劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ

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劇場版
BLEACH
Fade to Black 君の名を呼ぶ
監督 阿部記之
脚本 高橋ナツコ
大久保昌弘
製作 深沢幹彦
青木俊志
萩野賢
出演者 森田成一
折笠富美子
真殿光昭
平野綾
神谷浩史
伊藤健太郎
置鮎龍太郎
三木眞一郎
音楽 鷺巣詩郎
主題歌 ポルノグラフィティ今宵、月が見えずとも
撮影 福島敏行
編集 植松淳一
村上義典
制作会社 studioぴえろ
製作会社 劇場版BLEACH3製作委員会
配給 東宝
公開 2008年12月13日
上映時間 94分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 7.0億円[1]
前作 劇場版BLEACH The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸
次作 劇場版BLEACH 地獄篇
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劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ』(げきじょうばん ブリーチ フェイド・トゥ・ブラック きみのなをよぶ)は、2008年12月13日東宝系で公開された漫画『BLEACH』を原作としたテレビアニメの劇場版第3作。

概要

本作では「原点回帰」をテーマに、主人公の一護ルキアをメインに据えた物語が展開されている[2]。尸魂界篇以来となる一護と護廷十三隊の対立や、ルキアとオリジナルキャラクターの姉弟のドラマを描く。

前作『劇場版BLEACH The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸』に引き続き、原作者の久保帯人も大まかなプロットができた段階から製作に参加している[3]。シナリオ、オリジナルキャラクターの設定・デザイン・ネーミング、サブタイトルの命名などに関わっており、アフレコ収録にもラストシーンまで立ち会ったという[2]

久保はサブタイトル「Fade to Black」について、「最初にルキアがみんなの記憶から消えていくという話を聞いた時から、闇の中にいるルキアが、その思い出の中にある一護や護廷十三隊の隊長たちと共に消えていくというイメージが浮かびまして。そこから黒く消えていくという意味のFade to Blackにサブタイトルを決めました」と語っている[2]。また、英語のサブタイトルを考えた後、日本語のサブタイトルも要望されたため、久保はシナリオをじっくりと読み込んでキーワードとなるシーンや言葉を探したという[2]。そして「作品中の幾つかのシーンにある、誰かが名前を呼びかけるということ」、中でも、「一護がルキアの名前を呼ぶ」ことは本作のストーリー上で重要な意味を持っていることに気づき、「君の名を呼ぶ」という言葉をつけたと語っている[2]

ラストバトルである一護とルキアの戦いでは、原作コミックの第1話にリンクするシーンが描かれており、ルキアが一護に霊力を与えたシーンも回想として挿入されている[2]。本作について久保は「これまでの劇場版の中で最も原作に近いストーリー」[2]「とてもシンプルなBLEACHの本質に寄り添う物語」[4]といったコメントを残している。

公開前の2008年11月23日にはテレビ東京で特別番組『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ 公開記念 BLEACHナイトスペシャル』が放送され、本作に姉役として参加した平野綾が出演し最新情報を紹介した。番組内ではTVシリーズ第1話、恋次・白哉の初登場回など全3話が再放送された。12月6日にはテレビ東京で特別番組『劇場版最新作公開直前 BLEACH TV』が放送された。また、劇場公開中はプロモーションの一環として、TVシリーズのオープニング・エンディング映像に本作のダイジェスト映像が使用された。

劇場公開当時、TVシリーズでは未登場だった檜佐木修兵の斬魄刀「風死」が、TVシリーズに先駆けて披露された。

キャッチコピーは「さよならルキア」「黒崎一護 対 護廷十三隊」。

ストーリー

瀞霊廷の実験棟では涅マユリがある装置の開発を行っていた。だが、突如大鎌を持った姉弟の襲撃に遭い、暴走を始めたマユリは施設を破壊、瀞霊廷は一瞬のうちに超高濃度の霊子の雲に覆われ、瀞霊廷内の3割が壊滅状態となった。そしてその光景を目撃していたルキアの元にもマユリを襲撃した姉弟が現れ、巨大な鎌が振るわれる。

時を同じくして、一瞬とはいえルキアの存在を忘れたことにより、ルキアに何かがあったことを感じた一護は、浦原から瀞霊廷壊滅の報を知らされ、コンと共に尸魂界(ソウル・ソサイエティ)へ向かう。だが恋次ら護廷十三隊の面々は一護とルキアに関する記憶を失っており、瀞霊廷内で遭遇した一護のことを旅禍と看做してしまう。瀞霊廷壊滅の犯人として死神達から追われる身となった一護とコンは、紆余曲折の末にルキアの元にたどり着くが、そこに居たのは記憶を失い変わり果てた姿のルキアだった。

