加藤敏夫
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加藤 敏夫 (かとう としお) | |
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生誕 |
1917年8月25日 日本、栃木県 |
死没 | 1999年10月2日(82歳没) |
国籍 | 日本 |
研究分野 |
数理物理学 関数解析学 偏微分方程式 |
研究機関 |
東京大学 カリフォルニア大学バークレー校 |
出身校 | 東京帝国大学 |
博士課程 指導教員 | 寺沢寛一 |
主な業績 | 加藤の定理 |
主な受賞歴 |
朝日賞 ノーバート・ウィーナー応用数学賞 |
プロジェクト:人物伝 |
加藤 敏夫(かとう としお、1917年8月25日[1] - 1999年10月2日[1])は、日本の数学者。専門は、偏微分方程式・数理物理学・関数解析学。
経歴
[編集]1917年、栃木県鹿沼市に生まれた[1]。1941年東京帝国大学理学部物理学科を卒業[1]。太平洋戦争による学業の中断を経て、1951年東京大学助教授[1]、1958年に東京大学教授となる[1]。1962年よりカリフォルニア大学バークレー校教授[1]。1988年に定年退職し[1]、カリフォルニア大学バークレー校名誉教授となった。1999年、カリフォルニア州オークランドの自宅にて病没[1]。
受賞・栄誉
[編集]研究内容・業績
[編集]数理物理学に関する業績が多く、1951年には量子力学において現実的な(特異性のある)ポテンシャルでのシュレーディンガー作用素の自己共役性を示した[1]。また、非線型発展方程式、KdV方程式(Kato smoothing effect)、ナビエ-ストークス方程式の解についても研究を行った[1]。これらの分野に影響を与えた "Perturbation theory of linear operators" の著者としても知られる[1]。
著書
[編集]- 加藤敏夫『函数空間論』共立出版、1957年
- 吉田耕作、加藤敏夫『大学演習応用数学I』裳華房、1961年
- "Perturbation theory of linear operators", Springer-Verlag, 1966, 1976. ※線形作用素の摂動理論で有限次元、無限次元を扱っている。
- 加藤敏夫『位相解析―理論と応用への入門』共立出版、1967年
- "A short introduction to the perturbation theory of linear operators", Springer-Verlag, 1982. ※線形作用素の摂動理論を有限次元作用素の場合に限定して記述。
- 加藤敏夫『位相解析―理論と応用への入門』共立出版、ISBN 978-4320010451、1988年
- 加藤敏夫『復刊 位相解析―理論と応用への入門』共立出版、ISBN 978-4320016668、2001年※ 復刊版。
- 加藤敏夫著、丸山徹 翻訳『行列の摂動』丸善出版 (シュプリンガー数学クラシックス) 、ISBN 978-4621063620、2012年 ※"A Short Introduction to Perturbation Theory for Linear Operators" の全訳。
- 加藤敏夫著、黒田成俊編集『量子力学の数学理論』近代科学社、ISBN 978-4764905450、2017年 ※未発表の遺稿を整理編集したもの。
微分方程式 |
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分類 |
解 |
参考文献
[編集]- O'Connor, John J.; Robertson, Edmund F., “加藤敏夫”, MacTutor History of Mathematics archive, University of St Andrews.
- "Tosio Kato (1917--1999)", Notices of the American Mathematical Society, June/July, 2000
- 黒田成俊 (1999). “加藤敏夫先生を偲んで”. 日本物理學會誌 (日本物理学会) 54 (12): 989 .