北総鉄道7500形電車

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京成3000形電車 (2代) > 北総鉄道7500形電車・千葉ニュータウン鉄道9200形電車
北総鉄道7500形電車
千葉ニュータウン鉄道9200形電車
北総鉄道7500形電車
(2021年7月 四ツ木駅)
基本情報
運用者 北総鉄道
製造所 東急車輛製造日本車輌製造
製造年 2006年 - 2007年(7500形)
2013年(9200形)
製造数 3編成24両(7500形)
1編成8両(9200形)
運用開始 2006年2月20日
主要諸元
編成 8両編成
軌間 1,435
電気方式 直流1,500 V(架空電車線方式
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 130 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 1,042(座席398)人
車両定員 先頭車122(座席43)人
中間車133(座席52)人
車両重量 27.0 - 33.0 t
編成重量 248.0 t
全長 18,000
全幅 2,768
全高 4,050
台車 モノリンク式ボルスタ付台車
FS-564S・FS-064S
主電動機 かご形三相誘導電動機
主電動機出力 125 kW
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
WN駆動方式
歯車比 85:14(=6.07)
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ純電気ブレーキ
保安装置 1号型ATSC-ATS
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北総鉄道7500形電車(ほくそうてつどう7500がたでんしゃ)は、2006年平成18年)2月20日に営業運転を開始した[1]北総鉄道通勤形電車

本項では、2013年(平成25年)3月1日に営業運転を開始した、千葉ニュータウン鉄道が保有し、北総鉄道が管理する9200形電車(9200がたでんしゃ)についても紹介する[2][3]

概要[編集]

北総鉄道7500形[編集]

北総鉄道7500形は老朽化が進行した7000形を置き換える目的で製造された。北総鉄道の親会社である京成電鉄が保有する3000形(2代)に準じた、日本車輌製造が開発したステンレス鋼ブロック構体を用いた18m級3扉構造の「京成グループ標準車体」を採用し[1]、主要機器や内装についても京成3000形(2代)と同一仕様とした[1]。なお、京成本体を除いた京成グループ内での採用は新京成電鉄N800形(2005年)に続き2例目。

外装はステンレスの地色を生かした無塗装仕様とし、北総鉄道のイメージカラーである「北総ブルー」と「北総ライトブルー」のラインを配している[1]。また、両先頭車側面の帯には航空機ウイングをイメージしたスリットデザインを配する[1]が、これは北総鉄道と線路を共同使用する京成成田空港線(成田スカイアクセス)の開業により、同線と共用することとなった北総線東京国際空港羽田空港第1・第2ターミナル駅羽田空港第3ターミナル駅)と成田国際空港空港第2ビル駅成田空港駅)の双方を結ぶという意味が込められている。また、前面および側面の各部には日本車輌製造がデザインを担当した「HOK'SO」ロゴが貼付された。

車内はロングシート仕様で、片持ち式座席・座席間に設置されたスタンションポール・座席端部の大型袖仕切り・客用扉付近床部の黄色着色などの仕様は京成3000形(2代)に準じている。 2019年度より、全編成の車内案内表示装置が、京成3000形の一部編成に導入されている17インチLCDへと変更された他、車内への防犯カメラの設置が行われた。

北総7500形は2005年(平成17年)度に8両編成2本(16両)が製造され、2006年(平成18年)度は8両編成1本(8両)を導入、計24両が在籍する。

千葉ニュータウン鉄道9200形[編集]

千葉ニュータウン鉄道が保有している9200形は、老朽化が進行した同社保有の9000形を置き換える目的で、2013年(平成25年)度に8両編成1本(8両)が日本車輌製造で製造され、2013年(平成25年)3月1日に営業運用を開始した[2][3]

北総7500形との差異は、ラインカラーが9100形と同色の水色と黄色となっているほか、当初より行き先表示器にフルカラーLEDを用いている点、客用扉上部に設置される車内案内表示器をLED表示パネル式から京成3050形と同様の15インチ液晶ディスプレイ式に変更し、客用扉内側の開口部先端に黄色の縦帯を配しバリアフリーを強化した点が挙げられる。ただし、現在では、7500形の行き先表示・車内が9200形と同等に更新されているので、このような差異はなくなっている。なお、9000形や9100形などと異なり、外観に「北総鉄道」の表示は入っておらず、「K'SEI GROUP」ロゴのみが入っている。

また、当形式には京成3050形と同様の自動放送装置が装備され、車掌のボタン操作によりマナー啓発放送(優先席案内など)を流すことができる。

主要機器[編集]

東洋電機製造製のIGBT素子によるVVVFインバータ制御を採用し、集電装置はシングルアーム式パンタグラフとした。

制動装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキを採用し、京成3000形(2代)の4次車以降において実装された純電気ブレーキ機能を備える。

その他、北総鉄道が保有する車両としては初の集中式冷房装置を採用した。なお、千葉ニュータウン鉄道の所有車両では、9000形ですでに採用されている。

編成[編集]

編成は京成3000形(2代)と同様に、京浜急行電鉄の車両規定のため、電動車(M)を先頭に配したMT比6M2Tの8両編成で、M1車には主回路機器(VVVFインバータ制御装置)を、M2C車には電動空気圧縮機蓄電池(中間M2車にも搭載)等を、付随車(T)には補助電源装置を搭載する[1]。また羽田空港寄り3両目の-6は弱冷房車としている。9200番台は千葉ニュータウン鉄道所有であることを示す。

編成表
 
 
形式 (8)
7500形
9200形
M2C
< (7) >
7500形
9200形
M1
(6) 弱冷
7500形
9200形
T
(5) >
7500形
9200形
M1'
(4)
7500形
9200形
M2
(3)
7500形
9200形
T
< (2) >
7500形
9200形
M1
(1)
7500形
9200形
M2C
製造 竣工時期
機器配置 CP VVVF SIV VVVF CP SIV VVVF CP
車両番号 7501-8 7501-7 7501-6 7501-5 7501-4 7501-3 7501-2 7501-1 東急車輛 2006年2月
7502-8 7502-7 7502-6 7502-5 7502-4 7502-3 7502-2 7502-1 日本車輌 2006年3月
7503-8 7503-7 7503-6 7503-5 7503-4 7503-3 7503-2 7503-1 日本車輌 2007年3月
9201-8 9201-7 9201-6 9201-5 9201-4 9201-3 9201-2 9201-1 日本車輌[4] 2013年2月
凡例
  • VVVF - 主制御器(1C4M×2群)
  • SIV - 補助電源装置(静止型インバータ)
  • CP - 空気圧縮機

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f 日本鉄道運転協会 『運転協会誌』 2006年6月号 新型車両プロフィールガイド「北総鉄道7500形車両の概要」記事参照。
  2. ^ a b ネコ・パブリッシング 『レイルマガジン』 2013年5月号 「千葉ニュータウン鉄道9200形」記事。
  3. ^ a b 交友社『鉄道ファン』 2013年6月号 「千葉ニュータウン鉄道9200形」記事。
  4. ^ 交通新聞社「私鉄車両編成表2013」記事。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]