北海道胆振東部地震

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北海道胆振東部地震
北海道胆振東部地震の位置(日本内)
北海道胆振東部地震
札幌
札幌
地震の震央の位置を示した地図
本震
発生日 2018年9月6日
発生時刻 3時7分59.3秒(JST[1]
持続時間 約10秒[2]
震央 日本の旗 日本
北海道胆振地方中東部
座標 気象庁発表
北緯42度41分24秒 東経142度00分24秒 / 北緯42.69000度 東経142.00667度 / 42.69000; 142.00667座標: 北緯42度41分24秒 東経142度00分24秒 / 北緯42.69000度 東経142.00667度 / 42.69000; 142.00667付近[1]
米国地質調査所発表
北緯42度40分15.6秒 東経141度55分58.8秒 / 北緯42.671000度 東経141.933000度 / 42.671000; 141.933000付近[3]
震源の深さ 37km
規模    気象庁マグニチュード Mj6.7/モーメントマグニチュード Mw6.6[3]
最大震度    震度7:厚真町
津波 なし
地震の種類 逆断層型の地殻内地震[4]
余震
最大余震 2018年9月6日3時20分10.5秒(JST)、M5.5、最大震度4[5][6]
被害
死傷者数 本文参照
被害地域 北海道
出典:特に注記がない場合は気象庁の報道発表資料[7]による。
プロジェクト:地球科学
プロジェクト:災害
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北海道胆振東部地震(ほっかいどういぶりとうぶじしん)は、2018年平成30年)9月6日3時7分59.3秒(日本時間[1]に、北海道胆振地方中東部を震源として発生した地震である[7]。地震の規模はMj 6.7、震源の深さは37 km(いずれも暫定値)[7]。最大震度は、震度階級で最も高い震度7[7]、北海道では初めて観測された[8][注釈 1][注釈 2]気象庁は同日、この地震を「平成30年北海道胆振東部地震」と命名した[11][12][注釈 3]

なお、地震発生直後には震度データの入電しない地点があり、気象庁は当初、安平町で観測された震度6強を最大震度として発表していた[14]。その後、厚真町鹿沼で震度7を観測していたことが、当日夕方までに判明した[10][15][注釈 4]

また本地震の震源がある胆振地方中東部では、2017年(平成29年)7月1日23時45分にも震源の深さ27 kmで地震の規模がMj 5.1の地震が発生しており、最大震度5弱を安平町で観測している[16]

地震のメカニズム[編集]

本地震の発震機構は東北東-西南西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震である[4]余震は最初の震度7の地震の震源地から南北に広がっている[4]

震源周辺のテクトニクス[編集]

サハリン北海道中軸部では、白亜紀から始新世におけるオホーツクプレートユーラシア大陸東縁への沈み込み、漸新世におけるオホーツクプレートの右横ずれ運動、中期中新世における背弧海盆運動による右斜め衝突運動などによって、厚い大陸地殻が形成された。日高山脈では、後期中新世以降における千島海溝の斜め沈み込みに伴う千島前弧スリバーの西進による東西短縮運動によって急激に隆起した。この急激な隆起は後期鮮新世には衰え、主な東西短縮の場は日本海東縁へと移動したとされている[17][18]。しかし、現在でも日高山脈付近では東西短縮が継続しており、活断層として石狩低地東縁断層帯などが分布しているほか、1982年昭和57年)には内陸地殻内地震浦河沖地震Mj 7.1)が発生している[19]

この地震の震央付近では以前にも、1942年2月28日1949年4月20日2017年7月1日にいずれもMj 5.1の地震(2017年の地震は震源の深さ27 km)が発生している[16][20]

土砂崩れのメカニズム[編集]

この地震では強震動によって厚真町を中心に広い範囲で土砂崩れが発生した[21][22]。国土交通省によると、崩壊面積は推定約13.4平方キロメートルで、濃尾地震新潟県中越地震を超えて、明治以降で日本最大であった[23]。この土砂崩れのすべり面は降下軽石層が関係していることが指摘されており、周辺の地表は支笏カルデラを作った4万年前の巨大噴火や恵庭岳樽前山噴火によって噴出した火山灰や軽石などのテフラ(火山砕屑物)層が形成された不安定な地層構造であった[注釈 5][25]前日の台風や、6 - 8月の降水量が平年の約1.6倍と多かったことから、土壌に多量の水が含まれ一気に表層崩壊したとも考えられている[26][25][22][27]。また降下軽石層は透水性が高く、化学的風化粘土化し、土砂崩れが起こりやすくなっていた可能性も指摘されている[28]

