危機 (イエスのアルバム)

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危機
イエススタジオ・アルバム
リリース
録音 1972年4月 - 6月
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル アトランティック・レコード
プロデュース イエス、エディ・オフォード
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 3位(アメリカ)
  • 4位(イギリス)[1]
  • 16位(日本)[2]
  • イエス 年表
    こわれもの
    (1971)
    危機
    (1972)
    海洋地形学の物語
    (1973)
    イエスソングス
    (1973)
    ミュージックビデオ
    「Close To The Edge」 - YouTube
    「And You And I」 - YouTube
    テンプレートを表示

    危機』(Close to the Edge)は、イギリスプログレッシブ・ロックバンドイエスが1972年に発表した5作目のアルバムである。アメリカではBillboard 200アルバムチャートで最高3位、本国イギリスではオフィシャル・チャートで最高4位につけるなどバンドにとっては初の大ヒットと言える売り上げを記録した。

    概要[編集]

    LP両面で3曲というイエスにとって初の大作主義的傾向を全面的に打ち出した作品である。イエスの代表作とされており、各批評家筋の評価も高い。 メンバーはジョン・アンダーソンスティーヴ・ハウクリス・スクワイアリック・ウェイクマンビル・ブルーフォードの5人で、所謂黄金期のラインナップである。 ジャケットを含むアートワークはロジャー・ディーンによるものである。

    レコーディングは、当時プログレッシブ・ロックに的を射って経営され、ジェントル・ジャイアントエマーソン・レイク・アンド・パーマーなどもレコーディングに使用したロンドンウェスト・エンドアドヴィジョン・スタジオ(英語版記事)にて行われた。歌詞はジョン・アンダーソンがドイツの作家ヘルマン・ヘッセが1922年に発表したシッダールタから着想を得たと言われている。危機の歌詞の一部である「Close to the edge, down by a river」はハウによって考え出されたとされ、彼がテムズ川河畔のバタシーに住んでいた際に思いついたという[3]

    歌詞の難解さに加え、レコーディングは各曲の各パートを通しで録音し、その都度メンバー間で議論を繰り返し全員が納得いく物が出来上がるまで修正を何度となく繰り返すというかなりの重労働だったらしく、ブルーフォードはそれらに耐えかね不満を募らせた末に脱退しキング・クリムゾンに加入するという出来事が起こる。当時を振り返って彼は「民主的な選挙をずっとやっているようで、何かあると毎回選挙活動を展開しないといけない。本当に恐ろしく、驚くほど不快で、信じられないくらいの重労働だった。」とコメントしている。またスクワイアの遅刻癖にも腹を立てていたという。 ブルーフォードの脱退はアルバムのリリースに伴うツアーのただ中という時期であり、急遽後任としてアラン・ホワイトが加入するが、契約上印税はブルーフォードとホワイトで折半という形にされた。後にリリースされたイエスソングスに収録されている曲のドラムがブルフォードが叩いているものとホワイトが叩いている物があるのはそのためである。 更にバンドのマネージャーであったブライアン・レーンは、契約に違反した補償金として10,000ドルの支払いをブルーフォードに要求する等の事もあった。

    収録曲[編集]

    A面
    #タイトル作詞・作曲時間
    1.「危機
    "Close To The Edge"
    • i) 着実な変革 "The Solid Time Of Change"
    • ii) 全体保持(トータル・マス・リテイン) "Total Mass Retain"
    • iii) 盛衰 "I Get Up, I Get Down"
    • iv) 人の四季 "Seasons Of Man"
    Jon Anderson, Steve Howe
    B面
    #タイトル作詞・作曲時間
    2.「同志
    "And You And I"
    • i) 人生の絆 "Cord Of Life"
    • ii) 失墜 "Eclipse"
    • iii) 牧師と教師 "The Preacher The Teacher"
    • iv) 黙示 "The Apocalypse"
    Anderson; themes by Bill Bruford, Howe, Chris Squire
    3.「シベリアン・カートゥル
    "Siberian Khatru"」
    Anderson; themes by Howe, Rick Wakeman

    リマスター盤[編集]

    2003年にCDのリマスター盤が発売された。音質の向上が図られている他、従来の3曲に加え、以下の4曲のボーナス・トラックが追加収録されている。

    #タイトル作詞・作曲時間
    4.アメリカ(シングル・ヴァージョン)
    "America" (single version)
    Paul Simon
    5.「全体保持(シングル・ヴァージョン)
    "Total Mass Retain" (single version)
    Anderson, Howe
    6.「同志(オルタネイト・ヴァージョン)
    "And You And I" (alternate version)
    Anderson; themes by Bruford, Howe, Squire
    7.「シベリア(スタジオ・ランスルー・オブ・シベリアン・カートゥル)
    "Siberia" (studio run-through of "Siberian Khatru")
    Anderson; themes by Howe, Wakeman

    また、デジパック仕様でLP時代のジャケットに添ったアート・ワークが復活し、新たな写真やライナー・ノーツが収録されている。

    SACD盤[編集]

    Audio Fidelityレーベルからハイブリッド式のSACDがリリースされている。ただし後述の5.1ch盤とは異なり2chステレオのままである。詳細は当該websiteを参照の事。

    5.1ch盤[編集]

    2013年、Panegyricレーベルからスティーヴン・ウィルソンのマスタリングによる5.1ch盤がブルーレイ及びDVD-Audioでリリースされた。詳細はBlu-ray盤及びDVD-Audio盤を参照の事。

    参加ミュージシャン[編集]

    イエス
    制作スタッフ

    トリビア[編集]

    2011年のアメリカ・カナダ合作映画『アポロ18』の劇中およびエンドロールの冒頭で「同志」が使用されている。

    脚注[編集]

    1. ^ ChartArchive - Yes - Close To The Edge
    2. ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.73
    3. ^ "Yes' Steve Howe on Jon Davison, performing classic LPs, a renewed solo focus"” (英語). Something Else! (2013年4月24日). 2017年1月30日閲覧。