十六善神

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
谷文晁筆『十六善神の図』
絹本著色 文化3年
龍蔵寺(福島県白河市年貢町)蔵

十六善神(じゅうろくぜんしん)とは四天王と十二神将と合わせた合計十六名の般若経を守る夜叉神とされる護法善神のことである。般若十六善神、釈迦十六善神、釈迦三尊十六善神とも言う。絵には四天王と十二神将のみではなく正面に玄奘三蔵と深沙大将が左右対称で登場する場合もある[1]。もちろん他の神も登場する[2]。法湧菩薩・常啼菩薩(両者とも般若経に縁が深い)などが加わる場合もある。ゆえに十六善神図は十六の神のみが絵に登場するとは限らない[3]。なお、十六善神図は日本全国様々な場所で作成された。

海苔の産地として知られる島根県出雲市(旧・平田市)にある十六島(うっぷるい)は、諸本に「旀豆椎」「許豆埼」「於豆振」など表記の異同があり訓みも「うづふるい」ほか諸説あり定まらない。現在の表記は、海から十六善神がこの知で護摩を焚いて大般若経をもたらし、自らの神名を以て「十六島」としたとの伝説による(『雲陽誌』[4][5]

脚注[編集]

  1. ^ 絵の下方に登場する。左右のどちらかに2名が登場するのかは絵によってバラバラである。
  2. ^ たとえば西大寺所蔵「釈迦三尊十六善神図」の場合は十六善神のほかに梵天帝釈天阿難迦葉二王が登場する。さらに玄奘三蔵・深沙大将が登場する。
  3. ^ 右の図は釈迦如来が中央に登場するが、釈迦如来は一六善神にはカウントしない。なお中央に釈迦如来が来る十六善神図は極めてポピュラーである。
  4. ^ 大日本地誌大系27巻 『雲陽誌』巻9、p.279。
  5. ^ 角川地名大辞典。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 林温「東京国立博物館保管・十六善神画像について」東京国立博物館研究誌 (433)、 1987、p19-34.