南海りんかんバス

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南海りんかんバス株式会社
Nankai Rinkan Bus Company, Limited
Nankai logo.png
南海りんかんバス(高野山営業所)の車両
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 りんかんバス
本社所在地 日本の旗 日本
和歌山県橋本市市脇
設立 1992年11月2日[1]
業種 陸運業
法人番号 7170001010693
事業内容 自動車運送事業等
主要株主 南海電気鉄道
外部リンク http://www.rinkan.co.jp/
特記事項:本社所在地は橋本営業所内
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南海りんかんバス(なんかいりんかんバス)は、和歌山県のバス会社。

概要[編集]

南海電気鉄道の100%出資子会社で、橋本営業所(和歌山県九度山町橋本市)と、世界遺産の霊場高野山内と護摩壇山奈良県野迫川村への急行バスを運行する高野山営業所がある。これら2つの営業所は直接自社の路線で繋がっておらず、南海高野線南海鋼索線を介して接続する。鋼索線運休時や災害による鉄道不通時は、橋本・高野山の両営業所間で車両融通をしながら代行輸送を行う(大阪の南海バスによる応援車もある)。

高野山内のバス運行区間のうち高野山駅前から女人堂の手前までは南海りんかんバス専用道路となっており、歩行者および南海りんかんバス以外の車両は通行することができない。

野迫川村においては、1日数便とは言え村の中心部を走るバスの一つであり、また同村内では唯一の民間バス路線である[2]

2018年末をもってスルっとKANSAI共通磁気カードの使用は完全に停止されたが、同社では現時点でもPiTaPaなどの導入予定の無い数少ないバス事業者であり(他には同じ南海グループである和歌山バス和歌山バス那賀と、USJ直行シャトルバスを運行する大阪シティバスの自社路線のみ)、今後の対応発表も2016年7月時点では無い。接続する南海鋼索線は全国のケーブルカー事業路線で最も早くICカードに対応した路線であるが、対照的な扱いとなっている。スルっとKANSAIの廃止後、磁気カードリーダーは自社専用バスカード専用となった。

2004年に高野山が世界遺産に登録以降、海外特にフランスからの来訪者が増加したため、高野山営業所の車内放送は日本語、英語、フランス語の3か国語対応となっている。国内の世界遺産登録地を走る路線バス会社としては最小規模ながら、高野山駅前でケーブルカーが到着するたび担当運転士が案内チラシをもって待機し、到着旅客にチラシを配り、英語で案内する活動が国内他社に例を見ないユニークなものとされ、和歌山県の観光功労賞を受賞している。

このほか、2016年大河ドラマ「真田丸」にゆかりの九度山町内で「九度山町巡回バス(通称「赤備えバス」)」を運行した。

2017年より「高野山・熊野」聖地巡礼バスの高野山駅前・護摩壇山区間(護摩壇山・栗栖川・熊野本宮大社前区間は龍神自動車による運行)と秋期期間中(おおむね9月中旬から11月下旬)に高野山麓世界遺産アクセスバスを運行している。

沿革[編集]

本社および営業所[編集]

運行路線[編集]

現行路線[編集]

高野山営業所[編集]

