加谷珪一
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加谷 珪一(かや けいいち、1969年 - )は、日本の経済評論家。
人物[編集]
昭和44年、仙台市生まれ[1]。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社[2]。
野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当[3]。
独立後、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事[4]。
現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っており、ニューズウィーク、現代ビジネス、ITメディアビジネスオンラインなど各誌で連載を持つ[5]。
テレビやラジオでコメンテーター、パネラーなどを務める[6]。
主張[編集]
- 2017年、スルガ銀行の収益力について高い評価を与えている[7]。成功の要因として、「全行をあげて個人向け融資へのシフト」や「ネットサービスの拡大による低コストの全国展開」などを挙げている[7]。なお、翌年、スルガ銀行には不正融資問題が発覚した[8]。
- 日本が署名したRCEP(地域的な包括的経済連携協定)について、中国脅威論は論点がズレており、協定における最大の受益者は日本であるという立場をとる[9]。
- 歴史的資料を独自に収集し、太平洋戦争の戦費についてインフレ考慮後で国家予算の74倍と算定。日本の体力を超えた無謀な戦争だったと結論付けている。一方で日清戦争、日露戦争の戦費調達はグローバル市場を活用した理想的な手法であるとして高く評価した[10]。
- 基本的にむやみな財政拡大に否定的な立場だが、2020年4月の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言では、国家の非常時であるとして50兆円の国債増発による全国民を対象とした給付金支給を主張。実際、その後に決定された補正予算では50兆円の国債増発が盛り込まれた[11]。
- 世界における日本の輸出シェアがは急激に低下しており、競争力が低下していると指摘。今後は輸出産業に依存せず、国内消費で経済を回す消費主導型経済にシフトすべきと主張している[12]。
- 新型コロナウイルスの感染対策を通じて、中国の戦争遂行能力が高まっているのは明らかであり、中国の脅威に対する日本人の意識は甘いと指摘。中国に対抗することを国家戦略とするなら、現実を見据えた上で、相当な準備と覚悟が必要と主張している[13]
著作[編集]
「日本は小国になるが、それは絶望ではない」KADOKAWA 2020年10月
「貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか」幻冬舎新書 2020年5月
「日本はもはや後進国」秀和システム 2019年12月
「感じる経済学 コンビニでコーヒーが成功して、ドーナツがダメな理由」SBクリエイティブ、2017年4月
「お金持ちはなぜ「教養」を必死に学ぶのか」朝日新聞出版 2016年4月
「ポスト新産業革命 「人口減少」×「AI」が変える経済と仕事の教科書」CCCメディアハウス、2018年3月
「億万長者への道は経済学に書いてある」クロスメディア・パブリッシング(インプレス)、2018年12月
「定年破産絶対回避マニュアル」講談社+α新書、2019年3月
「新富裕層の研究-日本経済を変えるあらたな仕組み」祥伝社 2016年9月
「お金持ちの教科書」CCCメディアハウス、2014年1月
「大金持ちの教科書」CCCメディアハウス、2014年11月
「あなたの財布に奇跡が起こるお金の習慣」かんき出版、2014年12月
「お金は「歴史」で儲けなさい」朝日新聞出版、2015年1月
「稼ぐ力を手にするたったひとつの方法」清流出版、2015年3月
「図解 お金持ちの教科書」CCCメディアハウス、2015年6月
「あらゆるニュースをお金に換える 億万長者の情報整理術」朝日新聞出版、2015年7月
「お金持ちになる習慣 「生きたお金の使い方」が身につく本」清流出版、2015年7月
「これからのお金持ちの教科書」CCCメディアハウス、2015年11月
「株で勝ち続ける人の常識 負ける人の常識」KADOKAWA、2015年11月
「上司は「顧客」だと思いなさい: 出世する人はじつは会社に雇用されてない!」河出書房新社、2016年2月
「お金持ちはなぜ「教養」を必死に学ぶのか」朝日新聞出版、2016年4月
「教養として身につけたい戦争と経済の本質」総合法令出版、2016年6月
「共働き夫婦のためのお金持ちの教科書 30年後もお金に困らない!」CCCメディアハウス、2016年6月
「億万長者 100の言葉」宝島社、2016年8月
「ポスト・アベノミクス時代の新しいお金の増やし方」ビジネス社、2016年9月
「あなたの人生を変えるお金の教養」PHP研究所、2016年11月
「最強のお金運用術 富裕層だけが知っている 1%の金利の魔法」SBクリエイティブ、2017年2月
「組織で上に行く人は「どこ」で差をつけているのか?: 部長以上をめざすための41のポイント」実務教育出版、2017年2月
「AI時代に生き残る企業、淘汰される企業」宝島社、2017年2月
「世界のお金持ちが20代からやってきた お金を生む法則」ダイヤモンド社、2017年5月
「ホンモノを見分けられる人に、お金は転がり込んでくる!」ぱる出版、2017年7月
「臆病な金融ド素人がお金を増やそうと思ったら」WAVE出版、2017年12月
「プロ投資家の「株を買いたくなる会社」の選び方 ―なぜトヨタは「買い」ではないのか」さくら舎、2018年1月
脚注[編集]
- ^ “加谷 珪一 Keiichi Kaya”. 現代ビジネス. 2019年5月27日閲覧。
- ^ “加谷 珪一 Keiichi Kaya”. 現代ビジネス. 2019年5月27日閲覧。
- ^ “加谷 珪一 Keiichi Kaya”. 現代ビジネス. 2019年5月27日閲覧。
- ^ “加谷 珪一 Keiichi Kaya”. 現代ビジネス. 2019年5月27日閲覧。
- ^ “加谷 珪一 Keiichi Kaya”. ニューズウィーク日本版. 2019年5月27日閲覧。“加谷 珪一 Keiichi Kaya”. ニューズウィーク日本版. 2019年12月30日閲覧。
- ^ 加谷珪一『日本はもはや後進国』<秀和システム>、2019年、著者紹介
- ^ a b “地銀最強!「スルガ銀行」圧倒的収益力の秘密”. 現代ビジネス (2017年11月8日). 2020年11月23日閲覧。
- ^ “スルガ銀、不適切融資1兆円 書類改ざんなど”. 日本経済新聞 (2018年8月21日). 2020年11月23日閲覧。
- ^ “RCEPで本当に得をするのは日本──中国脅威論は論点がズレている”. ニューズウィーク (2020年12月9日). 2021年1月9日閲覧。
- ^ “日本が太平洋戦争に総額いくらを費やしたか、知っていますか(加谷 珪一) @gendai_biz”. 現代ビジネス. 2021年2月1日閲覧。
- ^ 2020年4月10日放送、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」、文藝春秋2020年6月号「"戦時国債”50兆円で連鎖倒産を防げ」
- ^ 『日本は小国になるが、それは絶望ではない』KADOKAWA、2020年10月9日、9,51。
- ^ “新型コロナ対策で明らかに…中国の恐るべき「戦争遂行能力」(加谷 珪一) @gendai_biz”. 現代ビジネス. 2021年2月1日閲覧。