博物誌 (ビュフォン)

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博物誌』(はくぶつし、: L’Histoire Naturelle, générale et particulière, avec la description du Cabinet du Roi、『王室博物館の解説による博物史、総論および各論』)は、1749年から刊行されたフランス百科事典である。

ビュフォンの執筆の動機については、プリューシュ神父の『自然の光景』全5部8巻が1732年から1750年のあいだに刊行されて、好評を博したのを受けて執筆されたともされる。1749年に最初の3巻が刊行されると、美しい図版を豊富に盛り込んだこと、文体も論文調でなく文学的な文体を用いたことで[1]学問の世界よりも社交界(サロン)で評判を呼んだ。第1巻1000部の初刷りは2週間で売り切れたとされる[2]。ビュフォンが没するまで、36巻が書き続けられ、没後、ラセペードが書き継いだ。

構成[編集]

(A)『一般と個別の自然誌、王立陳列室の記述を含む』(ビュフォンとドパートンが執筆)15巻

  • 第1巻(1749年):「自然誌の研究と取り扱いの方法について」「地球の歴史と理論」「地球の理論の証拠」
  • 第2巻(1749年):「動物の(一般)自然誌」「人間の自然誌」
  • 第3巻(1749年):「王立陳列室の記述」「人間の自然誌」(続き)
  • 第4巻(1753年):「動物の本性についての論説」「家畜」「動物の記述について」
  • 第5巻(1755年):「ヒツジ」「ヤギ」「ブタ」「イヌ」など
  • 第6巻(1756年):「ネコ」「野生動物」
  • 第7巻(1758年):「肉食動物」-「オオカミ」「キツネ」など
  • 第8巻(1760年):「モルモット」「ハリネズミ」「モグラ」「コウモリ」など
  • 第9巻(1761年):「ライオン」「種々のトラ」「窮大陸の動物」「新世界の動物」など
  • 第10巻(1763年):「オオコウモリ」「チスイコウモリ」「モモンガ」「アリクイ」など
  • 第11巻(1764年):「ゾウ」「サイ」「フタコブラクダ、ヒトコブラクダ」「バク」など
  • 第12巻(1764年):「自然についての第一の見解」「シマウマ」「カバ」「ヘラジカ、トナカイ」など
  • 第13巻(1765年):「自然についての第二の見解」「キリン」「リャマ、ピクーニャ」「スカンク」など
  • 第14巻(1766年):「サル類の命名法」「オランウータン」など「モモンガ」「アリクイ」など
  • 第15巻(1767年):「新世界のサル類」「本著作で故意に言及されなかった若干の動物の略述」「四足獣類名索引」など

(B)『鳥類の自然誌』(ビュフォンとモンペヤール、ベクソン神父が執筆)9巻

  • 第1巻(1770年):「著作の構成」「鳥類の本性についての論説」「猛禽類」「夜行性猛禽類」「飛べない鳥類」
  • 第2巻(1771年):「ノガン」「ニワトリ」「クジャク」「キジ」など
  • 第3巻(1778年):「シメ」「イシカ」「スズメ」「カラス」「ツグミ」など
  • 第4巻(1778年):「カナリア」「ヒタキ」「ヒワ」「ホホジロ」など
  • 第5巻(1778年):「ヒバリ」「ナイチンゲール」「ロビン」「ミソサザイ」など
  • 第6巻(1779年):「ハチドリ」「オウム」「インコ」「カッコウ」など
  • 第7巻(1780年):「キツツキ」-「オオハシ」など「水鳥」-「コウノトリ」「ツル」など
  • 第8巻(1781年):「トキ」「チドリ」「クイナ」「グンカンドリ」など
  • 第9巻(1783年):「ハクチョウ」「ガン」など、「不確実あるいは未知の数種の鳥類の略述と覚え書き」「鳥類名索引」

(C)『自然誌補遺』(ビュフォン)7巻

  • 第1巻(1774年):「元素について」「引力の法則に関する考察」「実験の部」
  • 第2巻(1775年):「実験の部」(つづき)「仮説の部」-「地球と惑星の冷却に関する研究」「惑星の温度に関する先の研究の根拠」
  • 第3巻(1776年):「雑種について」「『4足獣の自然誌』に対する追加」
  • 第4巻(1777年):「アカデミー・フランセーズにおける演説」「精神算術試験」「『人間の自然誌』の種々の項目に対する追加」
  • 第5巻(1778年):「自然の諸時期」「『地球の理論の証拠』の種々の項目に対する追加と訂正」「『自然の諸時期』で報告された事柄の証拠となる注」「地図の説明」
  • 第6巻(1782年):「『4足獣の自然誌』に対する補遺」
  • 第7巻(1789年):「サルの項目に対する追加」「雑種について」「犬の項目に対する追加」など

(D)『鉱物の自然誌』(ビュフォン)5巻

  • 第1巻(1783年):「鉱物の形成について」「原初のガラス」「石英」「碧石」「雲母」「長石」など
  • 第2巻(1783年):「瀝青」「黄鉄鉱」「火山物質」「イオウ」「塩」「金」など
  • 第3巻(1785年):「銀」「銅」「スズ」「鉛」「水銀」「プラチナ」「ヒ素」など
  • 第4巻(1786年):「種々碧石」「礫」「ヒスイ」「真珠」「サンゴ」「ダイヤモンド」「玄武岩と溶岩」など「鉱物の起源」
  • 第5巻(1788年):「鉱石とその用途に関する論」「地図」

ビュフォン没後の他の著者による増補、改訂[編集]

ラセペードによる追加

  • 1798-1789:『卵生四足動物およびヘビ類誌』2巻
  • 1798-1803:『魚類の自然誌』5巻
  • 1804:『クジラ類の自然誌』1巻

ソンニーニによる『自然誌』新版が全127巻で彩色版として刊行(1799-1808)

図版[編集]

主な協力者[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『知の分類史』 久我勝利(著)中公新書ラクレ
  2. ^ 『ナチュラリストの系譜―近代生物学の成立史』木村陽二郎 (著) 中央公論社 (1983/02) ASIN B000J7GJ90

参考文献[編集]

関連項目[編集]