観測された揺れ[編集]

震度[編集]

推計震度の分布(気象庁)
震度(MMI)分布(USGS)
市町村(札幌市は行政区)の最大震度[1][29][30]
震度 都道府県 市(行政区)町村
7 北海道 厚真町
6強 安平町むかわ町
6弱 札幌市東区)、千歳市日高町平取町
5強 札幌市(北区白石区手稲区清田区)、江別市恵庭市三笠市長沼町苫小牧市新冠町新ひだか町
5弱 石狩市新篠津村、札幌市(豊平区西区厚別区)、北広島市函館市岩見沢市南幌町由仁町栗山町伊達市室蘭市登別市白老町

当初、震度速報では厚真町の震度データが入電されず、最大震度を6強(安平町)と発表したが、その後の入電により最大震度7を厚真町で観測していたことが分かった。震度7を観測したのは、2016年熊本地震以来2年ぶり、観測史上6回目[31]。この他、震度6強を安平町、むかわ町で観測した。

また、気象庁の震度推計分布図によると、北海道安平町および千歳市で局地的に震度7相当の揺れがあったと推定されている。このほかにも防災科学技術研究所強震観測網によると、北海道安平町(発表震度6強)にある追分観測点で震度7相当の揺れ(計測震度6.7)を観測していたことがわかっている。これらのデータを元にしたJ-RISQ地震速報による推定震度では、厚真町(発表震度7)、安平町(発表震度6強)、むかわ町(発表震度6強)、千歳市(発表震度6弱)では局地的に震度7相当の揺れがあったと推定されている。また、日高町(発表震度6弱)、栗山町(発表震度6弱)、苫小牧市(発表震度5強)では局地的に震度6強を観測したと推定されている。ただしいずれも気象庁の震度発表対象ではないため、観測点の震度には反映されていない。

長周期地震動[編集]

長周期地震動に関する観測情報
階級 地域
階級4 石狩地方南部、胆振地方中東部
階級2 石狩地方北部・中部、後志地方北部・東部、空知地方南部、上川地方南部、日高地方西部・東部、十勝地方中部
階級1 渡島地方東部、檜山地方、後志地方西部、空知地方北部・中部、上川地方北部・中部、留萌地方中北部・南部、北見地方、胆振地方西部、日高地方東部、根室地方中部
青森県津軽北部・下北宮城県北部
出典[7][32]

加速度[編集]

最大加速度は以下の表の通り。記録された最大値はKiK-net追分観測点の1505galであり、上位10観測点中9観測点で600galを超える値を観測している。

観測点最大加速度上位10件[33]
観測点名 観測点コード 最大加速度 Gal 計測震度
1 KiK-net追分 IBUH01 1505 6.7
2 K-NET穂別 HKD125 774 6.1
3 K-NET幌毛志 HKD103 738 5.9
4 K-NET早来 HKD128 716 6.4
5 KiK-net穂別 IBUH02 716 5.4
6 KiK-net平取西 HDKH01 669 5.9
7 K-NET鵡川 HKD126 662 6.4
8 K-NET由仁 HKD124 631 4.9
9 KiK-net栗山 SRCH09 614 5.5
10 K-NET支笏湖畔 HKD185 587 5.2

被害・影響[編集]

以下は、消防庁集計による2018年9月28日16時00分時点の被害状況である[34]

  • 死者41人
  • 負傷者681人(重傷15人、軽傷674人)
  • 住家の全壊186棟、半壊539棟、一部破損5034棟

震源に近い勇払郡厚真町吉野地区の山林では大規模な崖崩れが広範囲で発生し、多数の住宅が巻き込まれた。厚真町、安平町、むかわ町では多くの住宅が倒壊した。この他、道央地域(石狩胆振管内)を中心に道路などの損壊が相次いだ[35][36][37][38][39]札幌市清田区では道路が波打ち状に大きく損壊した[40]

