医薬品の薬効分類

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医薬品の薬効分類(いやくひんのやっこうぶんるい)

医薬品はその使用目的により以下の薬効に分類される。一つの薬剤で複数の薬効に分類されるものもある。なお、薬効名の前に付けた番号は、日本標準商品分類番号のうちの薬効分類である。

標榜薬効[編集]

薬効は日本標準商品分類番号に従って分類されているものである[1]。医薬品の添付文書の上部に記載されているものは、標榜薬効と呼ばれる[2]。薬効分類として同じ分類だが、この標榜の部分には自由度が許容されており、同じ成分であっても一定した表現にはなっていない[3]

神経系及び感覚器官用医薬品[編集]

中枢神経用薬[編集]

  • 111全身麻酔
  • 112催眠鎮静剤、抗不安薬
  • 113抗てんかん
  • 114解熱鎮痛消炎剤
  • 115興奮剤、覚せい剤
  • 116抗パーキンソン剤
  • 117精神神経用剤
  • 118総合感冒剤
  • 119その他の中枢神経用剤
  • 190その他の神経系及び感覚器官用医薬品

末梢神経系用剤[編集]

  • 121局所麻酔剤
  • 122骨格筋弛緩剤
  • 123自律神経剤
  • 124鎮けい剤
  • 125発汗剤、止汗剤
  • 129その他の末梢神経用剤

感覚器官用薬[編集]

  • 131眼科用剤
  • 132耳鼻科用剤
  • 133鎮暈剤
  • 139その他の感覚器官用薬

個々の器官系用医薬品[編集]

循環器官用剤[編集]

  • 211強心剤
  • 212不整脈用剤
  • 213利尿剤
  • 214血圧降下剤
  • 215血管補強剤
  • 216血管収縮剤
  • 217血管拡張剤
  • 218高脂血症用剤
  • 219その他の循環器官用剤

呼吸器官用薬[編集]

  • 221呼吸促進剤
  • 222鎮咳剤
  • 223去たん剤
  • 224鎮咳去たん剤
  • 225気管支拡張剤
  • 226含嗽剤
  • 229その他の呼吸器官用剤

消化器官用薬[編集]

  • 231止しゃ剤、整腸剤]
  • 232消化性潰瘍用剤
  • 233健胃消化剤
  • 234制酸剤
  • 235下剤、浣腸剤
  • 236利胆剤
  • 237複合胃腸剤
  • 239その他の消化器官用薬

ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)[編集]

  • 241脳下垂体ホルモン製剤
  • 242唾液腺ホルモン剤
  • 243甲状腺、副甲状腺ホルモン剤
  • 244タンパク同化ステロイド剤
  • 245副腎ホルモン剤
  • 246男性ホルモン
  • 247卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤
  • 248混合ホルモン剤
  • 249その他のホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)

泌尿生殖器官及び肛門用薬[編集]

  • 251泌尿器官用剤
  • 252生殖器官用剤(性病予防剤を含む)
  • 253子宮収縮剤
  • 254避妊剤
  • 255痔疾用剤
  • 259その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬

外皮用薬[編集]

  • 261外皮用殺菌消毒剤
  • 262創傷保護剤
  • 263化膿性疾患用剤
  • 264鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤
  • 265寄生性皮膚疾患用剤
  • 266皮ふ軟化剤(腐しょく剤を含む。)
  • 267毛髪用剤(発毛剤、脱毛剤、染毛剤、養毛剤)
  • 268浴剤
  • 269その他の外皮用薬

歯科口腔用薬[編集]

  • 271歯科用局所麻酔剤
  • 272歯髄失活剤
  • 273歯科用鎮痛鎮静剤(根管及び齲窩消毒剤を含む)
  • 274歯髄乾屍剤(根管充填剤を含む)
  • 275歯髄覆罩剤
  • 276歯科用抗生物質製剤
  • 279その他の歯科口腔用剤

その他の個々の器官系用医薬品[編集]

  • 290その他の個々の器官系用医薬品

代謝性医薬品[編集]

ビタミン剤[編集]

滋養強壮薬[編集]

  • 321カルシウム
  • 322無機質製剤
  • 323糖類剤
  • 324有機酸製剤
  • 325タンパクアミノ酸製剤
  • 326臓器製剤
  • 327乳幼児用剤
  • 329その他の滋養強壮剤

血液・体液用薬[編集]

