加群の根基

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数学において、加群の理論において、加群の根基 (radical) は構造と分類の理論の構成物である。それはジャコブソン根基の一般化である。いろいろな意味でそれは M半単純成分 soc(M) の概念の双対概念である。

定義[編集]

Rとし M を左 R-加群とする。M の部分加群 N は商 M/N単純加群であるときに極大 (maximal) あるいは cosimple と呼ばれる。加群 M根基 (radical) は M のすべての極大部分加群の共通部分である

同じことだが、

これらの定義は soc(M) に対して直接的な双対の類似をもつ。

性質[編集]

  • rad(M) は余剰部分加群全体の和であるという事実に加えて、ネーター加群において rad(M) それ自身が余剰部分加群である。
  • すべての右 R-加群 M に対して rad(M) ={0} であるような環を右 V-環 (right V-ring) と呼ぶ。
  • 任意の加群 M に対して、rad(M/rad(M)) は 0 である。
  • M有限生成加群であることと M/rad(M) が有限生成かつ rad(M) が M の余剰部分加群であることは同値である。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Alperin, J.L.; Rowen B. Bell (1995). Groups and representations. Springer-Verlag. pp. 136. ISBN 0-387-94526-1 
  • Anderson, Frank Wylie; Kent R. Fuller (1992). Rings and Categories of Modules. Springer-Verlag. ISBN 978-0-387-97845-1