室蘭市新日鉄住金室蘭製鉄所ならびに、厚真町の北海道電力苫東厚真火力発電所で火災が発生した[34]。また新日鉄の火災は室蘭港に延焼した[41]

全道で停電が継続した影響で、7日、自家発電機を回した事が原因と推定される一酸化炭素中毒により、空知郡上富良野町標津郡標津町で合わせて2名の死亡が確認された[42]

被害状況[編集]

土砂崩れ[編集]

厚真町では広い範囲で大規模な土砂崩れが発生した。そのうち吉野地区では多くの住宅が巻き込まれ、吉野地区の住民34人のうち19人が亡くなった[43]

農業用水用の厚真ダムでは9月6日、土砂崩れにより水路が埋没していることが確認された。農林水産大臣齋藤健は、今後の降雨によりダムが溢れることに対する対策を、自衛隊の協力も含め検討していることを語った[44]

二級河川日高幌内川では、長さ約1,100 m、高さ約50 mの規模で土砂が河道に流れ込み河道閉塞が発生した[45]

地震により多数の土砂崩れが発生した厚真町北部の航空写真。山肌が茶色くなっている所が土砂崩れ箇所。

液状化現象[編集]

地震による液状化現象とみられる異状が、北海道内の5市町村で発生した(9月26日時点の共同通信による各自治体への取材に基づく)。苫東厚真火力発電所(厚真町)敷地内、苫小牧港コンテナターミナル(苫小牧市)のほか、札幌市、北広島市江別市内である[46][47][48]

札幌市の液状化現象では、道路が隆起した[49]。また清田区では地震発生当日、少なくとも2か所で道路が陥没し、うち里塚1条の現場では周辺複数家屋が陥没道路に向かって傾いた[50]

インフラ[編集]

大規模停電[編集]

地震により苫東厚真火力発電所ではボイラー管が破損。3基(3号機が廃止)のうち2号機、4号機が緊急停止し、道北、函館で停電が発生。さらに地震発生から18分後の3時28分に1号機が停止。道内の半分の電気を供給していた発電所が完全に停止したことにより、連鎖的に他の発電所も停止し、北海道・本州間連系設備の送電も止まった。この結果、道内全域約295万戸で停電が発生した[51][52]。道内全域停電は1951年の北海道電力創設以来初の出来事である[52]。また、停電により、泊原子力発電所の外部電源が喪失し非常用電源に切り替わった[53]。大規模な停電により、災害基幹病院では通常の救急対応が出来ない状態が発生。一部では、救急車の受け入れのみ再開した[54]

電気事業連合会によると、管内のほぼ全域で電力が止まる「ブラックアウト」が起きるのは初めて[55]

また、前述のとおり完全復旧に時間を要する事から、道内で輪番停電の実施を計画。管内を60のブロックに分け1回2時間程度送電を停止する計画。実施は2日前までに予告する形となる[56]。 9月14日には一定の供給力を確保できたため、計画停電は「当面は実施する必要はない」とした[57]

鉄道[編集]

北海道旅客鉄道(JR北海道)は、地震により北海道新幹線を含む全線で始発からの全列車の運転見合わせとなった。これにより東北新幹線も北海道新幹線への直通運転を停止した[58]

主な被害としては、千歳線南千歳駅 - 沼ノ端駅間で軌道変位、美々信号場 - 植苗駅間で軌道変位・盛り土亀裂、石勝線南千歳駅 - 清風山信号場間で軌道変位、沼ノ沢駅 - 南清水沢駅間および南清水沢駅 - 清水沢駅間で倒木が発生するなどした[59]。また札幌市営地下鉄全線、札幌市電函館市電道南いさりび鉄道も運行を停止した[58]。施設面では、札幌市営地下鉄南北線碍子脱落・漏水・転轍機屈曲などが発生しているものの、その他の路線での被害はこの時点で確認されていない[59]

北海道新幹線・札幌市電は9月7日から運転を再開した[60]

バス[編集]

北海道中央バスジェイ・アール北海道バスをはじめ高速バスで20事業者、路線バスで25事業者が、全線で運行を休止している[59]

航空[編集]

