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口蓋垂

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
口蓋垂
ヒトの口蓋垂(3の位置)
ラテン語 uvula palatina
英語 Palatine uvula
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先天性の口蓋垂裂(二分口蓋垂)。
風邪をひいた時の腫れている口蓋垂。
睡眠時無呼吸症候群などの治療として口蓋垂軟口蓋咽頭形成術英語版(切除)が行われた喉。

口蓋垂(こうがいすい)は、口の奥(軟口蓋)の後部にある口蓋帆から垂れた部位。通称喉彦(のどびこ、のどひこ)・上舌(うわじた)・のどちんこともいう。内部は迷走神経迷走神経咽頭枝英語版)の支配を受ける口蓋垂筋である。

哺乳類では人間だけが持つ。食べ物を飲み込む際に、鼻の方に上がってしまうのを防ぐ役割を持つ。また、粘液を出す粘液腺もあり、嚥下する際に大量の液体を出して嚥下を助ける[1][2]

また、口蓋垂音を出すのにも利用されるため、口蓋垂は補助的な発声器官であると考えられる[3]

口蓋垂筋は口蓋腱膜から起こり、口蓋垂末端の結合組織に停まる。

口蓋帆は嚥下に際して鼻咽喉腔を閉じるために必要であるが、口蓋垂は嚥下には関係していない。

概要

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発生学的には口蓋の左右の組織が一つに繋がる段階で余った部分であるため、人によって2つ、または3つあったり、先が2つに割れていたりすることもある。

一般的に口蓋垂は口内の大きさに比例する。

発音の補助、誤飲防止、不要な部位など諸説ある。あるいは、口腔から鼻腔への異物の侵入を防止する役目があるとする説がある。

飲酒や疲労によって口蓋垂が軟口蓋や舌根とともに腫れて気道を塞ぐといびきの原因となる。そのため、口蓋垂が大きい人はいびきをかきやすい。

口蓋垂裂

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口蓋垂裂は、口蓋垂が分かれている先天性異常である。口蓋垂裂だけの場合は機能障害が起きないため治療の必要はないが、より上まで裂けて問題が起きている口蓋裂となっている場合は治療が行われる[4]

遺伝病のロイス・ディーツ症候群英語版の特徴として二分口蓋垂が現れている場合がある[5][6]

文化

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ソマリア、エチオピア、エリトリア、ブルンジを含むアフリカの一部の地域では、伝統的儀式として新生児の口蓋垂を切除するが、伝染病や新生児の死亡に繋がっている[7][8]

ユブラピアッシングと呼ばれる口蓋垂に穴を開けて、装飾品をつける場合がある。

脚注

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  1. ^ 人間にしかない「のどちんこ」は一体どんな役割を果たしているのか | ログミーBusiness”. logmi.jp. 2025年11月17日閲覧。
  2. ^ Back, G.W.; Nadig, S.; Uppal, S.; Coatesworth, A.P. (2004-12). “Why do we have a uvula?: literature review and a new theory” (英語). Clinical Otolaryngology and Allied Sciences 29 (6): 689–693. doi:10.1111/j.1365-2273.2004.00886.x. ISSN 0307-7772. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1365-2273.2004.00886.x. 
  3. ^ Finkelstein, Yehuda; Meshorer, Asher; Talmi, Yoav P.; Zohar, Yuval; Brenner, Jacob; Gal, Rivka (1992-09). “The Riddle of the Uvula” (英語). Otolaryngology–Head and Neck Surgery 107 (3): 444–450. doi:10.1177/019459989210700318. ISSN 0194-5998. https://aao-hnsfjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1177/019459989210700318. 
  4. ^ 口蓋裂〔こうがいれつ〕|家庭の医学|時事メディカル|時事通信の医療ニュースサイト”. medical.jiji.com. 2025年11月17日閲覧。
  5. ^ Loeys-Dietz Syndrom Foundation”. 2012年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年3月25日閲覧。
  6. ^ 菅原, 正明; 小熊, 文昭; 平原, 浩幸 (2016-08-01), 臨床経験 小児期に診断されたLoeys-Dietz症候群, doi:10.15106/J00349.2016323938, https://doi.org/10.15106/J00349.2016323938 2025年11月17日閲覧。 
  7. ^ ブルンジ人権報告書 2019 年版 法務省 p23
  8. ^ Ethiopian Refugees

関連項目

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外部リンク

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