半クラウン銀貨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

半クラウン銀貨(はんクラウンぎんか、half crown)とは、イギリスの旧通貨制度における、2シリング6ペンスに相当する銀貨の名称である。

仕様[編集]

直径32mm、重量14.1380g、銀純度92.5%スターリングシルバー

歴史[編集]

オリバークロムウェルを描いた半クラウン銀貨。1656年と58年に発行

イギリスが現在のような十進法の通貨制度を取り入れる1971年まで、クラウン銀貨と共に流通していたこの銀貨は、1551年、エドワード6世の時代にクラウン銀貨と共に初めて発行された。クラウンと言う貨幣単位はそれ以前にも存在したがその時代は金貨として発行された。1526年、ヘンリー8世の改鋳により登場したクラウン・オブ・ダブルローズ金貨が5シリングとされたのに端を発する。

発行当初のコインはクラウン銀貨同様にハンマーコインであり、現在のような本格的な鋳造コインとしては、1656年発行のオリバー・クロムウェルの肖像を描いたものが最初とされている。 以後歴代の君主が刻まれ、1970年まで発行された。1920年にイギリス銀貨はその品位が、.925から.500に引き下げられたため、ジョージ5世の1920年以降に発行されたものとジョージ6世の半クラウン銀貨はスターリングシルバーではない。 また、1947年以降は白銅貨となった。

種類[編集]

ジョージ3世の半クラウン銀貨。1816年発行
ジョージ4世の半クラウン銀貨。1821年発行

先に述べたとおり、半クラウン銀貨の歴史は1551年に遡るが、英国が金本位制を採用した1816年以降に鋳造、発行された半クラウン硬貨には次の各種類がある。

ジョージ3世の肖像
  • 1816~1817年銘 表:大型胸像 裏:王冠、ガーター勲章、紋章を描いた盾
  • 1817~1820年銘 表:小型頭像 裏:王冠、ガーター勲章、紋章を描いた盾
ジョージ4世の肖像
  • 1820~1823年銘 表:月桂冠を戴く頭像 裏:王冠を戴く紋章を描いた盾、モチーフの植物
  • 1823~1824年銘 表:月桂冠を戴く頭像 裏:王冠、ガーター勲章、紋章を描いた盾
  • 1824~1829年銘 表:月桂冠の無い頭像 裏:王冠を戴く紋章を描いた盾
ウィリアム4世の肖像
  • 1831~1837年銘 表:月桂冠の無い頭像 裏:マントに包まれた紋章を描く盾
ヴィクトリア女王の肖像
  • 1839~1864年銘 表:ヤングヘッド 裏:花環と紋章を描いた盾
  • 1874~1887年銘 表:ヤングヘッド(図案変更) 裏:花環と紋章を描いた盾
  • 1887~1892年銘 表:ジュビリーヘッド 裏:王冠、ガーター勲章、紋章を描いた盾
  • 1893~1901年銘 表:オールドヘッド 裏:王冠、ガーター勲章、紋章を描いた盾
エドワード7世の肖像
  • 1902~1910年銘 表:月桂冠の無い頭像 裏:王冠を戴く紋章を描いた盾
ジョージ5世の肖像
  • 1910~1919年銘 裏:月桂冠の無い頭像 裏:王冠を戴く紋章を描いた盾
  • 1920~1927年銘 1910~1919年タイプと同様。但し厳密には3種類に分類できる。またこれ以後の銀貨は品位が.500に引き下げられた。
  • 1927~1936年銘 裏:月桂冠の無い頭像 裏:紋章を描いた盾
エドワード8世の肖像
エドワード8世の肖像のコインは流通用としては発行されなかった。
ジョージ6世の肖像
  • 1937~1946年銘 裏:月桂冠の無い頭像 裏:紋章を描いた盾
  • 1947~1948年銘 1937~1946年銘タイプと同様。白銅貨
  • 1949~1952年銘 1947~1948年銘タイプと同様。但し銘字より IND IMPが削除される。白銅貨
エリザベス2世女王の肖像(全て白銅貨)
  • 1953年銘 裏:月桂冠を戴く胸像 裏:王冠を戴く紋章を描いた盾
  • 1954~1970年銘 1953年銘タイプと同様。但し銘字より BRITT OMNが削除される。

英連邦の半クラウン銀貨[編集]

イギリス本国以外の英連邦や植民地でも、本国と同じ通貨制度を採用していた国では、半クラウン銀貨が発行されていた。

備考[編集]

クラウン銀貨の図案はセントジョージが竜を退治している図案が代表的な図案であったが、半クラウン銀貨においては、一貫して紋章を描いた盾の図案が採用されていた。

関連項目[編集]