地震の影響を受け、新千歳空港では設備の破損や停電が発生、またターミナルビルで多数の水漏れなどが発生した[61]ことにより、終日閉鎖し、当日の運行を全て見合わせた[62]。また女満別空港も「停電の復旧の目処が立たないため」として同日14時にターミナルビルを閉鎖、13時以降の全便が欠航となっている[63]。またフィリピン航空は9月10日に新千歳 - マニラ線に新規就航する予定だったが、地震の影響を鑑み就航日を2018年10月8日に変更したものの[64]、その後も地震の影響により訪日需要が予想を下回ったことなどが原因で2018年12月7日に就航日を再度延期した[65]

道路[編集]

地震発生直後から、道内の高速道路の一部で通行止めが発生したが、一部のインターチェンジ閉鎖を除き6日17時5分までに解除された[66]

6日11時の時点での通行止め区間は次の通り[67]

高速道路以外の有料道路では藻岩山観光自動車道が全線通行止めとなった[59]

また、日高自動車道の無料区間(沼ノ端西IC - 日高厚賀IC)についても、地震直後から通行止めとなり、その後順次通行止めは解除となった。

しかし、厚真IC - 日高富川IC間は、地震による影響で地割れや激しい起伏が生じたため、応急処置をした後、最高速度を50 km/hに制限して通行止めを解除した。(通常は70 km/h)

通信[編集]

発災直後からの停電の影響で、道内9町の一部で固定電話回線が不通となっているほか、3万4000回線に影響が出ている。携帯電話でも繋がりにくいエリアがあるという[68]

[編集]

北海道内の45市町村では一時期、最大で6万1201戸が断水したが、水道管が破損した安平町や浄水場が破損した厚真町など約5000戸が断水[69]

産業への影響[編集]

農林水産業[編集]

9月16日時点の北海道庁の推計では、農林水産業への被害額は約397億円である[70]

停電の影響で酪農家や牛乳工場での生乳の廃棄が相次いだ[71][72]。酪農では大規模停電のため搾乳ができず乳房炎が多発し、死亡する乳牛も発生している[73][74][75]

畑や自宅が被災した農業者は多く、共同選果場などの施設も損傷し、収穫期を迎えたトマトやジャガイモ、コメなどの出荷はままならない状況となった[76]

製造業[編集]

6日、苫小牧市のトヨタ自動車カルビーサッポロビールマルハニチロなどの工場、よつ葉乳業釧路市浜頓別町の2工場が、停電の影響により操業を停止。新日鉄住金室蘭製鉄所では小規模な火災が発生したが鎮火。一部では非常用発電設備により操業を継続している所もある[71]

金融業[編集]

6日、停電の影響で札幌証券取引所は終日売買停止となった[77]ほか、北海道電力は9月中の起債を見送った[78]

サービス業[編集]

物流[編集]

全道停電の影響で新千歳空港、鉄道貨物が全面ストップし、トラック運送についても信号機が復旧せず安全確保のためストップ。停電解消しだい順次再開見込み。これにより道内および道内外間の物流がマヒし、スーパーマーケットなどで商品不足が相次いだ[71]

小売業[編集]

日高地方最大の商業施設、イオン静内店が地震による建物の損傷により、9月6日から臨時休業となった。一部店舗は屋外にて臨時営業を続け、テナント撤退も起きた。復旧作業は10月下旬まで続く見通し。

観光産業[編集]

9月16日時点で、北海道がまとめた被害は約292億円。被害のうち宿泊は、全道で94万2000件のキャンセルが生じ、被害額は約117億2500万円。また、観光バス関係で4000人、約3億7400万円となっている。[79]

なお北海道への観光産業の復興を支援するため、旅行費を割り引く「北海道ふっこう割」が2018年10月1日から2019年3月末まで実施される[80]

イベント[編集]

政治[編集]

自由民主党は、党総裁選挙について、当初の予定通り、9月7日告示、同月20日投開票とするものの、「北海道の厳しい状況を最優先し、政府・党を挙げて対応する 」ため、7日については届出のみとし、同月9日まで活動を自粛、党本部における候補者の所見発表演説会や共同記者会見については10日に、8日に予定されていた日本記者クラブ主催の討論会と、9日に予定されていた党青年局・女性局主催の討論会はいずれも14日にそれぞれ延期することとし、16日に北海道で予定していた演説会については宮城県に変更するなどとした一方、安倍晋三内閣総理大臣ロシアウラジオストク訪問については、10日から13日にかけ予定通り行うこととした[81]