  • 立里線
    • 高野山駅前 - 千手院橋 - 奥の院前 - 野迫川村役場前 - 荒神口 - 立里荒神前 - 立里
      高野山駅前から、高野山内を経由して、野迫川村方面を結ぶ路線である。終点付近にある立里荒神社は弘法大師空海が高野山の開山の際に勧請したといわれている神社であり、「立里の荒神さん」として親しまれている。なお、この路線は急行路線であるため、スルッとKANSAIのカード類は使えない。また、2往復運行しているうち1往復は冬期運休となる。
      終点の立里停留所にはホテル開運荘が存在し、雲海が見渡せるホテルとして有名であったが、2012年以降休止となっている。[4]また隣接して南海電鉄や富士火災海上保険の指定保養所施設が存在しているが、現在は利用されておらず、廃墟状態と化している。[5]
      旧ルート上は桜峠下停留所(通過) - 天狗木峠停留所(通過、廃止) - 野迫川村役場(上垣内)間において県道53号高野天川線を使用していた。同道路は狭隘道路のため、大抵の場合小型車で運行されていたが、現在は高野龍神スカイライン経由のため専ら龍神線と同じ急行専用車で運行される。
      新ルートとなって以降、千手院橋から野迫川村役場前までは、同じルートで野迫川村営バスが運行されている。時間帯が異なり、村営バスは原則的に野迫川村内に泊まる場合か、村民の利用しか想定していないが、役場までの運賃は急行バスの立里線より安い。
高野龍神線の車両
  • 高野龍神線
    • 高野山駅前 - 千手院橋 - 奥の院前 - 野迫川村総合案内所前 - 護摩壇山
      龍神自動車と連携して高野山駅前と田辺市龍神温泉、さらに紀伊田辺駅前を結んでいる路線で高野山内、高野龍神スカイラインを経由する。高野山と龍神温泉のほぼ中間に位置する護摩壇山で両社のバスを乗り換える運行形態をとっている。この路線は急行路線であるため、スルッとKANSAIのカード類は使えない。車両も一部を除きリクライニングシート付きの急行線用バスが使用される。冬季(12月-3月)は運休する。
  • 高野山内各線
    • 高野山内線: 高野山駅前 - 千手院橋 - 奥の院口・一の橋口[6] - 奥の院前 - 桜峠下[7]、大門南駐車場前 - 大門 - 金堂前 - 千手院橋 - 奥の院口・一の橋口[8] - 奥の院前 - 桜峠下[9]
    • 千手大門線: 高野山駅前 - 千手院橋 - 金剛峯寺前[10] - 金堂前・大塔口[11] - 大門 - 大門南駐車場前[12]
    • 鶯谷線: 高野山駅前 - 女人堂 - 中の橋霊園(1日3往復)
    • 高野花坂線[13]: 高野山駅前 - 千手院橋 - 金堂前 - 大門 - 花坂 (1日2往復、土・日祝日運休、夏期と冬期でダイヤが異なる)
      高野山内の移動によく使われる路線である。各路線とも高野山駅前から高野警察前までは同経路を通り、そこから各方面に分かれていく。一番運行本数が多いのは、奥の院前行である。この奥の院前行は、観光客が多い時期に臨時便の運行[14]がなされており、高野山内の移動は非常にしやすくなっている。

橋本営業所[編集]

橋本市内線の車両
  • 真土線: 橋本駅前 - 門前 - 真土
  • 山内線: 橋本駅前 - 門前 - 上山内 - 平野
    • 2015年12月改正で、これまで別系統であった上山内系統と平野系統を統合。
  • 橋本病院線: 橋本駅前 - 門前 - 隅田八幡前 - あやの台中央 - 岩倉大橋 - 橋本市民病院前
    • 2015年12月改正で新設。
  • 紀見線: (紀見ケ丘~紀見峠間は2014年4月より橋本市コミュニティバスに移管)
    • 林間田園都市駅前 - 紀見ヶ丘
    • 車庫前 - 林間田園都市駅前(途中無停車)
      • 2015年12月改正で車庫前 - 林間田園都市駅前を国道371号(後にバイパス経由)で運行していた回送便の一部を客扱い開始。車庫への入出庫と北部新興住宅地から市役所方面へのアクセスも兼ねている。
  • 林間田園都市線: 林間田園都市駅 - あやの台・アルバック前・初芝橋本高校前・橋本市民病院・城山台北(始発のみ)
    • 2016年6月ダイヤ改正で城山台北始発便が復活(平日6時43分発)
    • あやの台系統は橋本市民病院を経由しない便(系統場号10番台)と経由する便(系統番号30番台)がある。
  • 橋本市内線: 橋本駅前 - 車庫前(旧:橋本市民病院)
  • 高野山麓世界遺産アクセスバス: 橋本駅前 - 丹生都比売神社 - 奥の院前

コミュニティバス(地方自治体受託)[編集]

休止路線[編集]

  • 橋本市民プール線: 橋本駅前 - 市民プール (夏期のみ運行)
    • 2009年度夏期まで有料で運行していたが、平成22年度より無料化に伴い和歌山バス那賀へ運行会社が代わり、一時再開したものの、その後休止。

廃止路線[編集]

