厚生労働省職員国家公務員法違反事件

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最高裁判所判例
事件名 国家公務員法違反被告事件
事件番号 平成22(あ)957
2012年(平成24年)12月07日
判例集 刑集第66巻12号1722頁
裁判要旨
国家公務員法102条1項,人事院規則14-7第6項7号により禁止された政党の機関紙の配布に当たり,これに国家公務員法(平成19年法律第108号による改正前のもの)110条1項19号の罰則を適用することが憲法21条1項、31条に違反しないとされた事例
第二小法廷
裁判長 千葉勝美
陪席裁判官 竹内行夫須藤正彦小貫芳信
意見
多数意見 全員一致
意見 千葉勝美
反対意見 須藤正彦
参照法条
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厚生労働省職員国家公務員法違反事件(こうせいろうどうしょうしょくいんこっかこうむいんほういはんじけん)は、2005年9月10日厚生労働省職員(当時)が東京都世田谷区警視庁の職員官舎において日本共産党機関紙しんぶん赤旗」の号外を配布したとして、国家公務員法違反(政治的行為の制限)に問われた事件(被告側からの呼称は「世田谷国公法弾圧事件」[1])。

目黒社会保険事務所の係長が休暇中にポスティングを行なったとして同法違反で逮捕された「社会保険庁職員国家公務員法違反事件」(被告側からの呼称は「国公法弾圧堀越事件」)とは別の事件である。

概要[編集]

2005年衆議院選挙(所謂「郵政選挙」)の投開票を翌日に控えた9月10日正午頃に東京都世田谷区の警視庁の職員官舎において、厚生労働省課長補佐の職員が共産党機関紙「しんぶん赤旗」の号外32枚を集合ポストに投函した。職員は住居侵入の現行犯逮捕された。後日国家公務員法違反(政治的行為の制限)で追送検された。(住居侵入罪については不起訴処分

裁判[編集]

被告側は「しんぶん赤旗」の配布の起訴事実に対しては争わず、警察捜査手法の違法性や、国家公務員政治活動を行う事を禁止している国家公務員法自体を憲法違反として、無罪を主張した。

第一審[編集]

2008年9月19日東京地方裁判所(小池勝雅裁判長)は「公務員の中立性に抵触する行為で、強い違法性を有している」として被告人に対して検察求刑通り罰金10万円の有罪判決を言い渡した。判決自体は2006年5月29日の「社会保険庁職員国家公務員法違反事件」の地裁判決と同様に、1974年猿払事件の最高裁判決を踏襲したものである。被告人は不当判決として控訴

控訴審[編集]

2010年5月13日東京高等裁判所(出田孝一裁判長)は、被告人を有罪とした一審の東京地裁判決を支持し、被告人の控訴を棄却した。判決では猿払事件の最高裁判例について「すべてについて見解を同じくする。社会情勢の変化を踏まえても、改めるべき点はない」とし踏襲した[2]。 被告人側は即日上告した。

上告審[編集]

2012年12月7日、最高裁判所第2小法廷は、被告人を有罪とした一審の東京地裁の原判決を支持し、被告人の上告を棄却した[3]。また同日に、本件と類似の事件である「社会保険庁職員国家公務員法違反事件」の判決も行われ、こちらは被告人を無罪とした二審の東京高裁の原判決を支持し、検察の上告を棄却した[4]

関連項目[編集]

自衛隊の官舎へ立ち入って自らが発刊したビラを配布し摘発された事件。本項目と類似。最高裁判決で被告人の有罪が確定した。
マンションのドアの郵便受けに共産党の機関誌を配布し摘発された事件。住居侵入罪で被告人の有罪が確定した。

脚注[編集]

  1. ^ 弁護団声明(12月7日)
  2. ^ 時事通信 (2010年5月13日). “元厚労省職員、二審も有罪=機関紙配布禁止は合憲-国家公務員法違反・東京高裁”. 2010年5月13日閲覧。
  3. ^ 最高裁判所第二小法廷判決 2012年12月7日 、平成22(あ)957、『国家公務員法違反被告事件』。
  4. ^ 最高裁判所第二小法廷判決 2012年12月7日 、平成22(あ)762、『国家公務員法違反被告事件』。