古味直志短編集 恋の神様

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古味直志短編集 恋の神様
ジャンル 少年漫画、漫画短編集
漫画:island
作者 古味直志
出版社 集英社
掲載誌 赤マル』2007 WINTER
漫画:恋の神様
作者 古味直志
出版社 集英社
掲載誌 WJ』2007年20号
漫画:ウィリアムス
作者 古味直志
出版社 集英社
掲載誌 『WJ』2007年49号
漫画:ペルソナント
作者 古味直志
出版社 集英社
掲載誌 SQ』2008年12月号
漫画:APPLE
作者 古味直志
出版社 集英社
掲載誌 『WJ』2009年4・5合併号
漫画:ニセコイ(読切版)
作者 古味直志
出版社 集英社
掲載誌 NEXT!』2011 WINTER
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古味直志短編集 恋の神様』(こみなおしたんぺんしゅう こいのかみさま)は、古味直志による漫画短編集。

概要[編集]

古味の初となる短編集で、2014年4月、集英社ジャンプ・コミックス〉より発行。タイトルは収録作品の『恋の神様』より。

古味の読切漫画6作品『island』『恋の神様』『ウィリアムス』『ペルソナント』『APPLE』『ニセコイ(読切版)』を収録している。収録作品の出典は『週刊少年ジャンプ』とその増刊号、および『ジャンプスクエア』(いずれも集英社)で、古味がデビューしてから、『ダブルアーツ』の連載を挟み、『ニセコイ』を連載するまでの間に掲載された。

各作品に古味のコメント・カットが添えられ、巻末には描き下ろしの4コマ漫画も収録された[1]

YouTubeの集英社のジャンプチャンネルで、『恋の神様』と『APPLE』が2021年にボイスコミック化されている。

island[編集]

island(アイランド)』は、古味のデビュー作。ファンタジー読切漫画作品。第39回ジャンプ十二傑新人漫画賞準入選。『赤マルジャンプ』2007 WINTER掲載。45ページ。麻生周一が「好きな漫画」として挙げている[2]。『ダブルアーツ』1巻にも収録された。

ストーリー
高い壁に囲まれた狭い世界で暮らす2人の少女アイラマルーは、まだ見たことのない壁の外の世界に憧れていた。2人は外の世界に行くために試行錯誤をするが、14歳になったアイラは長老から衝撃的な事実を伝えられる。

恋の神様[編集]

恋の神様(こいのかみさま)』は、古味の読切漫画作品。『週刊少年ジャンプ』2007年20号掲載。49ページ。古味が初めて描いたラブコメディ作品であり、掲載時には大きな反響があった。しかし、古味はこの作品の面白さを理解せずに描いていたので、当時は困惑したという[3]。後に『ニセコイ』の連載を始めるきっかけとなった。なお、土辺の祖母(声 - 柴田かおり(ボイスコミック版))は『ニセコイ』連載版に登場する神主(声 - 定岡小百合(ニセコイOVA版))と容姿が同じであり、『ニセコイ』8巻の幕間で土辺と木之倉らしき人物を出迎えている。

ストーリー
男子高校生・土辺太一(つちべたいち)(声 - 井上雄貴)は、同じクラスに転向してきた女子生徒・木乃倉安子(きのくらやすこ)(声 - 高橋李依)に一目惚れをする。しかし、神主である土辺の祖母は神が木乃倉に恋をしていることに気付く。

ウィリアムス[編集]

ウィリアムス』は、古味の読切漫画作品。ロー・ファンタジー。『週刊少年ジャンプ』2007年49号掲載。49ページ。少年層より大人から反響が大きかった[4]

ストーリー
少年・ウィリアム冒険小説アブドラ冒険記』の内容を信じて、召使の女性コニーや小説の著者カムクラス・ハイローと共に、小説に描かれた剣を求めて冒険する。

ペルソナント[編集]

ペルソナント』は、古味の読切漫画作品。ネーム段階で一度ボツになったが、当時の『ジャンプSQ』編集長茨木政彦の目に留まり、『ジャンプSQ』2008年12月号に掲載された[5]。57ページ。

ストーリー
皆が仮面ペルソナントを着けている社会で、唯一ペルソナントを着けずに生活している男性ダモレに、女性記者オリィ・フランベルが接触する。

APPLE[編集]

APPLE(アップル)』は、古味の読切漫画作品。サイエンス・フィクション。『週刊少年ジャンプ』2009年4・5合併号掲載。49ページ。それまで古味は女性視点で作品を展開させることが多かったが、担当編集者から「女の子出演禁止」という制約を設けられた。そのため、この作品のメインキャラクターには女性が登場しない[6]

ストーリー
少年新宮サトシ(あらみやサトシ)(声 - 伊東健人)は、地球が生み出した新しい生命体APPLEとして恐れられ、政府からも命を狙われていた。しかし、サトシはあらゆる生物に変身できる能力を持っていたため、いつも自分を攻撃する軍隊を迎撃していた。そんなサトシのもとを、APPLEの誕生を予言した科学者・グリム・スチュワート(声 - 塚田悠衣)が訪れる。

ニセコイ読切版[編集]

ニセコイ(読切版)』は、古味の漫画作品。古味の代表作で、連載版『ニセコイ』のプロトタイプになったラブコメディ。『少年ジャンプNEXT!』2011 WINTER掲載。54ページ。同時掲載作品[注 1]の中で最も高い評価を受け連載に繋がった[7]。プロットや人物設定などは連載版とは共通する部分も多いが、楽と千棘は幼馴染である。ただし、この読切作品では楽と千棘以外に連載版のキャラクターはほとんど登場しない。

ストーリー
男子高校生・一条楽(いちじょうらく)は、過去のすれ違いから幼馴染の少女・桐崎千棘(きりさきちとげ)と仲が悪かった。しかし、2人の実家がそれぞれヤクザギャングで、衝突寸前の緊張関係にあったため、2人は争いを避けるために仲の良い恋人のふりをする。

書籍情報[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 古味のほかにも古舘春一今日和老高山としのり横田卓馬やしろ学杉江翼田岡宗晃青戸成森田蓮次ムロコウイチらが読切作品を掲載していた。

出典[編集]

  1. ^ 読切版「ニセコイ」など全6編を収録、古味直志の短編集発売 2018年10月22日閲覧
  2. ^ 「特別ページ」『赤マルジャンプ』2008 WINTER
  3. ^ 『短編集』100ページ
  4. ^ 『短編集』150ページ
  5. ^ 『短編集』208ページ
  6. ^ 『短編集』258ページ
  7. ^ マンガ質問状 : 『ニセコイ』ベタを地で行く王道ラブコメディー、アニメはシャフト&新房昭之!”. MANTANWEB. 2015年6月4日閲覧。
  8. ^ 古味直志短編集 恋の神様| ジャンプコミックス|BOOKNAVI|集英社|集英社”. 2015年6月4日閲覧。

関連項目[編集]

  • ハイキュー!! - 読切版が『ニセコイ(読切版)』と同じ『少年ジャンプNEXT!』2011 WINTERに掲載された。

外部リンク[編集]