姉弟はかつて一緒に暮らしていたルキアと交わしたある約束のため、邪魔な死神を全滅させそうと画策する。一護とコン、そして自らの魂の声に従い一護に協力する恋次。彼らの存在によりルキアの記憶が呼び覚まされそうとしたとき、姉弟の想いは暴走しルキアに襲いかかる。一護はルキアとの絆を取り戻すため、姉弟に取り込まれたルキアとの戦いに身を投じる。

登場人物

メインキャラクター

黒崎一護(くろさき いちご)
- 森田成一
本作の主人公。瀞霊廷壊滅事件の混乱の中、旅禍として追われながらも、ルキア救出に奔走する。
朽木ルキア(くちき ルキア)
声 - 折笠富美子
護廷十三隊十三番隊所属。「弟」の鎌により周囲から存在を忘れられ、自身も死神や一護に関する記憶を失う。恋次と出会う前、姉弟とは流魂街「戌吊」で生活を共にしていた。
コン
声 - 真殿光昭
戦闘用改造魂魄(モッド・ソウル)の生き残り。見た目は、ライオンのぬいぐるみ。一護と共に尸魂界へ向かい、仲間に襲われ落ち込む彼に活を入れる。唯一、一護とルキアの記憶を無くしていない。
阿散井恋次(あばらい れんじ)
声 - 伊藤健太郎
護廷十三隊六番隊副隊長。ルキアとは幼馴染。ルキアに関する記憶を失い、その影響で自らが【卍解】を修得していることも忘れている。最終的には、記憶を思い出せないながらも、自身の魂を信じて一護と共闘する。
朽木白哉(くちき びゃくや)
声 - 置鮎龍太郎
護廷十三隊六番隊隊長。ルキアの義兄。彼もまた一連の事件の中でルキアに関する記憶を失っており、自身の記憶の矛盾に違和感を覚える。作中では、亡き妻、緋真との回想シーンも描かれている。
千本桜の刃をトンネル状にし、その中に入りダークルキアと一護の決戦の場へ移動した。
浦原喜助(うらはら きすけ)
声 - 三木眞一郎
死神にも尸魂界の霊具を売る商売をする駄菓子屋「浦原商店」店主。前護廷十三隊十二番隊隊長。一護とルキアに関する記憶を失ってはいるが、事件を独自に調査し一護に協力する。尸魂界から追放されたものの、今回は自力で戻ってきた。途中隊長羽織を纏った姿で登場し、戦闘に参加する(小説版では、涅マユリから隊長羽織を借りている)。
また、血霞の盾から無数の刃を連続で発射する「斬り裂き紅姫」も使用する。
四楓院夜一(しほういん よるいち)
声 - 雪野五月
元隠密機動総司令官及び同第一分隊「刑軍」総括軍団長。浦原の旧友で、彼と共に行動している。
山本元柳斎重國(やまもとげんりゅうさい しげくに)
声 - 塚田正昭
護廷十三隊一番隊隊長・護廷十三隊総隊長。最終決戦では始解で大蛇を蹴散らした。
日番谷冬獅郎(ひつがや とうしろう)
声 - 朴璐美
護廷十三隊十番隊隊長。一角、弓親を引き連れ、一護と対峙する。
更木剣八(ざらき けんぱち)
声 - 立木文彦
護廷十三隊十一番隊隊長。錯乱した涅マユリの元に駆けつけるが、霊子の大蛇に呑まれ繭化する。
狛村左陣(こまむら さじん)
声 - 稲田徹
護廷十三隊七番隊隊長。元柳斎への忠義に厚い人狼。本作では【卍解】「黒縄天譴明王」で一護と対峙する。
砕蜂(ソイフォン)
声 - 川上とも子[注 1]
護廷十三隊二番隊隊長・隠密機動総司令官及び同第一分隊「刑軍」総括軍団長。
卯ノ花烈(うのはな れつ)
声 - 久川綾
護廷十三隊四番隊隊長。
京楽春水(きょうらく しゅんすい)
声 - 大塚明夫
護廷十三隊八番隊隊長。浮竹とは「真央霊術院」時代からの親友。
涅マユリ(くろつち マユリ)
声 - 中尾隆聖
護廷十三隊十二番隊隊長・技術開発局2代目局長。残忍な性格のマッドサイエンティスト。本作では霊子収束装置の研究・開発をしていたが「弟」の鎌の影響により錯乱、瀞霊廷壊滅の一因を作る。
浮竹十四郎(うきたけ じゅうしろう)
声 - 石川英郎
護廷十三隊十三番隊隊長。体は病弱だが、部下から厚い信頼を寄せられている。京楽とは「真央霊術院」時代からの親友。
檜佐木修兵(ひさぎ しゅうへい)
声 - 小西克幸
護廷十三隊九番隊副隊長。一護と最初に遭遇、旅禍として交戦する。斬魄刀「風死」を解放する。
松本乱菊(まつもと らんぎく)
声 - 松谷彼哉
護廷十三隊十番隊副隊長。
雀部長次郎(ささきべ ちょうじろう)
声 - 山口太郎
護廷十三隊一番隊副隊長。
射場鉄左衛門(いば てつざえもん)
声 - 西凛太朗
護廷十三隊七番隊副隊長。冒頭で部下たちを逃がし1人で大蛇と戦うも繭化する。
大前田希千代(おおまえだ まれちよ)
声 - 樫井笙人
護廷十三隊二番隊副隊長。
草鹿やちる(くさじし やちる)
声 - 望月久代
護廷十三隊十一番隊副隊長。
涅ネム(くろつち ネム)
声 - 釘宮理恵
護廷十三隊十二番隊副隊長。
山田花太郎(やまだ はなたろう)
声 - 宮田幸季
護廷十三隊四番隊第七席。本作では、恋次達との戦闘で負傷した一護を旅禍とは知らずに治療している。
斑目一角(まだらめ いっかく)
声 - 檜山修之
護廷十三隊十一番隊第三席。戦い好きの好戦的な性格。日番谷が指揮する旅禍討伐部隊に加わり一護と交戦する。
綾瀬川弓親(あやせがわ ゆみちか)
声 - 福山潤
護廷十三隊十一番隊第五席。一角の旧友でもあるナルシスト。日番谷が指揮する旅禍討伐部隊に加わっている。
壺府リン(つぼくら リン)
声 - 斉木美帆
甘いもの好きな技術開発局の下っ端局員。
紬屋雨(つむぎや ウルル)
声 - 下屋則子
「浦原商店」の店員で、引っ込み思案な女の子。

