厳美渓

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厳美渓 (2007-08-31)

厳美渓(げんびけい)は、岩手県一関市にある磐井川中流の渓谷。栗駒山(須川岳)を水源とする。全長2キロメートルで奇岩や怪岩に富む[1]1927年昭和2年)に国の名勝及び天然記念物に指定された。

歴史[編集]

厳美渓周辺の空中写真。周囲は水田や畑が広がる比較的平坦な地形である。
1976年撮影の3枚を合成作成。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

古くから景勝地として親しまれており、一帯を治めた伊達政宗も松島と並ぶ二大景勝地としてこの地を賛美している[1]1877年明治10年)8月には、明治天皇東北巡幸の際に立ち寄っているほか、近代の文人、幸田露伴もこの厳美渓を訪れ、紀行文を記している。
岩手県の南の玄関口とされる一関市にあって、古く都として栄えた平泉にも近く、後になって平泉が観光地として人気が出たため、それに比例する形で厳美渓も観光客が急増した。 平泉が世界遺産に認定される以前から、本地と平泉及び同市内にある猊鼻渓とを周遊する観光客やツアーも多い。

特色[編集]

厳美渓は栗駒山の噴火によって堆積したデイサイト凝灰岩が、磐井川の水流によって浸食され、形成されたものである。奇岩、瀑布、深淵と様々な表情を見せるが、特に川底には甌穴の発達が顕著。これは巨石の隙間を流れた(小石)が水流の中で暴れて弧を描き、岩盤を球状に削っていったもので、地質学上にも貴重なもの。

厳美渓の団子[編集]

空飛ぶだんご

厳美渓は名産品の団子でも知られており店によって個性がある[1]

郭公だんご
厳美渓では「空飛ぶだんご」として知られる郭公だんごが名物となっている[1]。これは渓谷の休憩所に設けられてあり、ワイヤーロープで繋いだに代金を入れ合図のを叩くと、対岸の店が注文を聞いて、だんごと茶を提供してくれるというものである。
販売している団子はあん・ごま・みたらしが主で、「空とぶ団子」では三本セットで売られている。その他、限定商品もある。
滝見だんご
滝見だんごは1980年頃から厳美渓河畔に創業した団子店で「手切りの団子」で知られた[2]。しかし、店主が高齢となり、2020年12月27日に閉店した[2]

長者滝橋[編集]

厳美渓にかかる道路橋。鉄筋の代わりに竹を骨組に用いたコンクリートを用いた竹筋橋。1939年の建設時に竹筋使用の証言が残る。1987年の強度調査で竹片が検出されるも、確定までは至らず。付近に竹筋説を示す看板が設置されている。1999年に登録有形文化財に登録[1]

ギャラリー[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 世界遺産平泉と二大渓谷の旅 一関観光協会、2020年12月30日閲覧。
  2. ^ a b 厳美の味 惜しまれつつ 「滝見だんご」閉店、最終日は行列 岩手日報、2020年12月30日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯38度56分35.3秒 東経141度3分2.4秒 / 北緯38.943139度 東経141.050667度 / 38.943139; 141.050667