北越紀州製紙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
北越紀州製紙株式会社
Hokuetsu Kishu Paper Co., Ltd.
Hokuetsu Kishu Paper Logo.svg
種類 株式会社
市場情報
東証1部 3865
大証1部(廃止) 3865 2010年7月1日上場廃止
本社所在地 日本の旗 日本
103-0021
東京都中央区日本橋本石町3-2-2
本店所在地 940-0027
新潟県長岡市西蔵王3-5-1
設立 1907年明治40年)5月9日
業種 パルプ・紙
事業内容 パルプ(洋紙・白板紙)の製造販売
代表者 代表取締役社長 岸本晢夫
資本金 420億2094万円
売上高 連結 2,284億円
単独 1,898億円
2015年3月期)
純資産 連結 1,685億円
単独 1,329億円
(2015年3月31日現在)
総資産 連結 3,510億円
単独 2,850億円
(2015年3月31日現在)
従業員数 連結 4,394名、単独 1,508名
(2015年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 三菱商事 17.50%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 7.43%
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 3.63%
北越紀州持株会 2.32%
損害保険ジャパン日本興亜 2.15%
(2015年3月31日現在)
主要子会社 北越紀州販売株式会社
ビーエフ&パッケージ株式会社
関係する人物 三輪正明(前社長)
外部リンク www.hokuetsu-kishu.jp
テンプレートを表示

北越紀州製紙株式会社(ほくえつきしゅうせいし、: Hokuetsu Kishu Paper Co., Ltd.)は、日本第6位の製紙会社である。製品は洋紙コート紙・印刷用紙など)、白板紙特殊紙など。製紙業界の中でも、生産効率の高い会社といわれている。

主要事業所[編集]

沿革[編集]

  • 1907年明治40年)5月9日 - 越後平野からもたらされる稲藁を原料とする黄ボールの生産を目的として、新潟県長岡市に北越製紙株式会社を設立。
  • 1908年(明治41年)10月 - 長岡工場操業開始。
  • 1917年大正6年)2月 - 北越板紙株式会社を買収、新潟工場とする。
  • 1920年(大正9年)12月 - 市川工場操業、上質紙の生産を開始。
  • 1936年昭和11年)10月10日 - 石炭自給のため、樺太庁泊居支庁三浜村大字小田洲に関連会社として小田洲炭鉱株式会社を設立[1]
  • 1942年(昭和17年)3月 - 新潟県北蒲原郡赤谷村(現新発田市)の赤谷炭鉱を買収、同社赤谷鉱業所を開設[1]
  • 1943年(昭和18年)6月 - 定時株主総会において小田洲炭鉱株式会社の合併を決議、同社小田洲鉱業所とする(その後1944年3月末を以て閉鎖)[1]
  • 1949年(昭和24年)5月16日 - 東証1部に株式上場。
  • 1951年(昭和26年)5月20日 - 炭層枯渇のため赤谷鉱業所を閉鎖[1]
  • 1958年(昭和33年) - 本社を東京都中央区に移転(但し、登記上の本店は現在も新潟県長岡市である)。
  • 1964年(昭和39年)6月 - 新潟地震で被災、甚大な被害を受ける。
  • 1969年(昭和44年)5月 - 総武本線市川駅から市川工場へ引き込まれた専用側線を廃止[1]
  • 1971年(昭和46年)10月 - 勝田工場操業開始。
  • 1984年(昭和59年)12月 - 信越本線北長岡駅から長岡工場へ引き込まれた専用側線を廃止[1]
  • 1986年(昭和61年)8月 - 新潟工場に6号抄紙機を新設。
  • 2000年平成12年)4月 - 市川工場と勝田工場を統合し、関東工場とする。
  • 2000年(平成12年)7月11日 - 三菱製紙株式会社と5年間の業務・資本提携を締結。
  • 2005年(平成17年)7月1日 - 三菱製紙株式会社との提携期間が満了し、業務提携を解消。
  • 2006年(平成18年)5月 - 550億円を投じ新潟工場にコート紙生産設備を増設し、2008年末から稼動予定であることを発表[2]
  • 2008年(平成20年)7月3日 - 新潟工場の新生産施設、9号抄紙機からの製品輸送用にコンテナ専用線を開設し、使用開始式を実施[3]
  • 2009年(平成21年)10月1日 - 紀州製紙を完全子会社化。社名を北越紀州製紙株式会社に変更。
  • 2010年(平成22年)7月1日 - 大阪証券取引所上場廃止。
  • 2011年(平成23年)4月1日 - 紀州製紙を吸収合併。
  • 2011年(平成23年)9月27日 - バルカナイズドファイバーを製造する東洋ファイバー株式会社(静岡県沼津市)と株式交換を実施し完全子会社化することを発表[4]
  • 2012年(平成24年)8月15日 - 大王製紙の創業家から同社及び関連会社の株式の譲渡を受け、大王製紙の19.6%(総株主の議決権の数に対する割合は22.2%)を保有する筆頭株主となった。これにより、大王製紙は北越紀州製紙の持分法適用関連会社となる[5]
  • 2012年(平成24年)10月4日 - 鉛蓄電池用セパレータ、及び空気清浄用フィルターを製造販売する、FINANCIERE BERNARD DUMAS S.A.S(フランスドルドーニュ県クレッス)の全株式を9月14日付で取得したことを発表[6]
  • 2013年(平成25年)3月16日 - 紀勢本線鵜殿駅から紀州工場へ引き込まれた専用線を休止。
  • 2014年(平成26年)8月25日 - 両社の販売子会社である三菱製紙販売株式会社と北越紀州販売株式会社の合併検討を開始する旨の基本合意書を、三菱製紙株式会社と締結したと発表[7]
  • 2014年(平成26年)11月11日 - 中国広東省江門市新会区において建設を進めていた白板紙工場の竣工式を実施[8]
  • 2015年(平成27年)4月1日 - 2014年8月の上記基本合意書を、三菱製紙株式会社が一方的に解除したと発表[9]
  • 2015年(平成27年)10月22日 - 単一工場としては北米最大の市販パルプ工場を持つパルプ製造会社、Alpac Forest Products Inc.(カナダアルバータ州ボイル市)の全株式、及びその販売会社の全株式を取得し完全子会社化したと発表[10]