  • 331血液代用剤
  • 332止血剤
  • 333血液凝固阻止剤
  • 339その他の血液・体液用薬

人工透析用薬[編集]

  • 341人工腎臓透析用剤
  • 342腹膜透析用剤
  • 349その他の人工透析用剤

その他の代謝性医薬品[編集]

  • 391肝臓疾患用剤
  • 392解毒剤
  • 393習慣性中毒用剤
  • 394痛風治療剤
  • 395酵素製剤
  • 396糖尿病用剤
  • 397総合代謝性製剤
  • 399他に分類されないその他の代謝性医薬品

組織細胞機能用医薬品[編集]

細胞賦活用薬[編集]

腫瘍用薬[編集]

  • 421アルキル化剤
  • 422代謝拮抗剤
  • 423抗腫瘍性抗生物質製剤
  • 424抗腫瘍性植物成分製剤
  • 429その他の腫瘍用剤

放射性医薬品[編集]

アレルギー用薬[編集]

  • 441抗ヒスタミン剤
  • 442刺激療法剤
  • 443非特異性免疫原製剤
  • 449その他のアレルギー用剤

生薬及び漢方処方に基づく医薬品[編集]

生薬[編集]

  • 510生薬

漢方製剤[編集]

  • 520漢方製剤

その他の生薬及び漢方処方に基づく医薬品[編集]

  • 590その他の生薬及び漢方処方に基づく医薬品

病原生物に対する医薬品[編集]

抗生物質製剤[編集]

  • 611主としてグラム陽性菌に作用するもの
  • 612主としてグラム陰性菌に作用するもの
  • 613主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
  • 614主としてグラム陽性菌、マイコプラズマに作用するもの
  • 615主としてグラム陽性・陰性菌、リケッチアクラミジアに作用するもの
  • 616主として抗酸菌に作用するもの
  • 617主としてカビに作用するもの
  • 619その他の抗生物質製剤(複合抗生物質製剤を含む)

化学療法剤[編集]

  • 621サルファ剤
  • 622抗結核
  • 623抗ハンセン病
  • 624合成抗菌剤
  • 625抗ウイルス剤
  • 629その他の化学療法剤

生物学的製剤[編集]

  • 631ワクチン
  • 632毒素及びトキソイド類
  • 633抗毒素及びレプトスピラ血清類
  • 634血液製剤
  • 635生物学的試験用製剤類
  • 636混合生物学的製剤
  • 639その他の生物学的製剤

寄生動物用薬[編集]

  • 641抗原虫剤
  • 642駆虫剤
  • 649その他の寄生動物に対する薬

治療を主目的としない医薬品[編集]

調剤用薬[編集]

  • 711賦形剤
  • 712軟膏基剤
  • 713溶解剤
  • 714矯味、矯臭、着色剤
  • 715乳化剤
  • 719その他の調剤用薬

診断用薬(体外診断用医薬品を除く)[編集]

  • 721X線造影剤
  • 722機能検査用試薬
  • 729その他の診断用薬(体外診断用医薬品を除く)

公衆衛生用薬[編集]

  • 731防腐剤
  • 732防疫用殺菌消毒剤
  • 733防虫剤
  • 734殺虫剤
  • 735殺そ剤
  • 739その他の公衆衛生用薬

体外診断用医薬品[編集]

  • 741一般検査用試薬
  • 742血液検査用試薬
  • 743生化学的検査用試薬
  • 744免疫血清学的検査用試薬
  • 745細菌学的検査用薬
  • 746病理組織検査用薬
  • 747体外診断用放射性医薬品
  • 749その他の体外診断用医薬品

その他の治療を主目的としない医薬品[編集]

  • 791絆創膏
  • 799他に分類されない治療を主目的としない医薬品

麻薬[編集]

アルカロイド系麻薬(天然麻薬)[編集]

  • 811アヘンアルカロイド系麻薬
  • 812コカアルカロイド系製剤
  • 819その他のアルカロイド系麻薬(天然麻薬)

非アルカロイド系麻薬[編集]

  • 821合成麻薬

脚注[編集]

  1. ^ 中分類87医薬品及び関連製品 第五回改定(pdf)(総務省)
  2. ^ 薬事日報社『最近の新薬2009』(2009年版)薬事日報社、2009年、ii頁。ISBN 978-4-8408-1083-8 
  3. ^ 第16回保健医療情報標準化会議議事録. 経済産業省別館8階825会議室: 厚生労働省. 17 October 2010.

関連項目[編集]