スポーツ[編集]

芸能関係[編集]

その他[編集]

時系列[編集]

気象、地象、行政機関の対応、および主要機関の対応の時系列をまとめる。時刻は全て日本時間 (JST)、時刻表記は24時間制

地震発生前

日本海を北上した台風21号が地震発生前日の9月5日朝にかけて北海道付近を通過し、暴風により道内で6人が負傷、建物の損壊や停電が発生し、鉄道が運休するなど、被害と影響をもたらしていた[117][118]

9月6日
  • 3時7分[注釈 10] - 北海道胆振地方中東部を震源とするマグニチュード6.7(暫定値)の地震が発生、厚真町で震度7を観測[7]
    • 地震の影響により道内最大の火力発電所、苫東厚真火力発電所が破損。道内16市町の2239戸で断水が発生[119]
  • 3時9分 - 北海道[120]防衛省[121]海上保安庁[41]が災害対策本部を設置。
  • 3時10分 - 安倍晋三内閣総理大臣は関係省庁に被害状況を把握し被災者救助に全力を挙げることを指示した[122]
  • 3時25分 - 北海道全域で停電。北海道電力の見解ではこの時刻に相次いで発電所が停止し、本州からの送電も止まったためブラックアウトが発生したとしている[51]。停電の影響により道内全域の鉄道交通網が麻痺した。道路の信号機が消灯したため、警察官が交通整理に当たった[119]
  • 5時10分 - 気象庁が1回目の記者会見[41]
  • 5時50分ごろ - 安倍晋三内閣総理大臣が首相官邸に入った[122]
  • 6時00分から9時47分にかけて - 北海道開発局などの災害対策用ヘリコプター3機が被災地域に向けて離陸[41]
  • 6時11分 - 緊急地震速報(警報)が発令。最大震度5弱を観測する余震が発生[123]
  • 6時15分 - 国土交通省が1回目の対策本部会議を開催[41]
  • 6時47分 - 新千歳空港ではターミナルビル内で天井の崩落や漏水が発生、終日閉鎖が決定[119]。6日発着予定の日本航空92便、全日空130便が全便欠航[119]。新千歳空港閉鎖により代替空港は旭川空港となった[124]
  • 8時30分
  • 12時00分
    • この時点で震度1以上を観測した地震が52回発生した[41]
    • 気象庁は大雨警報、大雨注意報、土砂災害警戒情報の発表基準を引き下げた暫定基準運用を開始[41]
  • 13時35分 - 北海道電力の砂川火力発電所で4つの発電機のうち3号機のみ(出力12万5000キロワット)が復旧、これに伴い旭川市札幌市の一部で電力が復旧した[126]
  • 17時30分 - 気象庁は報道発表第4報で本地震の正式名称を「平成30年北海道胆振東部地震」に決定[11]
  • 朝 - 政府は関係閣僚会議を首相官邸で開き、安倍晋三内閣総理大臣は自衛隊の災害派遣について4000人態勢で救助活動を既に開始していること、今後2万5000人まで増強する予定を語った[122]。また首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置した[122]
  • 小此木八郎防災大臣は6日付で北海道庁に「政府現地連絡調整室」を設置したことを発表した[127]
  • 気象庁は気象庁機動調査班(JMA-MOT)を現地派遣し現地調査を実施した[41]
9月7日
  • 10時 - 新千歳空港で国内線が再開された[124]
  • 13時 - JR札幌駅で営業が再開された[124]
  • 北海道および金融機関が被災者、観光客、中小企業などに対する金融支援を開始[128]
  • 小野寺五典防衛大臣即応予備自衛官招集命令を発令した[129]
  • 北海道は7日、被災地支援ボランティア募集について受け入れ準備が整った後に募集を開始することを明らかにし、未だ道内にボランティアセンターが設置されていないこと、混乱回避のためボランティアに関する問い合わせや被災地直接訪問を控えるよう呼びかけた[130]
  • 天皇および皇后高橋はるみ北海道知事に対し、犠牲者を悼み労う気持ちを河相周夫侍従長を通じて示した[131]
9月8日
  • 6時 - 離島地域と送配電設備故障により通電不能地域を除く道内ほぼ全域293万戸で停電が解消され、停電地域は残り2万戸となった[132]
  • 7時 - 新千歳空港で国際線の航空便受け入れが再開[132]
  • 北海道エアシステムが8日から11日にかけて丘珠空港より発着する臨時道内便の運行を開始[124]
  • 気象庁の道内アメダス観測点225地点のうち50地点で障害発生が確認され、臨時観測点設置対応などが開始された[133]
9月9日