技術の北越[編集]

オンマシンコート[編集]

製紙業界ではコート紙を作る工程として、コート原紙を作る抄紙機と紙の表面に塗工するコーターを別々のラインで操業することが常識となっていた。

北越製紙は2つのラインを1つにすることで生産効率を上げるため、コーターを抄紙機のラインに組み込みコート紙を1パスで生産するシステムを6号機に導入した。当時、業界は冷ややかな目でシステム導入を見ていたが、これ以降製紙メーカー各社はコート紙の新マシンを導入する際には、オンマシンコートの技術を採用している。

エアフィルター[編集]

製紙業で培った技術を応用し、ガラス繊維をシート化したエアフィルタの開発・生産も行っている[11]。 同社のエアフィルタに関する技術は世界屈指のレベルであり、アジアにおける半導体・液晶・記憶媒体(HDDフラッシュメモリなど)工場のクリーンルームで使用されているエアフィルター原料のほとんどを同社が供給している。

関係会社[編集]

連結子会社[編集]

  • 北越紀州販売株式会社
  • ビーエフ&パッケージ株式会社
  • 北越エンジニアリング株式会社
  • 北越トレイディング株式会社
  • 北越紙精選株式会社
  • 勝田紙精選株式会社
  • 北越物流株式会社
  • 北越水運株式会社
  • 株式会社テクノ北越
  • 株式会社京葉資源センター
  • 株式会社北越フォレスト
  • 北越協立株式会社
  • 北越東洋ファイバー株式会社
  • 紀南産業株式会社
  • 紀州紙精選株式会社
  • 紀州造林株式会社
  • 紀州興発株式会社
  • MC北越エネルギーサービス株式会社
  • Alpac Forest Products Inc.
  • Alpac Pulp Sales Inc.
  • 星輝投資控股有限公司
  • 江門星輝造紙有限公司
  • Bernard Dumas S.A.S.
  • 東拓(上海)電材有限公司

持分法適用関連会社[編集]

  • 株式会社ニッカン
  • 株式会社スタッフサイトウ
  • 株式会社荒海チップ
  • 株式会社新潟ピーシーシー
  • 株式会社新潟ジーシーシー
  • 大王製紙株式会社

王子製紙による経営統合提案問題[編集]

