十日草輔

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十日 草輔
生誕 1975年(48 - 49歳)
職業 漫画家
活動期間 2017年 -
代表作王様ランキング[1]
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十日 草輔(とおか そうすけ、1975年[2] - )は、日本漫画家

来歴[編集]

サラリーマンを経験[編集]

もともとは少年誌しか読まなかったというが、20歳のころに漫画家を目指した際には、手当たり次第に漫画を読んだ[3]。しかし、その「作品から受けた影響を自分のマンガに生かせなかった」という[3]

23歳で漫画家を目指す[4]。漫画を投稿するが、「箸にも棒にもかからず」にやめる[3]。しかし絵を続けるために絵本を描いたところ、大賞を取り、本を出版するも、出版社が倒産する[3]。20代のころに子供の時からの夢であった漫画家になることを挫折し、サラリーマンとして働く[5][6]。それまでの作品は「独りよがりなもの」であったが、サラリーマンを経験したことにより漫画を描く上で大事なことを学んだという[5]。サラリーマン時代はWebの仕事をし、コーダーやデザイナー、Webマーケティングを経験[3]。ブラック企業もホワイト企業も経験する[3]

脱サラから漫画家になるまで[編集]

「また絵本を描いてみよう」と考えた十日は、ワコムのペンタブレットを購入[3]。「普通に鉛筆で描くのと変わらない」と感じた十日は、「可能性を感じ」、働きながら「絵でやっていきたい」と考えるようになった[3]。家族がいないこともあり[3]、2016年10月に脱サラをし、2017年1月に漫画を描き始める[2]。十日は会社を辞めた当初は絵本を描こうと考えていたが、絵本は募集が少なく、ほかの投稿者の年齢が若いと知る[3]。絵本は敷居が高いと考えていたところ、Web漫画を知り、Webなら「いろんな人に読んでもらえるのがいい」と考える[3]

絵本をやめた後、漫画を執筆する際に「一番売れているマンガを読んでみよう」と考えた[3]。漫画家を挫折して以来漫画を読んでいなかった十日は、尾田栄一郎の『ONE PIECE』を読み、「めちゃくちゃ面白い」と考え、それがきっかけとなり、『王様ランキング』というタイトルの由来になった[3]。漫画を読むことから遠ざかる前、もともとは『週刊少年ジャンプ』(集英社)の漫画が好きで、特に『キン肉マン』や『ドラゴンボール』を好きな作品として挙げている[3]。一番影響を受けた漫画家は、鳥山明である[3]。年月が経ち、過去に読んだ漫画の影響が、「やっと出始めているような気が」すると十日は語っている[3]

『王様ランキング』の連載開始[編集]

2017年からWeb漫画投稿サイト「マンガハック」で『王様ランキング』の連載を開始[2]。副業をせずに漫画家のみで活動をしている[3]。連載開始時のペンネームは「goriemon」で[2]、ニコニコ静画では「aaa」、十日のホームページでは「とかただ」名義を使用していた[3]。本名を姓名判断したところ、「すごく悪かった」といい、ペンネームを一生懸命考えていたためである[3]。「goriemon」で有名になったが、名前を変更したのは「縦書きにしにくい」からである[3]。漫画やアニメを親から禁止されて育ってきたため、漫画の執筆について、親には内緒にしている[3]

2018年、同作がTwitterで話題となり、トレンド入りを果たす[7]。「次にくるマンガ大賞 2018」のWebマンガ部門にもノミネートされた[7]

初連載である同作は、2019年に単行本がKADOKAWAのビームコミックスレーベルから発売されており[8][9]WIT STUDIOによりアニメ化されている[10]。同作は「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2019」で6位を獲得[11]

2019年4月18日からWebメディア「マトグロッソ」(イースト・プレス)にて、エッセイ『脱サラ41歳のマンガ家再挑戦-王様ランキングがバズるまで』を連載開始[12]

作風[編集]