オリジナルキャラクター

姉弟
瀞霊廷壊滅事件の首謀者たち。幼いころ、南流魂街78地区「戌吊」でルキアと生活を共にしていた。名を持たない姉弟はルキアから名前を付けてもらう約束をしていた。
ある日、虚に寄生され意識を乗っ取られた死神に襲われ致命傷を負わされるが、死の直前にルキアを守るため虚を自らの身体に宿す。意図せずして死人に寄生してしまった虚は虚圏へ逃げ帰ったが、姉弟は虚圏で虚の意識を乗っ取り、ルキアに会いたいという強い思いから長い年月をかけて尸魂界へと帰還した。
上記の経緯から、死神を奪うだけの存在と認識し憎悪している。ルキアを独占するため、死神を全滅させる画策を練り、実験棟で霊子収束装置の開発を行っていたマユリを襲撃し装置を暴走させた後、ルキアから記憶を刈り取り流魂街へと連れ去った。だが、一護の存在をルキアが思い出したことにより、ルキアと離れ離れになることを恐れた姉弟はルキアと強制的に融合しダークルキアへと変貌する。一護との死闘の末、姉弟が宿していた虚は浄化され、虚の力を失った姉弟はルキアと分離、記憶を取り戻したルキアからそれぞれ名前を与えられた。前述の通り、虚に寄生された死神により負わされた傷で既に落命していた身であったため、名前を与えられた歓びに涙しながら静かに息を引き取った。
声 - 平野綾
瀞霊廷壊滅事件の首謀者。天真爛漫だが、激情すると禍々しい霊圧を放つ。「空間転移」という特殊能力を持つ。
声 - 神谷浩史
瀞霊廷壊滅事件の首謀者。物静かで姉に対して従順である。身の丈程の大鎌を所持しており、この大鎌が振るわれた人物は記憶を刈り取られる。また、周りの者の記憶からもその人物に纏わるすべての事象が消えてしまう。作中ではこの力を用い、マユリとルキアから記憶を刈り取った。
ダークルキア
声 - 折笠富美子、平野綾、神谷浩史
ルキアが一護を思い出したことにより、ルキアと離れ離れになることを恐れた姉弟がルキアと強制的に融合した姿。髪は紫がかった銀髪に、目は垂直のスリット型瞳孔をした虚ろ目になり、白い着物を身に纏っている。大鎌と空間転移の能力を使い攻撃する。
当初は一護を追い詰めて優位に立つも、戦いの中で霊圧の虚化が進行する。一護が天鎖斬月でダークルキアの胸の中心を貫き死神の力を注ぎ込んだことで、姉弟が宿していた虚は浄化され、虚の力を失った姉弟はルキアと分離した。
PSP用ゲーム『BLEACH 〜ヒート・ザ・ソウル6〜』では他の劇場版オリジナルキャラクターと同様プレイヤーキャラクターとして登場する。
浦原喜助が技術開発局を設立して間もないころ、研究材料として浦原の手元に置かれていた蛇の姿をした虚。魂魄に寄生し意識を乗っ取り行動するが、寄生した個体が衰弱化するとまた別の身体に移り住む。寄生するときに使う鎌のような触手で相手の記憶を刈ることができる。研究当時は霊力の弱い魂魄にしか寄生することができず、記憶を消せるのも僅かな時間だけだった。
死神に寄生し姉弟を襲うも駆けつけたルキアにより阻止される。ルキアの持つ高い霊力に目を付け、衰弱化していた死神の身体に代わる新たな個体としてルキアに寄生しようとする。ルキアを助けようとした姉を弟もろとも斬り捨てるが、死に際の姉弟に取り込まれたことで、意図せずして死人に寄生してしまい慌てて虚圏へ逃げ帰ったが、やがて姉弟により意識を乗っ取られた。
ルキアは虚により姉弟に纏わる記憶を刈り取られていたため、長く二人のことを忘れていた。この事件が姉弟が死神を憎悪をする要因となっている。

