労働歌
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労働歌(ろうどうか、英語: Work song)とは、歌の種類である。本義としては作業歌(さぎょううた)や仕事歌(しごとうた)などと呼ばれる、特定の労働をテーマとした民謡を指す。狭義として労働運動の歌や労働者を励ます歌を労働歌と呼び、革命歌、組合歌、反戦歌などを含む。
作業歌[編集]
作業歌には
- 地搗き歌のように呼吸を合わせるための掛け声として歌われたもの
- 特定の作業をテーマとして作られたもの
がある。農業など多人数が呼吸を合わせる必要がない仕事では、2に比べて1の数は非常に少ない。また、実際の作業のリズムと音楽のリズムが無関係な歌も多い。ほとんどの作業歌は作業をしながら歌われる歌というよりも、作業の合間に疲れを癒やしたり、労働の喜びを再認識するための歌といえる[1]。
主な作業歌[編集]
労働歌[編集]
前述の通り、労働運動の歌や労働者を励ます歌のこと。労働運動と密接な関わりがあり、戦前や戦時中は歌うのや放送が禁止された歌もある。なお、革命歌、組合歌、反戦歌については各項目を参照のこと。
戦前の歌[編集]
- 「インターナショナル」(1888年、作詞: ウジェーヌ・ポティエ、作曲: ピエール・ドゥジェイテル、訳詞: 佐々木孝丸・佐野碩)
- 「聞け万国の労働者(メーデー歌)」(1922年、作詞: 大場勇)
- 「赤旗の歌」(ドイツ民謡、作詞: ジム・コンネル、訳詞: 赤松克麿)
戦後の歌[編集]
- 「がんばろう」(1960年、作詞: 森田ヤエ子、作曲: 荒木栄)
- 三池闘争で作られた曲。それまでの労働歌=男の労働者というイメージを変えた。
- 「炭掘る仲間」(1956年、作詞: 三池労働組合、作曲: 小林秀雄)
- 炭鉱労働での仲間との団結を歌った。三池労組の組合歌でもある。
- 「もやせ闘魂」(1958年、作詞・作曲: 荒木栄)
- これも三池闘争と思われがちだが、元は北海道の炭労から。歌詞を繰り返す単純な曲。
- 「おれたちは太陽」(1962年、作詞: 門倉さとし、作曲: 荒木栄)
- 労働者の力強さと希望を歌っている。
- 「俺たちのシルクロード」(1981年、作詞: 荒井良夫、作曲: たかだりゅうじ)
- 1987年の国鉄分割民営化を前に製作された。現在でも労働者の集会やうたごえ祭典などでよく歌われる。
- 「労働讃歌」(2011年、作詞: 大槻ケンヂ、作曲・編曲: Ian Parton)
- ももいろクローバーZの歌う労働歌。イングランドのロックバンド "The Go! Team" のイアン・パートンの作曲、筋肉少女帯などで活躍する大槻ケンヂの作詞という異色の組み合わせで制作された。ミュージックビデオでは、1979年に第2次オイルショックの影響を受けて内閣が提唱した省エネスーツを着用してのパフォーマンスをしている(労働讃歌 - YouTube)。
その他の運動の歌[編集]
- 「たたかいの中に」(作詞: 高橋正夫、作曲: 林光)
- 「沖縄を返せ」(1956年、作詞: 全司法福岡高裁支部、作曲: 荒木栄)
- 沖縄返還運動の象徴的な歌。1960年代の学生運動などでもよく歌われた。現在も辺野古新基地建設反対運動で歌われている。
- 「反対同盟の歌」
- 成田国際空港建設反対運動の中核的役割をした「三里塚芝山連合空港反対同盟」の歌。成田の地に住む人たちの誇り高さを歌っている。
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 小泉文夫「日本のリズム」『民族とリズム』、東京書籍、1990年、 ISBN 4487752582。