  • 恋野線
  • 真土線の一部
  • 立里線(旧ルート、県道53号高野天川線経由)
    • 高野山駅前 - 千手院橋 - 奥の院前 - 桜峠下 - 天狗木峠 - 野迫川村役場前(上垣内) - 立里/野迫川村役場前 - 北股 - 北今西/野迫川村役場前 - 池津川 - 中津川
    • 高野龍神スカイライン無料開放前における立里線の旧ルートであり、スカイラインの開業前から運転されている。立里荒神線のみとなってからは、野迫川村までは千手院橋、奥の院前を除き通過する急行バスである。
    • かつては野迫川村内の公共交通としての役割も担っており、西の阪本・小代下(国道168号線)から乗り入れる奈良交通と一部に重複ルートがあった。
    • しかし南海電鉄自動車部門時代の1970年代に、野迫川村役場以南の各ルートを廃止し、現ルートに近い体制となる。廃止後の村内移動手段は、野迫川村営バスにより賄われている。
    • 同線と高野洞川線の廃止以後、県道53号線は野迫川村役場以西の村営バスを除き、公共交通機関が消滅した。
    • 昭和34年頃に事故が発生しており、救助に当たった人物への記念碑が荒神社内の鳥居参道の道中に存在する。
  • 高野洞川線
    • 高野山駅前 - 千手院橋 - 奥の院前 - 天狗木峠(南海りんかんバスによる運行区間)
    • 奈良交通と連携して高野山駅前と奈良県天川村洞川温泉(どろがわおんせん)を結んでいた夏季限定の季節運行路線で、「すずかけライン」の愛称がつけられていた。
    • 立里線と同ルートを走行しており、和歌山・奈良県境の天狗木峠で両社のバスを乗り換える運行形態をとっていた。狭隘区間を通るため、玉川線や立里線旧ルートと同じく、小型の4WDローザ車による運行が多く行われた。
    • この路線は急行路線であるため、スルッとKANSAIのカード類は使えなかった。
    • 当時存在した3・3・SUNフリーきっぷも使用できなかったが、こちらは奈良交通側では使用が可能であり、奥の院〜天狗木峠間の運賃を別途支払えば乗車は可能であった(ただし奥之院までは各停バスの乗車が必要)。
    • 高野町・野迫川村・大塔村・天川村などによる、県道53号線の道路整備促進も兼ねた路線であり、通過区間から補助金が出る形で運行していた。
      • しかし大塔村が五條市に合併されるなど補助金を出す自治体自体の減少や自治体の財政事情悪化もあり、2005年を最後に運行が行われなくなった。
  • 九度山線
  • 玉川線
    • 高野山駅前 - 千手院橋 - 一の橋口 - 奥の院前 - 清川橋
    • 2010年11月30日限りで 桜峠下 - 清川橋間が廃止となり、残存区間の 奥の院前 - 桜峠下間は高野山内線に編入された。狭隘道路を走行するため小型車で運行されていた。
    • 桜峠下から先は平原・東などに停留所があったが、同区間はフリー乗降区間となっていた。
    • 路線末期頃には既に終点の清川橋周辺に集落は存在しないが、筒香方面への分岐路を渡って同地区へ徒歩などで連絡する乗客が存在した。
  • 林間田園都市線
    • 林間田園都市駅前 - 城山台北
      • 2016年6月ダイヤ改正で城山台北始発便が復活(平日6時43分発)
  • 平野線
  • 紀見線
    • 橋本駅前 - 城野 - 林間田園都市駅前 - 紀見ヶ丘 - 紀見峠
    • 2011年11月30日限りで林間田園都市駅前 - 紀見ヶ丘 - 紀見峠に短縮された。
    • 廃止区間の一部を、橋本市コミュニティバスがルート変更の上、運行を開始した。
    • 2014年3月31日限りで紀見ヶ丘 - 紀見峠が廃止、翌4月1日から橋本市コミュニティバスが廃止区間を運行開始。
    • 2015年12月改正で廃止区間のうち、車庫前 - 林間田園都市駅前間が経路変更及び途中無停車で復活。
  • 林間平野線(系統番号18番)
    • 橋本市が実施する社会実験の一つとして、林間田園都市駅前 → 霜草 → 上山内 → 平野 → 霜草 → 林間田園都市駅前を平日1往復で運行していた。
    • 運行期間は2015年12月5日運行開始~2016年6月5日(平日のみ運行のため6月3日が最終運行日)路線休止
    • 霜草~平野間は2011年に廃止された平野線とほぼ同じルートを通っていた。

車両[編集]

2007年3月31日現在、38台のバス車両を保有する。うちノンステップバスは7台、低床バス(ここではノンステップバスワンステップバス、スロープ付きバスを指す)は10台[17]

日野自動車製と三菱ふそう製が在籍するが、ほとんどはふそう車である。

高野山営業所の車両は大半が大型車であり、急行路線(龍神線)には専用の車両が採用されている。塗装は南海バスのそれを基本にしている。

橋本営業所では、通常塗装のほか、南海電鉄時代に採用していた緑を基調とした塗装の車両も所有している[18]。また、過去の龍神線用急行バスは、専用の塗色を採用していた。

橋本営業所では近年、南海バスから車両を譲渡されたり、バリアフリーに対応した最新鋭の車両の増備が進んでいる。近年では、和歌山県で大型の新型車両が導入される唯一の地区であった。