王子製紙が北越製紙に対して経営統合を提案したうえで敵対的買収を試みるも、ホワイトナイトとして三菱商事及び日本製紙が登場し、失敗に終わった。王子製紙は、秘密裏に株式を買い集めて突如としてTOBを仕掛けるのではなく、まずは経営統合案を提示して友好的な買収を志向するという、「和洋折衷」的な手法を採ったものの、そのために、結果としては、北越製紙の経営陣に反撃の機会を与えることとなったと言われている。

経緯[編集]

  • 2006年
    • 3月 王子製紙、北越製紙に対し経営統合に向けた協議を打診し、意見交換を開始
    • 7月3日 - 王子製紙が株式の100%取得による経営統合案を提示。
    • 7月19日 - 株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の導入を取締役会にて決議。
    • 7月21日 - 三菱商事と第三者割当増資による資本・業務提携(8月7日に三菱商事が607円/株にて50百万株(24.44%)の株式取得)。
    • 7月23日 - 王子製紙が三菱商事との資本・業務提携解消を条件に50.1%の株式取得を目指しTOBを実施すると発表(860円/株)。
    • 8月2日 - 王子製紙がTOBを実施すると発表(800円/株 ただし、三菱商事への第三者割当増資及び業務提携を撤回した場合860円/株にするとしている)。
    • 8月3日 - TOB成立を阻止するため、日本製紙が北越製紙株約8%を取得と発表。
    • 8月7日 - 三菱商事による第三者割当による新株式発行の払込完了。三菱商事の持分法適用会社となる。
    • 8月8日 - 日本製紙による北越製紙の株式取得が完了する(議決権比率8.85%)。
    • 8月29日 - 王子製紙が記者会見し、北越製紙株50%超の取得は困難な情勢として、事実上の「敗北宣言」。
    • 9月5日 - TOBの応募結果が発表され、議決権比率5.33%で不成立となった。応募分の買取りも実施しない。王子製紙は、今後は独自に収益向上を目指す方針。

関係当事者[編集]

本件においては、従前のタブーを破って国内系の証券会社及び商社が敵対的買収に関与したこと、そして、各プレーヤーに一流の証券会社と法律事務所がそれぞれフィナンシャル・アドバイザー(FA)及び法律顧問として関与したことで、注目を集めた。

その後[編集]

  • 2009年10月の紀州製紙子会社化に際し、日本製紙は保有株式の買取請求を行い、当社に売却している[12]
  • 2013年12月の自己株式立会外買付取引により、三菱商事は保有株式の一部を売却。三菱商事は「その他の関係会社」でなくなっている[13]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b c d e f 北越製紙百年史編纂委員会 『北越製紙百年史』 北越製紙株式会社、2007年全国書誌番号:21240158
  2. ^ 塗工紙生産設備増設について(北越製紙2006/05/18発表資料)
  3. ^ 交通新聞2008年7月8日第1面
  4. ^ 「東洋ファイバー株式会社の完全子会社化に関する株式交換契約締結に関するお知らせ」 (PDF) 、北越紀州製紙2011年9月27日付ニュースリリース
  5. ^ 「大王製紙及び大王製紙関連会社等の株式の 取得及び譲渡の実行に関するお知らせ」 (PDF) 、北越紀州製紙2012年8月15日付ニュースリリース
  6. ^ 「株式取得に関するお知らせ」 (PDF) 、北越紀州製紙2012年10月4日付ニュースリリース
  7. ^ 販売子会社の経営統合(合併)に向けた基本合意書の締結について
  8. ^ 「中国広東省における白板紙工場竣工式について」、北越紀州製紙2014年11月14日付ニュースリリース
  9. ^ 販売子会社の経営統合の検討中止に関するお知らせ
  10. ^ 「パルプ製造会社及び販売会社の完全子会社化(株式取得)完了に関するお知らせ」 (PDF) 、北越紀州製紙2015年10月22日付ニュースリリース
  11. ^ 研究・技術開発*北越製紙株式会社 長岡工場
  12. ^ 日本製紙保有の株式買取と自己株式の消却並びに今後の業務提携継続に関するお知らせ
  13. ^ 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の取得結果及び取得終了ならびにその他の関係会社の異動に関するお知らせ

外部リンク[編集]