安倍晋三首相が地震発生後初の北海道現地視察に赴き、午前中に札幌市内[134]、午後は厚真町に移動した[135]。また安倍首相は関係閣僚会議で2018年度予算予備費から5億4千万円を被災者生活支援に拠出することを表明した[136]

またこの日、JR貨物の道内運行が一部で再開された[137]

9月10日

経済産業省は計画停電回避のため13時、道内企業および道民に対して20%の節電を呼びかけた[138]

経産省の節電の求めに応じ、札幌市営地下鉄、札幌市路面電車などが運行本数を減らした[139]ほか、JR北海道は特急列車の間引き運転ほか駅や事業所の照明・空調調整による節電を行うなどして対応する[140]

10日時点で死者数は41人となり、北海道は安否不明者がいなくなったことから捜索を終了した[141]

道内のガソリンスタンドではほとんどの店舗で通常営業が始まった[142]

行政の対応[編集]

気象庁[編集]

気象庁は、緊急地震速報(警報)を、地震波検知から7.3秒後の3時8分12.6秒に北海道の道南および道央の2予報区にわたる4区域に対して、14.7秒後の3時8分20.0秒には北海道の道東および道北を加えた全4報区にわたる18区域並びに青森県下北に対して発表[143][144]。また、地方公共団体の防災対応を支援するためにJETT(気象庁防災対応支援チーム)を派遣すると、地震発生当日に発表した[145]

北海道[編集]

北海道は6日3時9分に本庁に災害対策本部を、および東京事務所に災害対策地方本部(全15地方本部)を設置[120]、3時50分に災害派遣医療チーム(DMAT)の調整本部を設置した[146]。また、6日に災害救助法施行令(昭和22年政令第225号)第1条第1項第4号の規定により北海道内179市町村の区域を災害救助法(昭和22年法律第118号)による救助を実施する区域として指定した[147]

国土交通省[編集]

国土交通省では、災害対策本部会議を数度にわたって開催したほか、災害対策用ヘリコプターを3機派遣し、情報収集を行った[41]。また測量用航空機により上空からの撮影作業を実施し、緊急災害対策派遣隊も派遣した[41]

内閣府[編集]

地震発生直後、内閣府に災害対策室を設置[53]。また、安倍晋三内閣総理大臣は総理大臣官邸で記者団にコメントを発表し、「政府として人命第一で政府一丸となって災害応急対応に当たる」と語った[148][149]

総務省[編集]

総務省は大臣官房総務課に大臣官房長を長とする災害対策本部を設置し、自治体支援を実施した[53]。また、北海道の179市町村に対し災害救助法を適用した[150]

消防[編集]

地震直後に消防庁長官を長とする消防庁災害対策本部(第3次応急体制)を設置し、消防庁職員を北海道各地に派遣した[53]胆振東部消防組合消防本部では、地震後に通信機材が被害を受け、119番通報が受信できない状態となった[151]。警察からの転送や、職員が巡回するなどし被害の把握にあたった。総務省消防庁では、消防庁長官の求めにより東京消防庁横浜市消防局消防防災ヘリと隊員を派遣[152]川崎市消防局緊急消防援助隊(航空小隊)、東北地方各県の防災ヘリ、統合機動部隊が出動、現地で救助活動を実施[153]。なお発災直後に消防庁長官の求めにより、札幌市消防局の指揮支援隊が出動している。

東京消防庁では、航空消防救助機動部隊を派遣[154]。その後、地上部隊として消防救助機動部隊(救助小隊)など計26隊100名を派遣[155]。その後、上空からの救助活動のため消防ヘリ「はくちょう」1機10名、後方支援活動のため特殊車両など合計5隊15名が派遣。[156]部隊は、大洗港から苫小牧港までフェリーで向かった。東京消防庁の緊急消防援助隊は9日まで活動を行った[157]