高野山営業所ではここ数年車両に変化が無かったが、2007年4月に橋本営業所から清川橋・花坂両線及び急行バスの立里線用の小型ノンステップバスが転属、更に2009年には中型ワンステップバスも各一台転属した。その後2009年からは大阪府の排気ガス規制の影響で初期のワンステップバス等が順次転属している他、2009年12月より日野・ブルーリボンシティのハイブリッド車が2台導入された。この車両は在来車の塗装パターンを基調に専用の塗装を採用している。 全国でも珍しく、濃飛バスとともにリフトアップされたローザ4WD80条バスでない一般路線バスで使用していた。(主に玉川線の清川橋発着の路線などで使われていた。先述の小型ノンステップバスに置き換えられ廃車となった)

  • 通常の始業検査・交番検査や少額修繕は、営業所内に併設されている検修で行われるが国土交通省が定める車検については、特殊な場合を除きすべて大阪府泉佐野市にある南海車両工業まで回送され検査が行われる。その為、通常、大阪府内へ乗り入れすることのない車両を見かけることもごく稀にある。(大阪府内自動車排出ガス規制適用外車両であっても特例で橋本営業所(または高野山)〜南海車両工業間の走行が認められている)

特徴的なもの[編集]

高野山営業所管内の特定区域が乗り放題の「高野山内1日フリー乗車券(830円)」が同営業所窓口で発売されており、最初に乗車したあと1回目の降車時には本体を乗務員に提示し、券片隅部だけを切り離して運賃箱に入れる(2回目以降の降車は本体を乗務員に提示するのみ)。最終的に高野山駅前まで戻ってきたときに、本体を乗務員が回収する仕組みになっている(運賃表示器にはその旨を記載したステッカーが掲示されている)。高野山営業所窓口では路線図と山内主要停留所時刻表が併記されたリーフレットがあり、誰でも自由にもらうことが出来る。

2015年より、同様の手段で高野山道路の新道開設により道路沿いに新設された「大門南駐車場」からパークアンドライド方式で乗り換えることで利用する「高野山内パーク&ライド1日フリー乗車券」が新発売されている。

これらの山内向け切符は、高野町内を通過する急行バスでも奥の院前までの乗車は可能である。また、急行バスと南海電鉄の鉄道切符がセットになった割引切符などが別途発売されている。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 南海電気鉄道 『南海二世紀に入って十年の歩み』、1995年、109頁。 
  2. ^ 野迫川村は奈良県内では珍しく奈良交通の路線バスが無く(以前は五條側から乗り入れていたが)、五條方面へは野迫川村営バスが運行されている。(五條方面へは途中で奈良交通の路線バスと接続している)
  3. ^ 南海電気鉄道 『南海二世紀に入って十年の歩み』、1995年、74頁。 
  4. ^ なおホテル入口には「リニューアルのため」と休止理由の看板が立てられているが、再開時期は不明。
  5. ^ 立里への宿泊手段としては他に、荒神社への宿泊が可能である。
  6. ^ 奥の院口を経由するのは昼間時間帯の奥の院前行(奥の院前発は経由しない)と夕方・夜間の高野山駅前 - 奥の院口 - 一の橋口 - 高野山駅前系統のみである。
  7. ^ 奥の院前 - 桜峠下間は狭隘道路を走行するため小型車で運行される。
  8. ^ 奥の院口を経由するのは昼間時間帯の奥の院前行(奥の院前発は経由しない)のみである。
  9. ^ 奥の院前より先は平日1往復、土休日2往復のみで、狭隘区間を走行するため小型車により運行される。
  10. ^ 21時以降の便は金剛峯寺前止まりとなる。
  11. ^ 大塔口を経由するのは朝の大門行及び夕方の高野山駅前行のそれぞれ1本のみである。
  12. ^ 山内パークアンドライドの推進のため新設した駐車場まで延伸
  13. ^ 大門 - 花坂間は狭隘道路を走行するため小型車で運行される。ただし近年同ルートの一般通行車両の増加により、全線に渡って道路が拡幅されつつある。
  14. ^ 特に乗客が増えるお盆の時期には、高野山駅前 - 奥の院前間は無ダイヤ状態の頻発運転が行われる。このために、南海電鉄から分社する以前は夏季に大阪府内の各営業所から多くのバスが応援に貸し出されていた(毎年8月13日夕方に行われる「ろうそく祭り」など)。
  15. ^ 高野町内に通じる道路が狭隘道路しかなく、麓の五條市内から奈良交通が直通していたが、2011年に廃止代替となった。
  16. ^ 同タクシーの車庫は下筒香地区にある
  17. ^ 和歌山県内のバスの状況(平成19年3月31日現在) (PDF, 和歌山県企画部地域振興局総合交通政策課)
  18. ^ 南海バス本体でも2011年に南海バス分社10周年を記念して一部で緑塗装を復活させている。

外部リンク[編集]