「キャラクターに親しみを持たせ」、「感情移入しやすくなる」ような「線の少ないシンプルな絵柄」を持ち味としている[5]。『王様ランキング』では、愛らしい絵柄で、「極端に視覚的な作風」で「セリフが少ないのも大きな特徴」[4][5]。「絵本調」な作画であるが、「大人に染みる」内容となっている[13]

人物[編集]

テレビゲームで執筆の息抜きをしている[14]。十日はRPGの「喋らない主人公キャラ」に強く感情移入したといい、「主人公になり切り、その世界にどっぷりはまって現実から逃避」して遊んでいることが、『王様ランキング』のボッジ王子にも影響しているかもしれないと語っている[5]

おしゃべりな性格である[5]

作品リスト[編集]

漫画作品[編集]

  • 王様ランキング(『マンガハック』2017年5月20日 - 連載中、既刊18巻)
  • 脱サラ41歳のマンガ家再挑戦-王様ランキングがバズるまで(『マトグロッソ』2019年4月18日[12] - 、全1巻[1]

その他[編集]

  • 世界を変えるキャッチコピー大賞 神仏アート(2021年2月[15]

脚注[編集]

  1. ^ a b “「王様ランキングがバズるまで」41歳で脱サラ、十日草輔のデビュー前日譚”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年7月14日). https://natalie.mu/comic/news/387611 2021年9月21日閲覧。 
  2. ^ a b c d 十日 草輔(漫画家)”. マンガペディア. 2021年9月21日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 遠回りが実ったマンガ家への道「王様ランキング」十日草輔(goriemon)インタビュー”. マンバ. マンバ (2018年9月19日). 2021年9月21日閲覧。
  4. ^ a b 41歳で脱サラし、漫画家を目指した男の夢が叶うまで。SNSドリームがここに”. ダ・ヴィンチニュース. KADOKAWA (2020年8月12日). 2021年9月21日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 『王様ランキング』十日草輔先生インタビュー!作品の魅力と今後の展開を考察!”. ふくまる. 凸版印刷 (2021年2月8日). 2021年9月21日閲覧。
  6. ^ 『脱サラ41歳のマンガ家再挑戦-王様ランキングがバズるまで』お知らせ”. マトグロッソ. イースト・プレス. 2022年1月6日閲覧。
  7. ^ a b “Twitterで話題の「王様ランキング」、ファンアート投稿イベント開催”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年9月14日). https://natalie.mu/comic/news/299729 2021年9月21日閲覧。 
  8. ^ “「王様ランキング」1・2巻発売!非力な王子と小さな友達の勇気あふれる冒険譚”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年2月12日). https://natalie.mu/comic/news/319653 2021年9月21日閲覧。 
  9. ^ 「王様ランキング1 」十日 草輔 ビームコミックス”. KADOKAWA. 2021年9月21日閲覧。
  10. ^ “アニメ「王様ランキング」2021年10月にノイタミナで放送開始、制作はWIT STUDIO”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年11月5日). https://natalie.mu/comic/news/403623 2021年9月21日閲覧。 
  11. ^ “「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞 2019」受賞作品 TOP10が決定!”. PR TIMES (PR TIMES). (2019年7月18日). https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000852.000018760.html 2021年9月21日閲覧。 
  12. ^ a b “「王様ランキングがバズるまで」描く、十日草輔のエッセイマンガが連載決定”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年4月12日). https://natalie.mu/comic/news/327651 2021年9月21日閲覧。 
  13. ^ “「本当の強さ」とは何か 「王様ランキング」十日草輔著/KADOKAWA”. 産経新聞 (産業経済新聞社). (2019年11月16日). https://www.sankei.com/article/20191116-PHANXZS6FJJUVICR5PQZ65BXEU/ 2021年9月21日閲覧。 
  14. ^ “「王様ランキング」特集 十日草輔インタビュー”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年3月14日). https://natalie.mu/comic/pp/osamaranking 2021年9月21日閲覧。 
  15. ^ “石川雅之や五十嵐大介、マキヒロチらマンガ家・イラストレーターが17の神仏アート描く”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年2月12日). https://natalie.mu/comic/news/416161 2021年9月21日閲覧。 

外部リンク[編集]