英語版と提携した[13]。CSBCは東アジアでの風力発電所建設を提供するために、DEMEウィンドエンジニアリングと合弁会社(台船環海風電工程)を設立した。2019年、台船環海は台湾沖の2つの新しい風力発電所で風力タービンを輸送・設置するためにコペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズ英語版に雇われた[14]。2つの風力発電所は合計600MWの容量を持ち、2023年までに完成する予定である[15]

CSBCは中華民国海軍向けに通常攻撃型潜水艦8隻の建造を請け負っている[16]。そのモデルはX型舵を採用する[17]。最初のプロジェクト契約は33億ドルで、10隻の調達費用が100億ドルと予測されている[18]

CSBCは、2020年1月から2021年2月までの間に、陽明海運に2800TEUコンテナ船10隻を納入することになっている[19][20]

2019年7月、CSBCはCSBCの洋上風力発電事業の支援用に設計された曳航船「CSBC No.15」を進水させた。この曳航船の積載量は23,000メートルトンで、積載甲板の耐力は1平方メートルあたり20メートルトンである。幅41メートル、長さ140メートルで、建造費用は7億 NTドル[21]

建造された船[編集]

軍用船[編集]

商船[編集]

  • MV ブルーマーリン
  • MV ブラックマーリン
  • CMA CGM Fort Saint Louis
  • CMA CGM Fort Saint Pierre
  • CMA CGM Fort Sainte Marie
  • CMA CGM Fort Saint Georges

改修と修理[編集]

2019年現在、船舶修理はCSBCの売上の3-5%を占めており、同社は空間的に余裕があることから、そのシェア拡大に努めている[22]

2019年にCSBCは、東方海外貨櫃航運公司が所有する13,000 TEU コンテナ船のグリーン改修を完了した。改修には排煙脱硫システムが含まれており、この船を国際連合IMO2020排出量目標に適合させた[23]

大衆文化[編集]

ナショナルジオグラフィックのスーパーストラクチャーズのエピソード2:エンジニアリングの驚異で、CSBCとその1隻が特集された[24]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 洪 紹洋 (9 2007). “開発途上国工業化の条件 : 1960年代台湾造船公司における技術移転の例”. 社会システム研究 (立命館大学社会システム研究所) 15: 89-90. doi:10.34382/00003823. ISSN 1345-1901. 
  2. ^ 経済部,「台船二十五年篇」,『二十五年来之経済部所属国営事業』(経済部国営事業委員会,197 年5月),船,1-2頁
  3. ^ 洪 紹洋 (2011-09-01). 台湾造船公司の研究―植民地工業化と技術移転(1919‐1977). 御茶の水書房. ISBN 4275009398 
  4. ^ a b 陳 正達 (4 2012). “戦後台湾造船業の発展 : 産業政策と発展戦略の検討を中心に”. 經濟論叢 (京都大学経済学会) 185 (3): 49. doi:10.14989/197837. 
  5. ^ 行政院経済建設委員会 (1979). 十項重要建設評估. 行政院経済建設委員会. p. 437 
  6. ^ 洪 紹洋 (9 2007). “開発途上国工業化の条件 : 1960年代台湾造船公司における技術移転の例”. 社会システム研究 (立命館大学社会システム研究所) 15: 99. doi:10.34382/00003823. ISSN 1345-1901. 
  7. ^ About CSBC”. www.csbcnet.com.tw. CSBC. 2019年7月10日閲覧。
  8. ^ NAME CHANGE OF CPC TO TAKE EFFECT IMMEDIATELY: ECONOMICS MINISTER”. 2007年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年2月10日閲覧。
  9. ^ State-run firms begin name change”. Taipei Times (2007年2月10日). 2007年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年5月6日閲覧。
  10. ^ Shipbuilding industry in Chinese Taipei”. www.oecd.org. OECD Council Working Party on Shipbuilding (WP6). 2019年12月5日閲覧。
  11. ^ Morgan. “Taiwan’s new ocean research fleet to be delivered in June 2019”. taiwannews.com.tw. Taiwan News. 2019年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月23日閲覧。
  12. ^ Chen Chih-chong and. “Taiwan plans to launch its first indigenous AUV within 5 years”. focustaiwan.tw. Focus Taiwan. 2019年5月14日閲覧。
  13. ^ Chen. “CSBC unveils alliance to tap demand for offshore wind marine services”. www.taipeitimes.com. Taipei Times. 2019年7月10日閲覧。
  14. ^ Durakovic. “CSBC-DEME Wind Engineering and CIP Sign Turbine Installation Contract”. www.offshorewind.biz. Offshore Wind. 2019年7月10日閲覧。
  15. ^ Durakovic. “Boskalis Cracks Asian Offshore Wind Market”. www.offshorewind.biz. Offshore Wind. 2019年7月10日閲覧。
  16. ^ Banks. “In Face of Chinese ‘Aggression’ Taiwan Beefs Up its Own Defenses”. intpolicydigest.org. International Policy Digest. 2019年5月8日閲覧。
  17. ^ Everington. “Model of Taiwan's domestically-made submarine revealed”. taiwannews.com.tw. Taiwan News. 2019年5月14日閲覧。
  18. ^ Jennings. “Taiwan breaks ground to build its own submarines”. www.latimes.com. Los Angeles Times. 2019年7月10日閲覧。
  19. ^ Three Container Vessel Operators Partner with Navis for Loading Computer in Newbuildings”. finance.yahoo.com. Yahoo Finance. 2019年7月10日閲覧。
  20. ^ Ang. “CSBC lands $500m Yang Ming feeder boxship order”. www.tradewindsnews.com. Trade Wind News. 2019年7月10日閲覧。
  21. ^ Frances Huang. “New CSBC barge begins operations, eyes wind power business”. focustaiwan.tw. Focus Taiwan. 2019年8月4日閲覧。
  22. ^ Shih-ching. “CSBC Corp optimistic about its repair business with contract for two vessels”. www.taipeitimes.com. Taipei Times. 2019年7月10日閲覧。
  23. ^ DeAeth. “Taiwan's CSBC Corp. completes desulfurization mod on 13,000-TEU container ship”. www.taiwannews.com.tw. Taiwan News. 2019年7月9日閲覧。
  24. ^ Superstructures: Engineering Marvels”. nationalgeographic.com. National Geographic. 2019年4月24日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]