東北や関東の消防から派遣された緊急消防援助隊は9月6日から10日までで陸上544隊2,119名、航空46隊399名が活動し20名を救助した(被災地の消防や北海道内の応援消防部隊の実績を除く)[158]

警察[編集]

警察庁北海道警察では、警備局長および北海道警察本部長を長とする災害警備本部を設置[53]警視庁では、特殊救助隊員9名と警備犬1頭が出動した[159]。東北と関東の各県警察本部は警察災害派遣隊を派遣し災害対応を行ったほか、生活安全や地域警察交通警察など被災地の警察活動を補完するために自動車警ら隊交通機動隊も派遣している[160]

防衛省・自衛隊[編集]

地震発生直後の3時9分に防衛省災害対策本部を設置[121]。3時11分に防衛大臣指示。3時25分にF-2戦闘機が情報収集のため、三沢基地を離陸したのを始め、陸海空各自衛隊から航空機が離陸、また、陸上自衛官によるLO(連絡幹部)派遣、FAST-FORCE(初動対応部隊)派遣を実施した[121]。同日6時0分に、北海道知事から陸上自衛隊第7師団長に対して災害派遣要請を行った[53][121]。以後北部方面隊管区の第7師団・第11旅団の陸自部隊を基幹に部隊派遣を実施している[121]

2018年9月6日13時30分時点で、人員4900名、航空機2機、艦艇4隻体制で災害派遣実施中[121]

同年10月14日付けで人命救助、道路啓開、給水支援、入浴支援、給食支援、輸送支援、厚真ダム支援等を終了した[161]

海上保安庁[編集]

海上保安庁本庁および第一管区海上保安本部に災害対策本部を設置した[53]

厚生労働省[編集]

北海道庁より北海道内のDMATに派遣要請[53]苫小牧市立病院を拠点として、DMAT2隊を派遣した[53]

学校・教育施設[編集]

9月19日時点の判明分で学校など354の教育施設が被害を受けた[162]

北海道教育委員会は6日8時、道立学校に対して休校の指示、市町村立学校に対して休校の要請をし、道内の公立学校の95.8%にあたる1,891校が休校となった[163]。また、7日は道内公立校の60.7%にあたる1,197校が休校となる予定[163]

東京都[編集]

東京都では、被災地からの要請に適切に対応できるよう、各部局の幹部らが出席して「危機管理対策会議」を開催した[164]

民間企業の対応[編集]

通信[編集]

NTTでは、道内全ての公衆電話を無料開放。災害用伝言ダイヤルおよび、Web171の提供を開始した[68]。大手携帯電話各社では、支店や店舗に携帯電話の充電を無料で行える場所を設けるなどした[165]

NHKは災害救助法が適用された市町村で、建物が半壊、半焼、床上浸水以上の被害を受けた被災者の9 - 10月分のNHK受信料を免除すると発表した。[166]

金融業[編集]

9月6日、損害保険大手各社は災害対策本部を設置した[78]。翌7日、停電で6日の取引を停止していた札幌証券取引所は取引を再開した[167]

メディア[編集]

セイコーマート[編集]

北海道を地盤とするコンビニエンスストアチェーンのセイコーマートは地震が起きた6日も全道約1100店舗のうち50店舗以外は営業。ホットシェフではスタッフ総出で温かいおにぎりや惣菜を提供、さらにオフラインのレジなども使って食料を求める客の迅速対応も行った[168]

支援活動[編集]

STVラジオは被災地支援を目的として、9月17日に札幌で行われた同局の主催イベント「ツルハグリーンウォーク」の参加者から募った義援金を元手として、電池付きの携帯ラジオ30台を被災地へ贈呈[169]

乳児用液体ミルク[編集]

東京都はフィンランド製の乳児用液体ミルク1,050個を北海道庁に提供したが、ほぼ全量が使われなかった[170]

国際社会の対応[編集]