用語

霊子収束装置
涅マユリが開発して完成させた巨大な装置(本来の用途は不明)。円柱の上にある花の蕾の中に装置の制御筒があり、瀞霊廷壊滅後は弟がそれを奪って装置を操っている。装置を操ると超高濃度の霊子の雲が出現し、その霊子が巨大な大蛇となり暴走して周囲に甚大な被害を及ぼす。尚、この霊子に捕まると繭のように絡め取られ石化する。

スタッフ

主題歌

今宵、月が見えずとも
作詞 - 新藤晴一 / 作曲 - 岡野昭仁 / 編曲 - ak.homma、ポルノグラフィティ / 歌 - ポルノグラフィティ

関連商品

小説
2008年12月15日発売、ISBN 9784087031973
本作のノベライズ本。著者は松原真琴。本編とは僅かに差異があり、ノベライズ版ではルキアと姉弟の出会いや、久保が創作したが、尺の関係で本編のストーリーには差し込めなかったルキアと姉弟のエピソードが挿入されている[2]。また、浦原が隊長の羽織をどういった経緯で着たかといったシーンなどもフォローされている[2]
DVD
2009年9月30日発売。
完全限定生産版には公開収録コメンタリー映像が収録されたDVD、本作のトレイラーなどが収録されたDVDが特典として封入されている。
アニメコミックス
2010年3月発売、ISBN 9784088748368
本作のアニメコミックス。久保へのインタビュー、姉弟の初期デザインも掲載されている。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 闘病中の参加で、TVシリーズでは桑島法子に交代していた。

出典

  1. ^ 「2009年 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報2010年平成22年)2月下旬号、キネマ旬報社、2010年、 173頁。
  2. ^ a b c d e f g h i 「INTERVIEW TITE KUBO TALKS ABOUT THE MOVIE」『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ MOVIE GUIDE』週刊少年ジャンプ2009年1月15日増刊、集英社、2008年12月5日、26-27頁。
  3. ^ ジャンプ・コミック出版編集部 編『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ アニメコミックス』集英社ジャンプ・コミックス〉2010年3月9日発行、328-333頁。ISBN 978-4-08-874836-8
  4. ^ 『劇場版BLEACH Fade to Black君の名を呼ぶ』完全生産限定版、アニプレックス、2009年9月30日、ANZB-2187、ロングライナーノーツ。

参考文献

  • 「INTERVIEW TITE KUBO TALKS ABOUT THE MOVIE」『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ MOVIE GUIDE』週刊少年ジャンプ2009年1月15日増刊、集英社、2008年12月5日、26-27頁。

外部リンク