中華民国台湾
蔡英文総統は6日夜、Twitterで安倍首相のツイートに返信を送る形で「台湾は日本の良き友人として、自然災害が続く日本と共にこの困難な時期を乗り越えたいと願い、またそうする義務があると考えています。北海道で発生した地震のために、台湾は特殊救助隊員40名、災害救助犬2頭、及び必要な器材を派遣する用意を整えました。これからも引き続き日本を応援します。」と投稿し、日本にエールを送ると同時に日本に支援の用意があることを伝えた[171]。また頼清徳行政院長(首相)は被害が最小限に収まり、救助活動が順調に進むことを願った上でお見舞いを表明した[172]
大韓民国
文在寅大統領は6日、安倍首相にメッセージを送り、その内容をTwitterで公開した。文大統領は「台風と地震で犠牲になった関西や北海道の方々に哀悼の意を表明し、家族を失った人やけがをした人たちに慰労のことばをおくります」とお見舞いの言葉を送ったうえで、「台風と地震が相次いで発生し、衝撃は大きいと思いますが、自然災害に徹底的に備えてきた日本の底力が発揮されると信じています」とエールを送った[173]

関連する問題行為・犯罪[編集]

デマ[編集]

SNSなどインターネット上で9月6日以降、複数のデマが流された。例えば、実際には発表されていない断水予定、地響きや地震雲による余震の警告が、自衛隊や札幌市役所からの情報と称して拡散された。2016年の熊本地震の被災地である熊本県内4大学の学生でつくるボランティア団体「KC3」が9月10日正午ごろに実施したサイバーパトロールでは、火事場泥棒や携帯電話の不通などを含めて35件のデマ情報が発見された[174][175]。ちなみに、2016年の熊本地震では前震発生以降、Twitter内において「動物園からライオンが逃亡した」、「朝鮮人井戸を投げ込んだ」(関東大震災の際のデマを真似たものとみられる)などの悪質なデマ投稿が行われ、拡散した[176]

野次馬[編集]

地震で液状化現象が発生し、住宅が傾くなどの被害が生じ、住民以外の立ち入りが規制された札幌市清田区に於いて、他地域からの見物人、野次馬が多数入り込み、中には傾いた家をバックに記念撮影するなどのケースが相次いでいる。市では住民感情に配慮するよう呼び掛けているが、注意すると逆ギレされるケースもあり、市では対応に苦慮している[177]

脚注[編集]

注釈[編集]

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  1. ^ 震度7が1949年(昭和24年)に導入[9]されて以降、本地震は平成28年(2016年)熊本地震の2例に続く、6つ目の観測例となった[10]。なお、最初の観測例である平成7年(1995年)兵庫県南部地震では、現地調査により震度7の地域があったことが判明し、第2例以降では計測震度計によって震度7が観測されている[9]
  2. ^ 1996年(平成8年)4月1日の震度階級改定以降に北海道で起こった地震では、2003年(平成15年)の十勝沖地震2016年(平成28年)の内浦湾地震で観測された震度6弱が最大であった。
  3. ^ 気象庁が地震の名称を定めたのは、平成28年熊本地震に続いて32例目[13]
  4. ^ この時点では、震度データがなお未入電の地点もあった[10]
  5. ^ 土の色は、Spfa-1が肌色、恵庭岳のテフラが橙色、樽前山のテフラが白色、土壌層が黒色。Spfa-1は主に未固結の軽石からなる。厚真町周辺では4 m前後の厚さで堆積しており、下位にある中新世の海成層を覆う。この軽石は乾燥密度が約0.5 g/cm3と非常に小さく、国内に分布する軽石でも最も軽い値となっている(多くの軽石は1.0 g/cm3前後)。上位にある土壌層は概ね1.5 - 2.0 g/cm3で、軽いものの上に重いものが重なった不安定な地層構造であったとみられる[24]
  6. ^ 10日の代替開催は雨天中止となり、10月4日に再度振替となった[83]
  7. ^ 前日の9月5日に日本ハムとスタルヒン球場で試合を行った埼玉西武ライオンズは、地震発生時旭川市に滞在中で、当日中に旭川空港から帰京し無事であった[84]
  8. ^ ゴルフ競技が先行して9月12日~14日の3日間開催される予定であった[96]
  9. ^ 砕氷船しらせはその後海上ヘリポート支援用途のため苫小牧沖へと前進した[114]
  10. ^ 検知時刻は9月6日3時8分[7]

出典[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]